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VRCでFinal_IKを使う(初心者向け?)

Last updated at Posted at 2019-11-11

初めに

これはVRChat向けの記事です。
VRChatにおけるUnityを前提として書いているため、一般的なUnityとは乖離しているケースが多々含まれます。ご注意ください。

本来の使い方

本当に初心者の人が勘違いしたらいけないので載せておきます。

ラグドールの設定サンプル(Full Body Biped IK)

3D空間でお絵かき (VR IK)

NPCシステム(Aim IK)

前提知識

この記事では以下の知識を前提としています。

  • 基本的なUnity操作
  • VRC物理学(Fixed Jointによるサブアーム、ワールド固定)
  • 筆者の拙い文章を理解する読解力と根気

やりたいこと

VRCユーザーが
「Final_IKがセールだ!買え!」「ところで何に使うものなの?(笑)」
と言っているのを見かけたので、何かしらの利用方法の提示。

  • Limb IK の導入方法(超特殊構造)
    • オブジェクトの持ち替え
    • Fixed joint を使わないワールド固定

完成品prefab
持ち替えとワールド固定(置きなおし可能、エモートスイッチ設定済)

  • Aim IKを使ったオブジェクト一括管理

完成品prefab
パーティクルライブとかの演出に使えるかも?

  • 他の記事等を紹介

メリット

  • IKを使うため、関節がいい感じに曲がってくれる
  • Fixed JointやRigidbodyの数を減らせる
    • VRC上でのアバターパフォーマンスの仕様につよい!

デメリット

  • 価格が$90と高い(セール中なら半額程度で買えます)
  • 日本語の情報が少ない
  • VRCのアップデートで挙動が変わる可能性がある

Limb IK の導入方法(超特殊構造)

以前Twitterでまとめたもの(以下リンク)があるので、現在の仕様に合わせて少し調整して記事にしてます。

Limb(四肢)を制御するComponentのため、本来の使い方ではありません(VRCにありがち)。
これを使う事で従来は手などのボーンに直接格納していたオブジェクトをArmatureの外に出し、浅い階層で管理できるので、複雑なアニメーション作る際などに便利です。

オブジェクトの持ち替え

早速、以下の通りに Chest(肩)から Right hand(右手)にcubeを持ち替える構造を作っていってください。

VR IK

アバターのルート(Pipeline ManagerやVRC_AvatorDescriptorがあるところ)にVR IKコンポーネントをアタッチします。
Humanoidに適合したアバターであれば、Referencesの欄が適切に設定されるはずです。

すべての項目が埋まっている事だけを確認して、問題がなければ他の項目はそのままで大丈夫です。
VRCに上書きされるので設定は気にしないでいいです。

2019/11/17現在上書きされない設定になってるようです。とりあえず、以下の値に。1

fix Transformを外す
IK Position Weightを0に
Plant Feetのチェックを外す
Locomotionの Weight を0に
Velocity Factor を0に

Full Body Biped IK1

同様にアバターのルートにFull Body Biped IKをアタッチします。

VR IK同様に、Refarencesが埋まっている事だけを確認します。
その際に下図のようにボーンに走っている線が青色になっているかも合わせて確認します。

FBB IK.PNG

線に赤色が混ざっている場合、関節どちらの方向に曲がればいいのかFBBIKが認識できてない状態です。
この場合はUnity上で構わないので、膝に微小な角度(0.1度くらい)をつけてあげることで正常な状態(青色)になります。
この際、関節が曲がるべき自然な方向に角度をつけます。

それ以外の設定はデフォルトのままで構いません。

こちらも調整するべきかもしれません。が、取り敢えず、ギミックは動くのでギミック部分が出来上がってからIKの調整をする、と言う方針が良いかと思われます。

VR IK同様、FBBIKコンポーネントのチェックボックスも外しておきます。

IK Execution Order

同様にアバターのルートにIK Execution Orderをアタッチします。

IK ComponentsのSizeを2にすると、その下に入力欄が2つ出現します。
1つ目の入力欄(Element 0)にVR IKを、2つ目の入力欄にFBBIKをセットします。
Inspector内のコンポーネント名を直接ドラック&ドロップでセットできます。

IK_Execution.gif

以上の操作でIKの実行順序を設定することで、VRC上での挙動の安定化を図っています。
(これをしないとLimb IKの挙動が安定しません。)

IK設定用の関節

Armature の外に(つまりボーンの影響を受けない位置に)右クリックcreate emptyをしてGame objectの多重構造を作り

To chest
 ∟To right hand

Limb IK root1
 ∟Limb IK root2
  ∟OBJECT

といった風にリネームする。(分かりやすいようにこのようなネーミングなだけで、1、2、3とかでも全然OKです)
root2を座標をずらし(0,1000,0)、OBJECTで位置を戻し(0,-1000,0)、関節の長さを設定します。

そして OBJECT の中に右クリックで cube を置き、position(0,0,0)にします

これで動かす cube の設定は終わりです。
続いて肩に追従する時にはどの位置にあるのか、手に追従する時にはどの位置にあるのかを設定していきます

OBJECT を ctrl + D で複製し、出てきた OBJECT (1) を使って位置調整します。
まずは chest から右クリック、create emptyを二回してGame object を作成しChest(Limb)とChest_IKにリネームする。
そしてさっきの OBJECT (1) を Chest(Limb) の子に置く。

Armature
 ∟Hips
  ∟Spine
   ∟Chest
    ∟Left shoulder
    ∟Neck
    ∟Right shoulder
    ∟Chest(Limb)  ←(New)!!
     ∟Chest_IK  ←(New)!!
     ∟OBJECT (1)
      ∟cube
そして Chest(Limb) ごと動かし位置調整します。
同じように右手首にも、create empty、リネーム

Ik.PNG

Right wrist
 ∟Right hand (Limb)
と設定し、位置調整後、OBJECT (1)  は必要ないので Delete してください

Limb IK

Limb IK をTo chest と To right hand にadd component し、画像のように設定します。

  • fix Transformを外す
  • bone1 2 3 に Limb IK root1 Limb IK root2 OBJECT をドラッグ&ドロップ
  • Target にTo chestにはChest_IKをTo right handにはRight hand_IKを。 追記:Chest_IK等Targetに指定するオブジェクトにVRC IK_followerを付ける。
  • Avatar IK Goal を Right hand に(今回は右手なので。左手ならLeft hand で)
  • Bend Modifier を Target に

お疲れ様です以上で設定終わりです。
再生ボタンを押して Limb IK のコンポーネントをON/OFFすると IK が変更されます。
To chest が enable かつ To right hand が disable 状態にあると肩に背負い

Chst.PNG

逆だと右手に持ちます

hand.PNG

Fixed joint を使わないワールド固定

先ほど設定した Limb IKのターゲットを none にします。
Limb IKをdisable状態にします

以上です。
Limb IK がenableになった場所にワールド固定されます。
一度ワールド固定するとdisableにしても IK 情報を与える Target が none なので動きません。
なのでLimb IK を多重構造にしておく事で、別途他の Limb IK から手元に引き寄せるようにしないといけません。
置きなおすことが出来ませんが、逆に言えば IK の情報がないというのが複数保存されるので Target が none のLimb IKを複数用意しておくことでワールド固定の箇所を複数個所切り替える等ができます。
ワールド固定する瞬間にワールド固定するゲームオブジェクトの子階層でLimb IKで手元に引き寄せ即IK無効化で再度置きなおしを再現出来ます。
Rigid bodyを使わないのでワールド固定をするオブジェクトにコライダーを含む場合、コライダーがRigid body colliderに変化して挙動が変わったりしないので管理しやすい。

IK_world.gif

Aim IKを使ったオブジェクト一括管理

お借りしたもの

noribenさんのビームライトシェーダーとモデルをお借りしました。
https://noriben.booth.pm/items/1637978

完成品チラ見せ

完成品prefab
https://superamatou.booth.pm/items/1669811

作っていく

Game objectを分かりやすいようにLight Groupとリネームします。
子階層にビームライトを複数個、等間隔に並べます。

下準備

アバターに仕込む場合は、Limb IKの項目と同じように、VR IK,FBB IK,IK Execution Orderを設定してください。

ターゲット用のオブジェクト作成

それぞれのビームライトの先端付近になるようにCreate emptyします。それぞれの高さは揃えておいてください
作ったオブジェクトをビームライト自体のTransformの影響を受けないように階層を変えます。

Aim IKの設定

IKの設定をする為にCreate emptyして画像のように設定します。
今回は90度向きを変えているビームライトの真上にターゲットが有る為、Axis(1,0,0)です。
Aim Transform,Targetの位置関係に応じて値を変えて下さい。

Aim_IK1.PNG

他の記事等を紹介

VR IKを自前で設定する
https://qiita.com/TyounanMOTI/items/4a68b9b2123baa867924

ワールド用のラグドール等の設定値
https://twitter.com/ayr_suzu/status/986285883958558725

海外のVRC向けFinal IKまとめてる方々
https://www.youtube.com/channel/UCgZrhtmeno1qwrQFUQg4J0g
https://www.youtube.com/channel/UCmBh1L02HuuKoWrSXsLhCKw

VRC向けではないが(script使用)丁寧に解説してる記事
https://lowpolycat.com/unity_asset1/

同じくVRC向けではない
http://miyas-maincontents.blogspot.com/2016/11/final-ik.html

まとめ

IKの実行順序

  • VR IK
  • Full Body Biped IK
  • IK Execution Order

以上のコンポーネントをアップロード前に事前にアタッチしておくことで、IKの実行順序を明示的に指定できる。
事前にアタッチしなかった場合は、VRC上で自動的にアタッチされるが、その場合は実行順序が明示されない。

なぜIKの実行順序が重要なのか

今回の機構は、以下のロジックに基づいて多脚を実現しています。

  1. ダミーのHumanoidボーン(UpperLeg.R, UpperLeg.L)が動く(VR IK、FBBIKによる)
  2. ボーンについているRigidbodyを元にFixed Joinedが連動して動く
  3. Fixed Jointをtargetに指定したLimb IKが動く

VR IKやFBIKより先にLimb IKが動いてしまうと、上記のロジックが正しく動作せず、動きがぎこちなくなってしまいます。

IK制御の優先度はVR IK, Full Body Biped IK>Limb IK

ウェイト未割り当てボーンの除去の補足です。

VR IKやFull Body Biped IKの制御下にあるボーンは、Limb IKで制御できません。

これについては、以下の記事に詳しく書いてあります。

補足

以下はメモ的なものです。
参考程度に捉えてくもらえると。

ネットワークIK

  • 自分以外のアバターは角度情報だけを取得している?
  • 仕様変わるらしいです。

VRC IK_follower

  • VRC SDK内に入っている script
  • このコンポーネントを付けたGameObjectのTransformは、Position(0, 0, 0), Rotation(0, 0, 0), scale(1, 1, 1)に上書きされる 位置調整をしたい場合には親にofset用のGameObjectを挟むと良い
  • RigidbodyやIK同様、座標計算をするコンポーネント
    • コンポーネントが非アクティブになっている間は計算が停止
    • 結果として、オンオフするたびに位置がズレる可能性有
  • Fixed Joined を使わずに、ワールドパーティクルを仕込むことが出来る
    • こちらが本来の用途、詳しい実装方法は別途紹介
  • 手首の子階層に空のGameObjectを設置し、VRC IK_followerを付けることで他者の視点でも同期するようになる
    • 結果、他人視点でも同期するIKのTargetとして利用できる

Limb IK

  • Limb(四肢)の名前の通り、本来は手足を制御する為のモノ
  • VR IKなどHumanoidを想定したIKでは2本の脚しか制御できないが、Limb IKは設定したボーンのみを制御するため、それぞれの脚ごとにLimb IKを用意することで多脚に対応可能

  1. IKは上書きされたりされなかったり、時期によって、と言うか、運営の匙加減です。 

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