はじめに
「アプリが遅い…」「いつの間にか DB が落ちていた…」
--- そんなヒヤリをゼロにしたい開発・運用のみなさん!
ManageEngine Applications Manager はもう試しましたか?
→ 私は今回のイベントをきっかけに試してみました!
Docker、MySQL、Tomcat などの複合環境でも、エージェントレス&ノーコードでサクッと監視を始められる優秀ツールでした。
本記事では 「30 日間の無料トライアル版」 を実際に触り、
- インストール
- 監視設定(URL 監視/メール通知)
- ダッシュボード作成
を“最短ルート”でまとめました。初見さんでも「ここだけ押さえれば動く!」というポイントを詰め込んでいるので、ぜひお役立てください。
Applications Managerとは
サーバーからアプリ、クラウドまで 8,000 種類以上 のメトリクスを自動収集し、異常があればメール・Slack・Teams などに即時通知してくれる 統合監視ツール です。
複数製品を寄せ集める必要がなく、Applications Manager だけで以下をまかなえます。
- 死活・リソース監視
- APM(Java/Node.js/PHP…)
- ログ/URL/SSL 証明書期限
- RUM・合成トランザクション監視
- レポート自動生成 …etc.
ポイント
GUI でポチポチするだけなので、監視ツールにありがちな“初期スクリプト地獄”とは無縁。運用メンバーに Python や Bash を覚えてもらう必要もありません。
事前準備(ダウンロード&インストール)
-
公式サイトからトライアル版を取得
https://www.manageengine.jp/products/Applications_Manager/download.html -
対応 OS
-
Windows 64bit:
ManageEngine_ApplicationsManager_64bit.exe
-
Linux 64bit:
ManageEngine_ApplicationsManager_x64.bin
(GUI インストーラ付き)
-
Windows 64bit:
-
インストーラを起動 → ほぼ「次へ」で OK
- Web サーバーポートはデフォルト 9090
- ファイアウォールをお使いなら TCP/9090 を許可しておきましょう
インストール完了後、ブラウザで http://<ホスト名>:9090
にアクセスすると初期設定画面が開きます。
※デフォルト ID/パスワードは admin / admin(初回ログイン時にパスワード変更必須)。
監視対象を登録してみる
◆ 簡単なWebアプリ「Node.js + Express」を構築して監視してみました
npmでサーバを起動し、「Hello from Express.」の画面が表示される簡単なWEBサーバーを構築しました。
それを監視してみようと思います。
1. 画面上部メニュー [監視] → [監視の新規追加] をクリック
2. 監視タイプ一覧から [Web サーバー/サービス] → [URL] を選択
⇩ 以下の一覧をご覧いただければ分かる通り、監視対象として設定できる項目は非常に幅広く、監視内容も細かくカスタマイズできるため、「これはすごい」と感じました。
監視設定が可能な対象の一覧です(
クリックにて開く)
< 監視対象の一覧 >
-
アプリケーションパフォーマンス監視
.NET、.NETCore、Java、Node.js、PHP、Python、Ruby -
アプリケーションサーバー
ApacheGeronimoサーバー、GlassFish、JavaRuntime、JBossサーバー、Jettyサーバー、Microsoft.NET、OracleApplicationServer、Resin、SilverStream、Tomcatサーバー、VMwarevFabrictcServer、WebLogicServer、WebSphereServer -
クラウドアプリケーション
AWS、GoogleCloudPlatform、Microsoft365、MicrosoftAzure、OpenStack、OracleCloud -
コンバージドインフラストラクチャ
CiscoUCS、Nutanix -
カスタム監視
JMX/SNMPダッシュボード、Windowsパフォーマンスカウンター、スクリプト、データベースクエリ、ファイル/ディレクトリ、新規監視タイプ作成 -
データベースサーバー
Cassandra、Couchbase、DamengDB、Db2、HBase、IBMDb2fori、Informix、Kingbase、memcached、MongoDB、MSSQL、MySQL/MariaDB、Neo4j、Oracle、OracleNoSQL、OracleRAC、PostgreSQL、Redis、SAPHANA、SAPMaxDB、SQLAnywhere、SybaseASE、SybaseReplication -
ERP
MicrosoftDynamicsCRM、MicrosoftDynamicsCRM/365(On-Premise)、OracleEBS、SAPBusinessOne、SAPCCMS、SAPJava、SAPサーバー、SiebelEnterpriseServer -
エンドユーザー監視
DNS、LDAPサーバー、ping監視(EUM)、Telnet(EUM)、メールサーバー、リアルブラウザー監視、リアルユーザー監視 -
メールサーバー
ExchangeServer、メールサーバー -
ミドルウェア/ポータル
ApacheActiveMQ、ApacheKafka、IBMWebSphereMQ、MicrosoftBizTalk、MicrosoftMQ(MSMQ)、MicrosoftOfficeSharePoint、MicrosoftSkypeforBusiness、OracleTuxedo、RabbitMQ、WebLogicIntegration -
サーバー
AIX、FreeBSD/OpenBSD、HP-UX/Tru64、IBMi、Linux、MacOS、Novell、SunSolaris、Windows、Windowsクラスター -
サービス
ActiveDirectory、ApacheSparkマスター、ApacheZookeeper、Cephストレージ、DNS、FTP/SFTP、Hadoop、Hazelcast、Istio、JMXアプリケーション、LDAPサーバー、NetworkPolicyServer(RadiusServer)、OracleCoherence、ping監視、SNMP/ネットワーク装置、Telnet、UDPポート、サービス監視 -
仮想環境
CitrixHypervisor、CitrixVirtualAppsandDesktop、Docker、Hyper-VServer、Kubernetes、KVM、OpenShift、OracleVM仮想インフラストラクチャ、RHV仮想インフラストラクチャ、VCenter、VMwareESX/ESXi、VMwareHorizonView、VMwareHorizonViewコネクションブローカー、XenApp -
Webサーバー/サービス
ApacheSolr、Apacheサーバー、Elasticsearchクラスター、HAProxy、IBMHTTPServer、IISサーバー、MEADManagerPlus、MEOpManager、MEServiceDeskPlus、nginx、NGNIXPlus、OracleHTTPServer、PHP、RESTAPIMonitor、RESTAPIシーケンス、SSL/TLS証明書、URL、URLシーケンス、Webサイトコンテンツ監視、Webサーバー、Webサービス、Webページ分析、ブランドレピュテーション、リアルブラウザ監視、リアルユーザ監視
3. 監視する内容を入力します。
※下記は、URL 監視の設定例になります。
下記を入力して
設定項目 | 値 |
---|---|
URLアドレス |
http://localhost:3000 (確認テスト用にローカル環境で動かしているWEBサーバなので http://localhost:3000 と入力しています) |
ポーリング間隔 | 1 分 |
あるべきキーワード | Hello |
禁止ワード | Error |
[URL 監視を追加] をクリックします。
下記のように一覧へ追加され、正常ならステータスが緑(正常)で表示されます。
早速エラーを起こしてみたいと思います。
Express のレスポンスをわざと「Error」に変更 → 1 分後、ステータスが 赤丸 に!
さらにメッセージを元に戻すと自動で 緑丸 に復旧しました。
GUI だけでここまで完結するのは気持ち良いですね。
通知を設定しよう(Gmail 編)
Slack/Teams 派の方へ
Webhook 連携も同じフローで設定できます。今回は例として Gmail を使用します。
1. Google アカウント側の準備
Googleアカウント側の設定(2 段階認証を有効化)
①ブラウザでGoogleアカウントにアクセス:
👉 https://myaccount.google.com/
[セキュリティ]>「2段階認証プロセス」を有効にする
②アプリパスワードの設定:
👉 https://myaccount.google.com/apppasswords
アプリ名に(例「Applications Manager」)を入力し「作成」ボタンを押すと「パスワード(XXXXXX)」が発行されます。※パスワードは下記で使用します!
2. Applications Manager 側の SMTP 設定
①[アラート] >[アクション▼] > [メールアクション] を選択し、下記のように設定項目を入力します。
項目 | 内容 |
---|---|
SMTP サーバー | smtp.gmail.com |
ポート番号 | 587(TLS) |
メール | XXXX@gmail.com (送信元メールアドレスを設定する) |
SMTP サーバ認証が必要 | チェック有 |
SMTP ユーザー名 | XXXX@gmail.com (メールアドレスを設定する) |
パスワード | アプリパスワード(Googleアカウントにて発行したパスワードを設定する) |
TLS | TLS認証を有効 |
[接続テスト] が成功すれば準備完了。
[保存]ボタンをクリックして保存します。
②次に送信するメールのアクションを作成します。
アドレスとメッセージ内容を入力して[アクションの作成]ボタンをクリックすると
下記のようにメールアクションが追加されます。実行[▶]ボタンで送信テストができます。
上記のメール設定が完了したら、次にアラートの設定をします。
あとはアラートポリシーで「エラー時 ⇒ メールアクション実行」を紐付ければ、障害発生と同時に Gmail へ通知が飛びます。
③監視内容を追加、送信メールを設定、閾値を設定、の順に設定していきます。
これで、監視している対象が障害を発生すると同時に Gmail へ通知が飛びます。
メールでは気づかないという人は、SlackやSNSなどでも、障害通知が送信できるので、そちらを使用することができます!
ダッシュボードを 3 分で作る
複数の監視対象(サーバー、アプリ、DBなど)の状態を 1画面でまとめて表示するダッシュボードを作成します。
- [Custom Dashboards] → [Create New Dashboard]
- タイトルとレイアウトを入力
- [Add Widget] でグラフ/リストなどを配置
- 各ウィジェットに対象モニターを割り当て → [Save]
ワンポイント
“タグ” を活用すると、開発環境だけ/本番だけ など視認性が爆上がりします。ぜひお試しを!
レポート機能(定期/オンデマンド)
- 日次・週次 PDF 自動配信
- SLA レポート
- モニター別トレンド分析
これらも UI からチェックボックスを入れるだけ。運用会議の資料作りにもう悩みません
Applications Managerを使ってみた感想のまとめ
- インストール 〜 監視開始まで 30 分以内。導入ハードルが圧倒的に低い
- GUI 操作だけで APM/インフラ/クラウド を横断的に可視化できる
- 通知・ダッシュボード・レポートがワンストップなので、運用工数が確実に減る
- 料金は固定なので AWS CloudWatch などと比較すると中~大規模のシステムなら圧倒的にApplications Managerにて監視した方がコストを下げることができます。
【ざっくり計算比較】
サーバー 60 台 + DB 10 台 + URL 30 件=100 モニター相当
・ CloudWatch 側で 1 リソースあたり 10 メトリクス流すと 1,000 件 → $300/月(約 43,500 円)
・ Applications Manager 100 モニター版は 約 38,600 円/月
・ さらに CloudWatch Logs やアラーム数、ダッシュボードを追加すると AWS 側が先に跳ね上がりやすい。
“とりあえず動かしてみたい”人にも、“既存監視を統合したい”人にも自信を持っておすすめできるツールでした。まずは無料トライアルで、自社システムをガッツリ覗いてみてください!
最後までお読みいただき、ありがとうございます。
この記事が皆さんの Applications Manager 導入・活用の一助となれば幸いです。