はじめに
この記事では、QGISを使用し、人流データを地図上にグラフィカルに表示する手順をご紹介します。
QGISを入門者を対象にしています。
前提
以下の資料を参考にしています。
『QGISを利用した「人流」データ利用マニュアル』
https://www.geospatial.jp/ckan/dataset/mlit-1km-fromto/resource/d470f03e-5544-4c3d-a785-c51f6ac06361
準備
QGISをインストール
QGISダウンロード
http://download.qgis.org
人流データの取得
国土交通省が無料で公開しているオープンデータを利用する。
人流データはG空間情報センターにある。
*参考ページ
https://www.mlit.go.jp/tochi_fudousan_kensetsugyo/tochi_fudousan_kensetsugyo_fr17_000001_00006.html
*G空間情報センターはアカウント作成とログインが必要。
1G空間情報センターにアクセスする
『G空間情報センター』
https://www.geospatial.jp/ckan/dataset
2人流データのページを開く
https://www.geospatial.jp/ckan/dataset/mlit-1km-fromto
*データセットの単位
都道府県ごとに2種類ある。
・mdp:1kmメッシュ別に、いつ、何人が滞在したのかを収録したデータ
・fromto:いつ、どこ(同市区町村/同都道府県/同地方/それ以外)から何人来たのかを収録したデータ
3データセットをダウンロードする。
たとえば、大阪の場合、以下の2つをダウンロードする。
・monthly_mdp_mesh1km_27(大阪府)
https://www.geospatial.jp/ckan/dataset/mlit-1km-fromto/resource/1fdd4082-52ee-45ba-bc9b-3b65abea63eb
・monthly_fromto_mesh1km_27(大阪府)
https://www.geospatial.jp/ckan/dataset/mlit-1km-fromto/resource/b82f2e11-7301-467a-8fa6-f63f3af2d8e1
地理情報を取得
1全国標準地域メッシュ3次メッシュ(約1km四方)をダウンロード
全国標準地域メッシュ3次メッシュ(約1km四方)
https://www.geospatial.jp/ckan/dataset/biodic-mesh/resource/38bd3651-120e-480f-99cf-7bb89cad7a05
2国土数値情報 行政区域(ポリゴン)データをダウンロード
国土数値情報ダウンロードサイト
https://nlftp.mlit.go.jp/ksj/
下にスクロールすると、
2取得したい市町村を選択(たとえば「大阪」)
3年度で絞り込みから年度を選択(たとえば「2025])
レイヤの追加
QGISを起動しておく。
メッシュをレイヤに追加
全国標準地域メッシュ3次メッシュ(約1km四方)をレイヤに追加する。
1メインメニュー>レイヤ>レイヤの追加>ベクタレイヤ追加
「データソースマネージャ」の「ベクタ」タブを選択後、
“ブラウズ”ボタン 「 mesh1.shp 」 を指定し“追加”ボタンを選択
*もしくは、レイヤーの中にドラッグ&ドロップする。
人流データ1の追加
monthly_mdp_mesh1km_27(大阪府)を追加する
1CSVTファイルを作成する。
・ダウンロードしたmonthly_mdp_mesh1km_27(大阪府)のフォルダを開く。
ここでは、2021年12月フォルダを対象とする。
*zipファイルは解凍しておく。
・csvファイルのコピーを作成し、拡張子をcsvtに変更する。
・csvtファイルを開く。
ファイル内に書かれているデータを全て消して以下の一行を追加する。
string,string,string,string,string,string,string,integer
・csvtファイルを保存する。
3フィルタする。
レイヤからCSVファイルを右クリックして、メニュー>フィルタ
2021年12月の休日の昼間にデータを絞り込む。
'''
"year"='2025' AND "month" = '12' AND "dayflag" = '0' AND timezone" = '0'
'''
*フィルタをかける理由はメッシュ数とデータ個数が1対1にする必要があるため。
4データを結合する。
レイヤからmeshファイルを右クリックして、メニュー>プロパティ>「結合を編集」、
「+」ボタンをクリックして、ダイアログを表示。
・結合するレイヤ
・結合基準の属性
・ターゲット属性
・属性名の接頭辞
完了後、
「属性を管理」を開くと、結合したデータが表示される。
また、右クリックして、メニュー 「属性テーブルを開く」 で結合した結果を見ることができる。
5シンポロジの調整
レイヤからmesh1を右クリックして、メニュー>プロパティ>「シンボロジ調整」タブを選択します。
連続値による定義
値
カラーランプ
を選択後、分類をクリックする。
凡例が表示され、以下の様なイメージになる。
OKをクリックすると、以下のように、大阪府の地形上に人流のグラフィカルな図が表示される。
行政区域データの表示
1「行政区域データ」のshpファイルをレイヤに追加する。
*以下の様なダイアログが表示されてもいったんOKボタンをクリックする。
以下のような大阪府の地形上に行政区域が線で区切られたグラフィカルな図が表示される。
人流データ2の表示
人流データ2(FromTo)をレイヤに追加する。
1csvtファイルを作成する。
*前述の人流データ1を参考にする。
'''
string,string,string,string,string,string,string,integer
'''
2csvファイルをレイヤに追加する。
3フィルタする。
レイヤからCSVファイルを右クリックして、メニュー>フィルタ
2021年12月の休日の昼間で、
同一都道府県かつ自市区町村と異なる市町村の総計データ
に絞り込む。
'''
"year"='2021' AND "month" = '12' AND "dayflag" = '0' AND "timezone" = '0' AND "from_area" = '1'
'''
*参考情報
from_area = "居住地区分"
“0”:同一 市区町村 総計
“1”:同一 都道府県かつ自市区町村と異なる市町村 総計
“2”:同一の地方ブロックかつ異なる都道府県 総計
“3”:異なる地方ブロック 総計
人流データ定義書
https://www.geospatial.jp/ckan/dataset/mlit-1km-fromto/resource/e2083495-8095-4119-a865-e5c22e6a7eee
4データを結合する。
レイヤから行政区域ファイルを右クリックして、メニュー>プロパティ>「結合を編集」、
「+」ボタンをクリックして、ダイアログを表示。
・結合するレイヤ
・結合基準の属性
・ターゲット属性
・属性名の接頭辞
「属性を管理」を開くと、結合したデータが表示される。
また、右クリックして、メニュー 「属性テーブルを開く」 で結合した結果を見ることができる。
5シンポロジの調整
レイヤから行政区域ファイルを右クリックして、メニュー>プロパティ>「シンボロジ調整」タブを選択します。
連続値による定義
値
カラーランプ
を選択後、分類をクリックする。
凡例が表示され、以下の様なイメージになる。
OKをクリックすると、以下のように、大阪府の地形上に人流のグラフィカルな図が表示される。
行政区域ラベルの表示
1メニュー>プロパティ>「ラベルを調整」を開く。
・ルールに元づく定義(rule-based)
ルール1:値="N03_004"
ルール2:値="N03_005"
OKボタンをクリックすると、市町村、または大阪市の場合は区名が表示される。
背景地図の表示
1ブラウザパネル内の [XYZ Tiles] にカーソルを合わせ、右ク
リックして 新しい接続 を選択。
*ブラウザパネルはメニュー ビュー パネル ブラウザ をチェックで表示される。
2ダイアログに以下を入力して、OKボタンをクリック。
名前:背景地図
URL :https://cyberjapandata.gsi.go.jp/xyz/std/{z}/{x}/{y}.png
3作成した背景地図をレイヤ内にドラッグ&ドロップ
4背景を透過する。背景地図を右クリック>メニュー>プロパティを表示
5透明度を60%にし、OKボタンをクリックする。
6シンポロジの調整を開く。
混合モード=”比較(暗)Darken”
にして、OKボタンをクリックする。
7地図の透過した背景の上に、人流のグラフィカルな図が強調されて表示されるようになる。
*バランスが足りない場合は、さらに調整する。
表示の切り替え
人流データ1、人流データ2の表示を切り替える。
1人流データ1のチェックをON、人流データ2をOFFにする。
2人流データ1のチェックをOFF、人流データ2をONにする。
人流データ2が表示される。
プロジェクトファイルの保存
プロジェクト>ファイルに保存をクリックする。
OKをクリックすると、プロジェクトが保存される。