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UnityにおけるInvokeとCoroutineの精度比較

Last updated at Posted at 2020-06-29

環境

windows10
Unity 2019.3.15f1

指定時間後に動作する処理を書きたい

⇒高精度を求めるならCoroutine一択!※
理由は下記の記事になります。

※2020/06/30 FPSに依存するようです。高精度ではなく、Updateと同じ精度と考えるのが良さそうです。

InvokeとCoroutine

「Unity 指定時間後」で調べるとこの二つが出てきます。

【Unity】スクリプトの処理の実行タイミングを操作する
↑こちらの記事がわかりやすいです。

精度はどうなの?

「BPM200の16分音符を鳴らしたい=音を出してから75ms後に音を止めたい」
これが私にとっての課題です。InvokeもしくはCoroutineはこの課題を解決してくれるのでしょうか。

測定をする

測定にはStopwatchクラスを使用します。今回の測定を行うには十分に高精度です。
どちらも「スペースキー」が押されるとタイマースタート、
一定時間後にタイマーストップをするプログラムです。

Invokeのテストソース

Invoke(xxx, Time); の第二引数で時間を決めます。

InvokeTest.cs
public class InvokeTimerTest : MonoBehaviour
{
    [SerializeField, Range(0.01f, 1.0f)] float Time;
    List<long> results = new List<long>();

    Stopwatch sw = new Stopwatch();

    private void Update()
    {
        if (Input.GetKeyDown(KeyCode.Space))
        {
            sw.Start(); //計測開始
            Invoke("TestInvoke", Time);
        }
    }

    void TestInvoke()
    {
        sw.Stop();
        UnityEngine.Debug.Log($"TestInvoke()[{results.Count + 1}]:{sw.ElapsedMilliseconds}ms");
        results.Add(sw.ElapsedMilliseconds);
        sw.Reset();
    }
}

Coroutineのテストソース

yield return new WaitForSecondsRealtime(Time);の第一引数で時間を決めます。

Coroutine.cs
public class CoroutineTimerTest : MonoBehaviour
{
    [SerializeField, Range(0.01f, 1.0f)] float Time;
    List<long> results = new List<long>();
    Stopwatch sw = new Stopwatch();

    private void Update()
    {
        if (Input.GetKeyDown(KeyCode.Space))
        {
            sw.Start(); //計測開始
            StartCoroutine(TestCoroutine());
        }
    }

    IEnumerator TestCoroutine()
    {
        yield return new WaitForSecondsRealtime(Time);
        sw.Stop();
        UnityEngine.Debug.Log($"TestCoroutine()[{results.Count + 1}]:{sw.ElapsedMilliseconds}ms");
        results.Add(sw.ElapsedMilliseconds);
        sw.Reset();
    }
}

結果

Timeの値を変えて、各条件で100回実行した結果になります。

条件1.Time=100msの場合

最大値 最小値 平均 標準偏差
Invoke 104 83 93.79 6.02
Coroutine 108 100 102.50 1.67

条件2.Time=50msの場合

最大値 最小値 平均 標準偏差
Invoke 57 34 44.28 7.06
Coroutine 57 52 55.8 0.89

条件3.Time=10msの場合

最大値 最小値 平均 標準偏差
Invoke 18 0 4.03 5.13
Coroutine 25 10 17.54 2.24

条件4.Time=500msの場合

最大値 最小値 平均 標準偏差
Invoke 506 480 494.23 6.28
Coroutine 509 500 503.58 2.97

考察

1. 誤差

 Invokeの誤差は、+に8ms, -に20msが最大です。
 Coroutineの誤差は、+に15ms, -に0msが最大です。
 偏差を比べてもCoroutineの方が小さい傾向にあります。
 1ms単位とは言いませんが、±10ms程度のタイマーとしては有効ではないでしょうか。

2. 最小値

 Coroutineでは最小値が設定値を下回る事がありません。タイマーの時間が過ぎたら実行するプログラムと考えると納得がいきます。しかし、Invokeの最小値は設定値を下回っています。おおよそ60Hzの1フレーム分くらい早めに判定される事があるようです。(理由はよくわからないので、詳しい方補足をお願いします。)

3. Timeの限界値

 Time=10msではInvokeの最小値が0になる、Coroutineの誤差も最大+15ms(つまり、目標値の2.5倍)となり、正確な値が取れているとは言い難い状況です。Coroutineの方が精度が良いとはいえ、Time=50msでも約15%の誤差がありますので、過信は禁物です。どちらの誤差も総時間によらない固定値にも思えますので、長時間になればなるほど誤差率は下がりそうです。

まとめ

 Invokeでもシビアじゃない環境では十分に使える精度で動作しますが、Coroutineの方が精度よく引数も使えると利点があります。私の課題「75ms音を出す」は「誤差+10ms以内」で達成出来そうです。「この精度で十分かどうか」、それはもちろん使う用途によりますが、このデータが判断の手助けになれば幸いです。

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