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簡単!!WSLをインストールしてWindows10でLinux開発環境構築

Last updated at Posted at 2021-08-09

Windows上でLinuxのプログラムを動作させることのできるWSL(Windows Subsystem for Linux)が、Windows10の更新によってコマンド1つでインストールすることができ、これまで必要だった幾つかの手順が不要になりました。

この更新により簡単にWindows10環境にLinuxの開発環境を構築することができます。
またエクスポートとインポート機能を利用することで、構築した環境を容易にバックアップ、移行することができます。

前提条件

実施環境

  • Windows 10 Home バージョン 21H1

更新プログラムKB5004296の適用

更新プログラムKB5004296を適用することでコマンド1つでWSL2がインストールできるようになります。

適用がまだの場合Windows Updateから更新プログラムをダウンロードしてインストールします。

WSL2のインストール

事前確認

Windowsの機能の有効化または無効化から「Linux 用 Windows サブシステム」にチェックが入っていないことを確認します。

GUIからの確認

  1. [スタート]メニューをクリックする
  2. [設定]メニューをクリックする
  3. [設定の検索]フォームに「Windowsの機能の有効化または無効化」を入力する
  4. 候補に表示される「Windowsの機能の有効化または無効化」を選択する
    →以下の「Windowsの機能の有効化または無効化」ウィンドウが表示される
  5. 「Linux 用 Windows サブシステム」にチェックが入っていないことを確認する

001.PNG

※ チェックが入っている場合、既にWSLがインストール済みである可能性があります。

インストール実行

  1. 管理者権限でコマンドプロンプトを起動する
  2. 以下のコマンドを実行する
C:\WINDOWS\system32>wsl.exe --install

→インストールが実行されシステムの再起動が求められます。
 指示に従いWindowsの再起動を実行する。
004.PNG

※ インストールコマンドを実行するとデフォルトでUbuntuのディストリビューションがインストールされます。

Ubuntuの初期設定

Windowsを再起動すると自動でUbuntuのターミナルが起動しインストールが開始されます。
※ ターミナル起動後にインストールが走り数分かかる場合があります。

ユーザ名とパスワードの設定

インストールが完了するとユーザー名とパスワードの設定を求められます。

  • 指示に従いユーザ名とパスワードを入力する。
    006.PNG

パッケージの更新

ディストリビューションのパッケージを最新化します。

1. 以下のコマンドを実行してパッケージ一覧を更新する

sudo apt-get update

2. 以下のコマンドを実行してパッケージを更新する

sudo apt-get -y upgrade

ディストリビューションの確認

1. ユーザー権限でコマンドプロンプトを起動する
2. 以下のコマンドを実行してインストールされたディストリビューションを確認する

wsl --list --verbose

実行例)WSLバージョン2のUbuntuがインストールされていることが確認できます。

C:\Users\Owner>wsl --list --verbose
  NAME      STATE           VERSION
* Ubuntu    Running         2

ディストリビューションのエクスポートとインポート

構築したディストリビューションをtarとしてエクスポートおよびインポートすることができます。

エクスポート

今回はデフォルトでインストールされた"Ubuntu"のディストリビューションをエクスポートします。

1. ユーザー権限でコマンドプロンプトを起動する
2. 以下のコマンドを実行してエクスポート対象のディストリビューションを確認する

wsl --list

実行例)"Ubuntu"という名前のディストリビューションが確認することができます。

C:\Users\Owner>wsl --list
LinuxWindows サブシステム ディストリビューション:
Ubuntu (既定)

3. 以下のコマンドによりエクスポートを実行する

wsl --export <ディストリビューション名> <エクスポートファイル名>

実行例)コマンドを実行ディレクトリにubuntu.tarというファイル名でエクスポートします。

wsl --export Ubuntu ./ubuntu.tar

インポート

上記でエクスポートしたubuntu.tarを別名でインポートします。

1. ユーザー権限でコマンドプロンプトを起動する
2. 以下のコマンドによりインポートを実行する

wsl --import <ディストリビューション名> <インポートファイルパス> <インポート対象ファイル名>

実行例)Ubuntu-devというディストリビューション名でubuntu.tarをインポートします。

wsl --import Ubuntu-dev C:\Users\Owner ubuntu.tar

3. 以下のコマンドを実行してインポートされたディストリビューションを確認する

wsl --list

実行例)"Ubuntu-dev"という名前のディストリビューションが追加されています。

C:\Users\Owner >wsl --list
LinuxWindows サブシステム ディストリビューション:
Ubuntu (既定)
Ubuntu-dev

既定変更

インポートされたディストリビューションを既定のディストリビューションに変更することで、「ファイル名を指定して実行」から"wsl"を実行することで優先して起動することができるようになります。

1. ユーザー権限でコマンドプロンプトを起動する
2. 以下のコマンドにより既定ディストリビューションを変更する

wsl --setdefault <ディストリビューション名>

実行例)"Ubuntu-dev"という名前のディストリビューションが既定として指定されます。

C:\Users\Owner>wsl --setdefault Ubuntu-dev

3. 以下のコマンドを実行して既定が変更されたことを確認する

wsl --list

実行例)"Ubuntu-dev"という名前のディストリビューションが既定に指定されています。

C:\Users\Owner>wsl --list
LinuxWindows サブシステム ディストリビューション:
Ubuntu-dev (既定)
Ubuntu

コマンドプロンプトによるディストリビューションの起動

インポートしたディストリビューションはコマンドプロンプトより起動することができます。

1. ユーザー権限でコマンドプロンプトを起動する
2. 以下のコマンドによりディストリビューションを起動する

wsl --distribution <ディストリビューション名>

実行例)"Ubuntu-dev"という名前のディストリビューションがrootユーザで起動されます。

C:\Users\Owner>wsl --distribution Ubuntu-dev
Welcome to Ubuntu 20.04 LTS (GNU/Linux 5.10.16.3-microsoft-standard-WSL2 x86_64)

 * Documentation:  https://help.ubuntu.com
 * Management:     https://landscape.canonical.com
 * Support:        https://ubuntu.com/advantage

  System information as of xxx xxx  x xx:xx:xx JST xxxx

  System load:  x.x                Processes:             x
  Usage of /:   x.x% of xxx.xxGB   Users logged in:       x
  Memory usage: x%                 IPv4 address for eth0: xxx.xx.xxx.xxx
  Swap usage:   x%


35 updates can be applied immediately.
5 of these updates are standard security updates.
To see these additional updates run: apt list --upgradable



This message is shown once a day. To disable it please create the
/root/.hushlogin file.
root@xxxxxxxx:/mnt/c/Users/Owner#

起動ユーザの変更

インポートしたディストリビューションはroot権限で起動されます。
以下の設定を行うことで既存のユーザをデフォルトユーザとして指定することができます。

1. ユーザー権限でコマンドプロンプトを起動する
2. 以下のコマンドによりディストリビューションを起動する

wsl --distribution <ディストリビューション名>

3. 以下のコマンドを実行してwsl.confを作成する

vi /etc/wsl.conf

4. 以下の内容を記述する

wsl.conf
[user]
default=<既存ユーザ名>

5. 以下のコマンドを実行してディストリビューションを抜ける

exit

6. 以下のコマンドを実行してディストリビューションの起動状態を確認する

wsl --list --verbose

対象のディストリビューションのSTATEがRunningであった場合7以降の手順を実施します。

7. 以下のコマンドを実行してディストリビューションをシャットダウンする

wsl -t <ディストリビューション名>

実行例)"Ubuntu-dev"という名前のディストリビューションをシャットダウンします。

C:\Users\Owner>wsl -t Ubuntu-dev

8. 以下のコマンドを実行して再度ディストリビューションの起動状態を確認する

wsl --list --verbose

9. 以下のコマンドを実行してディストリビューションを起動する

wsl --distribution <ディストリビューション名>

手順4で記述した既存ユーザでディストリビューションが起動されます。

参考

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