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基本情報午後試験に、技術者らしく分析して挑む

Last updated at Posted at 2017-04-10

目的

 2017年春季に基本情報技術者試験を初受験予定です。
 基本情報の午後試験は、150分で長文の設問7つを選択・回答しなければならず、効率の良い解き方をしなければなりません。
 「午後試験の選択問題をどう選ぶか」について、技術者らしく、分析して取り組みたいと考えました。
 検討結果を資料として残し、自身の備忘録とすること、また他の受験者や受験経験者の方に見ていただくことを目的とします。

結論

 私にとって「時間対正答率」が高かった、以下の4設問を本試験では優先して選択することとします。(1章より)

  • 設問2: データベース(SQL)
  • 設問5: ソフトウェア開発
  • 設問6: プロジェクトマネジメント
  • 設問7: OR/IE、システム戦略

 また、得点効率を考慮した結果、以下の順番で問題を解くのが私にとっては最適であると分析しました。(2章より)

  • 設問1(情報セキュリティ)→設問3(データベース)→設問5(ソフトウェア開発)→設問7(OR/IE)→設問6(プロジェクトマネジメント)→設問11(Java)→設問8(データ構造とアルゴリズム)

内容

1. 選択問題(設問2~7)について

概要

 基本情報技術者試験の午後試験の問題内容について、試験要綱(P.15)より、「設問1、設問2~7(4問選択)、設問8、設問9~13(1問選択)」と規定があります。
 過去問より、設問ごとの問題内容はおおむね以下となっています。
 太字で示した箇所が6問中4問を選択する問題です

設問 問題内容
1 情報セキュリティ
2 ハードウェア、離散数学
3 データベース(SQL)
4 ネットワーク
5 ソフトウェア開発
6 プロジェクトマネジメント
7 OR/IE、システム戦略
8 データ構造とアルゴリズム
9 C
10 COBOL
11 Java
12 アセンブラ
13 表計算

 なお、試験時間は150分と規定されているため、150[m]/7 ≒ 20[m]。
 設問は5~7つの小問で構成されているので、1問あたり約3~4分しか確保ができず、難易度のみならず、時間配分も考慮する必要があります

過去問(4回分)解答結果

 設問2~7について、過去問4回分(H28秋・春、H27秋・春)を解答しました。
 私の各回における正答率を以下に示します。

設問 問題内容 H28秋
[%]
H28春
[%]
H27秋
[%]
H27春
[%]
2 ハードウェア、離散数学 60.0 80.0 100.0 75.0
3 データベース(SQL) 85.7 100.0 80.0 40.0
4 ネットワーク 50.0 60.0 60.0 50.0
5 ソフトウェア開発 80.0 100.0 100.0 83.3
6 プロジェクトマネジメント 83.3 80.0 100.0 71.4
7 OR/IE、システム戦略 85.7 100.0 83.3 80.0

 これらから求めた平均正答率および標準偏差解くのに要する概算時間、単位時間あたりどれだけ正解(率)を得ることができるか示す時間対正答率[%/m]を以下に示します。

設問 問題内容 正答率平均
[%]
標準偏差
[%]
必要時間
[m]
時間対正答率
[%/m]
2 ハードウェア、離散数学 78.8 16.5 30 2.63
3 データベース(SQL) 76.4 25.7 10 7.64
4 ネットワーク 55.0 5.8 15 3.67
5 ソフトウェア開発 90.8 10.7 20 4.54
6 プロジェクトマネジメント 78.3 12.0 20 4.18
7 OR/IE、システム戦略 87.3 8.8 20 4.36

 表より、時間対正答率の上位4つである、太字箇所の「データベース」「ソフトウェア開発」「プロジェクトマネジメント」「OR/IE」を選択するのが、私にとっては望ましいことが分かりました。

各設問についての所見

 表から分析できる各設問についての所見を、基本情報未受験者の方に向けて説明します。

設問 問題内容 お勧め度 所見
2 ハードウェア、離散数学 ☆☆☆ 長文、計算あり、難しい、と三重苦揃った設問。時間対効率が非常に悪く、避けるほうが無難
3 データベース(SQL) ★★★ 簡単かつ時間もかからない。選択して損はない。問いの性質上芋づる式に間違うことがあり、標準偏差が高いのはこのため
4 ネットワーク ★☆☆ 私は正答率平均、標準偏差ともに低いことから、安定して間違えている=苦手。回答に時間はかからないので、自信がある方は優先すべき
5 ソフトウェア開発 ★★☆ 私は正答率平均が最も高く、得意な問いだった。長文であり体力を使うが、計算は後述する2問と違ってあまり無い
6 プロジェクトマネジメント ★★☆ 長文、計算ありと体力を使う問題。難しくはない。他の問いと比較して、技術的な知識がなくても淡々と解ける場合が多い印象
7 OR/IE、システム戦略 ★★☆ 長文、計算ありと体力を使う問題。難しくはないが、財務諸表などが出てくる場合がある。でも知識が無くても解けるレベル。苦手でなければ選択安定

2. 午後試験全体について

午後試験全体の時間対得点

 これまでは、設問2~7についてのみ分析しました。本章では、午後試験全体について分析します。
 午後試験全体の配点は、設問1~7は各12点、設問8と9~13は各20点となっています。
 つまり、前章の「時間対正解率」に配点の割合分(12/100 or 20/100)を乗算すれば、「時間対得点[点/m]」が求まります。これにより、午後試験の全設問を同じ基準で考察することができます。
 前章で選択した問題をふまえて、午後試験全体を採点した結果を同様に以下に示します。

設問 問題内容 正答率平均
[%]
標準偏差
[%]
必要時間
[m]
時間対得点
[点/m]
1 セキュリティ 78.8 16.5 10 1.04
3 データベース(SQL) 76.4 25.7 10 0.92
5 ソフトウェア開発 90.8 10.7 20 0.55
6 プロジェクトマネジメント 78.3 12.0 20 0.50
7 OR/IE、システム戦略 87.3 8.8 20 0.52
8 データ構造とアルゴリズム 56.5 44.7 35 0.32
11 Java 66.7 8.2 30 0.44

 これより、以下のことが言えます。

  • 設問8と11は、配点20点と大きいため、一見すると優先して取り組むべきと思えるが、単位時間に得られる得点(得点効率)は少ないよって、優先すべきではない。
  • 一方、設問1や3は得点効率が非常に高い。これらの問題を優先して得点を稼ぎ、余った時間を設問8や11に回すのが、「限られた時間で一定の点数を得られれば合格」の試験においては有効だといえる。1

所見

  • これを書いている時点で来週が試験です。午前試験も含めて、残る自分の課題は、「SQL」「財務経理」「午後設問8(データ構造とアルゴリズム)」あたりかなと思っています。これらを復習します。
  • この分析結果は得点効率のみしか考慮していません。実際の試験では、でかい問題を先に解いて、テンションを上げて小さな問題に進むといった戦術も当然有効だと思います。どちらにせよ、本番の時間配分は冷静に対処したいです。
  • 受かったら、本記事更新します。"May the Force be with us!"

無事、一発合格しました! たーのしー!



  1. 大学入試のように、「点数を取れば取るほど有利になる」といった試験ではこの考え方は適切ではないでしょう。効率が悪くとも、配点の高い「重い問題」を先に攻略することで、残りの隙間時間で「軽い問題」を片付けられ、その分他の受験者より有利に立てる可能性があるからです。 

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