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【AWS】RI / Savings Plans を表で比較!

Last updated at Posted at 2024-08-29

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はじめに

AWS コスト削減といえば リザーブドインスタンス(RI)や Savings Plans が真っ先に思いつきますが、
どのケースで何を選択することがお得なのか、あるいはそれぞれの特徴など、購入オプションも多いことから毎度迷ってしまいます...
今回はこのややこしい RI と Savings Plans についてまとめてみました。
なお本記事では、Amazon EC2 をサポートするタイプのみ取り上げます。

RI 概要

AWS サービスは基本的に従量課金制ですが、この RI はあらかじめ使用期間を決めて長期利用を約束するかわりに割引が受けられるというものです。24 時間 365 日(またはその 75 % 以上)稼働し続けることが決まっているインスタンスに適用するとお得になります。
 

RI 購入時に下記 4 つの属性を指定します。
RI 購入後、全て一致するインスタンスに対して自動で割引が適用されます。

  • インスタンスタイプ
  • スコープ(リージョンまたは AZ)
  • テナンシー
  • OS
     

購入するとキャンセルや変更などができませんが、提供クラス「コンバーティブル」を選択しておくと、同等以上の料金の RI であればその差額を支払って変更できるようになります。
 

コンバーティブル RI は通常の RI に比べて柔軟性がある分、割引率は下がります

Savings Plans 概要

こちらも 1 年または 3 年の期間で特定の使用量を契約すると従量課金よりも安価になる料金モデルです。
RI と違い、リージョン、インスタンスファミリー、サイズ、アベイラビリティーゾーン、OS、またはテナンシーに関わらずインスタンスの利用量に対し、割引が自動適用されます。

EC2 に関連する Savings Plans は下記 2 種類あります。

  • Compute Savings Plans
  • EC2 Instance Savings Plans
     

EC2 Instance Savings Plans の場合、リージョンとインスタンスファミリーを指定して購入するため、柔軟性は劣ります

 

それぞれの特徴を表でまとめてみた

※2024/8 時点の情報です
※EC2 に焦点をあててまとめています
 

特徴 スタンダード RI コンバーティブル RI Compute
Savings Plans
EC2 Instance Savings Plans
契約期間 1 年または 3 年
※ 1
1 年または 3 年
※ 1
1 年または 3 年
※ 1
1 年または 3 年
※ 1
割引率 最大 72 % 最大 54 % 最大 66 % 最大 72 %
キャンセル × × 7 日間以内など条件付きで可能
※ 2
7 日間以内など条件付きで可能
※ 2
柔軟性(自動適用されるか) × ×
手動で切り替えが必要(差額支払いが必要)
・インスタンスファミリー
・インスタンスサイズ
・テナンシー
・OS
・リージョン
・インスタンスサイズ
・テナンシー
・OS
変更可能項目 ・スコープ(リージョンと AZ の切り替え)
・スコープ(AZ 変更)
・インスタンスサイズ
※ 3
・スコープ(リージョンと AZ の切り替え)
・スコープ(AZ 変更)
・インスタンスタイプ
・AZ
・OS
・テナンシー
・支払方法
※ 4
- -
キャパシティー予約
※ 5
スコープ = AZ であれば適用 スコープ = AZ であれば適用 なし なし
適用対象サービス EC2 のみ EC2 のみ EC2(EMR、ECS、EKSクラスターの一部となるインスタンスも含む)、Fargate、Lambda EC2 のみ
支払い方法
※ 6
・ 全額前払い
・ 一部前払い
・ 前払いなし
・ 全額前払い
・ 一部前払い
・ 前払いなし
・ 全額前払い
・ 一部前払い
・ 前払いなし
・ 全額前払い
・ 一部前払い
・ 前払いなし
購入予約の設定 3 年先まで可能(EC 2 のみ、スコープ:リージョン指定のみ) 3 年先まで可能(EC 2 のみ、スコープ:リージョン指定のみ) 3 年先まで可能 3 年先まで可能
割引の適用対象サービス EC2、RDS、ElastiCache、Redshift、OpenSearch、DynamoDB EC2、RDS、ElastiCache、Redshift、OpenSearch、DynamoDB EC2、Fargate、Lambda EC2 のみ
最適な使用ケース 予測可能で安定したワークロード向け 変動のある要件のワークロード向け 汎用性が高く、動的なワークロード向け 固定されたインスタンスファミリー内で柔軟性が必要なワークロード向け

 
上記表について、割引率など公式ドキュメント内でも値に揺れがありましたので、あくまでも参考程度に...

 
※ 1 AWS において 1 年は 365 日計算であり、うるう年は考慮されていない。終了日を間違えないよう注意。
※ 2 Savings Plans キャンセルの詳細な条件については下記参照。
https://docs.aws.amazon.com/ja_jp/savingsplans/latest/userguide/sp-purchase.html#return-sp
※ 3 同一インスタンスファミリー内かつ Linux / UNIX かつ正規化係数の合計が変わらないことが条件。正規化係数については下記参照。
https://docs.aws.amazon.com/ja_jp/AWSEC2/latest/UserGuide/apply_ri.html
※ 4 交換後の RI の価格が、交換前の RI と同等以上である必要がある。また、支払い方法について全額前払いと一部前払いから、前払いなしへの交換は不可。
※ 5 「キャパシティー予約」とは、該当するインスタンスタイプの EC2 を、任意の時間に起動可能であるという権利を確保しておくこと。
※ 6 支払い方法の詳細については下記参照。

  • 前払いなし(No Upfront)
     予約金を前払いせず、利用コミットによる割引単価を毎月支払う方法。割引率は低くなる。
  • ⼀部前払い(Partial Upfront)
     予約金の一部を前払いし、利用コミットによる割引単価も毎月支払う方法。割引率は前払いなしの場合より高くなる。
  • 全額前払い(All Upfront)
     予約金として年間時間課金分を全額一括で支払う方法。割引率はすべての支払い方法のなかで最も高くなる。

 

おわりに

今回は EC2 に関連する RI と Savings Plans について表にまとめました。

AWS 運用コスト削減のお役に立てますと幸いです。

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