os.chdir()の移動をローカルにする

結論

デコレータを使い元のカレントディレクトリをセットし直す！

背景

Pythonでファイル処理をしていると、関数内でディレクトリ移動したくなる時があると思います。

しかし、関数内でos.chdirを使うと、スコープを抜けてもカレントディレクトリは戻りません。

sample.py

import os

def move_dir():
    os.chdir('fuga')
    print(os.getcwd())

if __name__ == '__main__':
    print(os.getcwd())
    move_dir()
    print(os.getcwd())

結果

.../hoge
.../hoge/fuga
.../hoge/fuga

カレントディレクトリを戻すためには、関数内で最初にカレントディレクトリを変数に保持し、
最後にもう一度元のディレクトリに移動する必要があります。

def move_dir():
    dir = os.getcwd()
    os.chdir('fuga')
    print(os.getcwd())
    os.chdir(dir)

ちょっと見栄えが悪いですね…

そうだ デコレータ、使おう

「前後に決まった処理をする」と言えばデコレータです。
という訳で、最後にカレントディレクトリを元に戻すデコレータを作りました。
以下のlocal_chdirを使えばディレクトリ移動を（実質）ローカルにできます。

local_chdir.py

import os

def local_chdir(func):
    def _inner(*args, **kwargs):
        # 元のカレントディレクトリを変数に代入
        dir_original = os.getcwd()
        # 渡された関数実行
        ret = func(*args, **kwargs)
        # カレントディレクトリを元に戻す
        os.chdir(dir_original)
        return ret
    return _inner

@local_chdir # デコレータ
def move_dir():
    os.chdir('fuga')
    print(os.getcwd())

if __name__ == '__main__':
    print(os.getcwd())
    move_dir()
    print(os.getcwd())

結果

.../hoge
.../hoge/fuga
.../hoge

これで、関数内のディレクトリ移動を気にする必要がなくなりました！