LoginSignup
5
3

More than 5 years have passed since last update.

librealsense2にCuda9.2とPCLを紐づけてWindows10でビルド

Posted at

こんにちは、すすむです。
半導体エンジニアをやりながら機械学習について学んでます。

Intel RealSense D435を手に入れたのでまずは環境整備しました。

やること

librealsense2をCuda, PCL, OpenCV, Python紐づけでVisual Studio 2017で
ビルドしました。いくつか複雑な手順があったので備忘録です。

環境

CPU: Intel(R) Core(TM) i7-8700
GPU: NVIDIA GTX 1070Ti

Windows 10 Home
CUDA 9.2

Visual Studio Community 2017 (version 15.8.1)
Visual C++ SDK : VC15 (version 14.15)
CMake 3.12.0
Python 3.6.6
Point Cloud Library 1.8.1

ビルドするもの

librealsense 2.16.0 (with CUDA9.2/PCL/Python/OpenCV)

下準備

まずはRealSenseデバイスをWindows 10のUSB3ポートに接続して
ファームウェアを更新しましょう。
方法は他サイトでも紹介されているため割愛します。
こちらの公式(英語)に手順およびファームウェアのファイルがあります。

Pythonインストール

PythonもしくはAnacondaどちらでも良いのでインストール。
以下では Python 3.6.6 をインストールした体で進めます。
環境変数Pathの設定、並びに設定後のPC再起動をお忘れなく。

Numpy (for OpenCV), pybind11 (for librealsense)と連携のためにpipで
numpyパッケージをインストールしておきましょう。
管理者権限のコマンドラインにて

> pip install numpy pybind11

Cuda9.2インストール

Cuda9.2のNVidia公式にて、「Network」及び「Local」の2種の
インストーラから「Local」の方をダウンロードして起動、
「Custom Install」を選び「Visual Studio Integration」を
探しチェックを入れてインストール。

C:\Program Files (x86)\Microsoft Visual Studio\2017\Community\
Common7\IDE\VC\VCTargets\BuildCustomizations の下に
 CUDA 9.2.props
 CUDA 9.2.targets
などのCUDA関連ファイルがあればOKです。

OpenCVインストール

librealsense2 ビルドの前提である Open CV について、CUDAとの
連携ビルドには注意が必要です。筆者のこちらの記事をご参考ください。

PCLインストール

こちらで公開されているPCL-1.8.1のビルド済みライブラリを活用します。
(必要パッケージを全て自力でビルドするのは非常に手間が掛かります。。。)

"PCL 1.8.1 All-in-one Installer MSVC2017 x64" というリンクから
.exeインストーラをダウンロードして実行、設定はデフォルトでOKです。

環境変数に以下を設定。
PCL_ROOT = C:\Program Files\PCL1.8.1
OPENNI2_INCLUDE64 = C:\Program Files\OpenNI2\Include\
OPENNI2_LIB64 = C:\Program Files\OpenNI2\Lib\
OPENNI2_REDIST64 = C:\Program Files\OpenNI2\Redist\

環境変数のPathに以下を設定。
%PCL_ROOT%\bin
%OPENNI2_REDIST64%
%PCL_ROOT%3rdParty\FLANN\bin
%PCL_ROOT%3rdParty\Qhull\bin
%PCL_ROOT%3rdParty\VTK\bin

設定後に再起動をお忘れなく。

librealsense2インストール

こちらからlibrealsense2をダウンロード、解凍して始めます。
解凍後ファイルは例えばC:\の下などに置けばOKです。

librealsense2 メタデータの有効化

librealsense2でRealSenseデバイスを制御できるようにします。

RealSenseをPCのUSB3ポートに接続した状態で
①PowerShellを管理者権限で起動 (ホームボタンを右クリック)

②Set-ExecutionPolicyコマンド
 ↓
 ExecutionPolicy を "Unrestricted" に変更。
 (セキュリティ上はあまり良くないので後でAllsignedなどに
  戻した方が良いかも)

③以下でメタデータを有効化

>cd C:\librealsense-xxx\scripts
>.\realsense_metadata_win10.ps1 -op install

CUDA関連ファイルの編集

CUDA連携でビルドするためには、いくつかのファイルに問題が
あるため編集が必要になります。

host_config.h

C:\Program Files\NVIDIA GPU Computing Toolkit\CUDA\v9.2\include\crt
の下にある host_config.h について以下のように編集。

host_config.h
#if _MSC_VER < 1600 || _MSC_VER > 1913    //131行目あたり

#if _MSC_VER < 1600 || _MSC_VER > 1915    //VC++ 14.15でビルドできるように

pointcloud.cpp

C:\librealsense-xxx\src\proc の下にある pointcloud.cpp に
コードミスがあるため修正します。

pointcloud.cpp
#ifdef RS2_USE_CUDA
#include "../cuda/cuda-pointcloud.cuh"
#elif __SSSE3__
#include <tmmintrin.h> // For SSE3 intrinsic used in unpack_yuy2_sse
#endif



#ifdef RS2_USE_CUDA
#include "../cuda/cuda-pointcloud.cuh"
#include <tmmintrin.h>     //この一行を加える
#elif __SSSE3__
#include <tmmintrin.h> // For SSE3 intrinsic used in unpack_yuy2_sse
#endif

(備考)
CMakeで「BUILD_WITH_CUDA」が指定されたとき、上記コード中の
「RS2_USE_CUDA」が True となり、その下のヘッダが読み込まれます。
したがって改変前のコードでは「BUILD_WITH_CUDA」を指定すると
「#include <tmmintrin.h>」は飛ばされることになります。

しかし、本ファイルをコンパイルする際に <tmmintrin.h> が必須となる
ようコーディングされているため、CUDAの有無に関わらずこれを Include
するように訂正が必要になります。

CMake

Cmake で以下指定で「Configure」
Where is the source: C:/librealsesne-xxx
Where to build the binaries: C:/librealsesne-xxx/build

ビルドオプションで「Visual Studio 15 2017 X64」を選択。

オプションを以下のように設定。

Name Value
BUILD_CV_EXAMPLES ON
BUILD_EASYLOGGINGPP ON
BUILD_EXAMPLES ON
BUILD_GRAPHICAL_EXAMPLES ON
BUILD_PCL_EXAMPLES ON
BUILD_PYTHON_BINDINGS ON
BUILD_RS400_EXTRAS ON (なければ「Add Entry」)
BUILD_SHARED_LIBS ON
BUILD_UNIT_TESTS ON
BUILD_WITH_CUDA ON
BUILD_WITH_STATIC_CRT ON (なければ「Add Entry」)」
CMAKE_CONFIGURATION_TYPES Debug;Release;MinSizeRel;RelWithDebInfo
CMAKE_INSTALL_PREFIX C:/Program Files/librealsense2
DOTNET_VERSION_EXAMPLES 4.0
DOTNET_VERSION_LIBRARY 3.5
ENFORCE_METADATA ON
HWM_OVER_XU ON
OpenCV_DIR (OpenCVビルドして設定したPath)
PYBIND11_INSTALL ON
PYBIND11_CMAKECONFIG_INSTALL_DIR share/cmake/pybind11
USE_PYTHON_INCLUDE_DIR ON
USE_SYSTEM_LIBUSB ON


「Configure」

以下が自動でセットされるのを確認。

Name Value
CUDA_HOST_COMPILER \$(VCInstallDir)Tools/MSVC/\$(VCToolsVersion)/bin/Host\$(Platform)/$(PlatformTarget)
CUDA_TOOLKIT_ROOT_DIR C:/Program Files/NVIDIA GPU Computing Toolkit/CUDA/v9.2


「Configure」⇒「Generate」

Visual Studio でビルド

Visual Studio を管理者権限で起動。
C:\librealsesne-+++/build の下にできた「librealsense2.sln」を開く。

Projectファイルの設定変更

Solution Explorerで「Library」→「realsense2」を右クリックして
「properties」を選択。

下図のように Propertiesウィンドウにおいて

・Configurationタブを「Active」に

・Code Generation の「Runtime Library」項目にて
  - Debugビルドの時は「Multi-threaded Debug DLL (/MDd)」
  - Releaseビルドの時は「Multi-threaded DLL (/MD)」
 をそれぞれ指定。(下図はReleaseビルドの例)

・同様のことを
  - 「Library」→「realsense-file」
  - 「Tools」→「rs-rosbag-inspector」
 に対しても行う。

VS設定1.png

ビルド

ツールバーからBuildタブ→「Build Solution」

Solution Explorer上でCMakePredefinedTargets→INSTALLを選択した状態で
ツールバーからBuildタブ→「Project Only →「Build Only INSTALL」

Solution Configurationで「Release」についても同様に行う。
(!!上記 "Projectファイルの設定変更" を再度行うのを忘れずに!!)

Pythonで動作確認

.pydファイルのコピー

C:\librealsense-master\build\Release\pyrealsense2.cp36-win_amd64.pyd
を以下にコピー

C:\Program Files\Python36\Lib\site-packages

パスの設定

環境変数
realsense2_DIR = C:\Program Files\librealsense2

環境変数Path
%realsense2_DIR%\bin


再起動

pyrealsense2 で RealSense D435 の操作確認

RealSenseデバイスをUSB3ポートに接続

コマンドラインを起動

>cd C:\librealsense-master\wrappers\python\examples
>python opencv_viewer_example.py


RealSenseの映像が表示されれば成功!

おわりに

いかがでしたでしょうか?ご参考になれば幸いです。

今後、画像処理/機械学習や半導体のトピックスについて
随時ご紹介していくので是非フォローいただけると嬉しいです!

5
3
0

Register as a new user and use Qiita more conveniently

  1. You get articles that match your needs
  2. You can efficiently read back useful information
  3. You can use dark theme
What you can do with signing up
5
3