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WinterJSをローカル(MacOS)にインストールするために試行錯誤したことまとめ

Last updated at Posted at 2024-03-15

注意:この記事の内容の利用は自己責任でお願いします。

Summary

  • winterjsの依存クレートの一つであるmozjsおよびmozjs_sysのコンパイルが通すのが目標。
  • 依存しているソフトウェアのインストールを確認すること。pythonは3.11系統だとトラブルことがなかった。

WinterJSって?

RustバインディングされたSpiderMonkey(Mozilla製)を用いたサーバーサイド用JavaScriptエンジン。
HTTPサーバとして用いると最速級らしい。
下の記事を読んだ方が速いです。(本題ではないので省かせてもらいます。)

バージョン1.0が発表されたのでローカルで動かしてみたい。

そんな簡単には動かさせてもらえなかった。
公式ではMacOSにインストールする手順が案内されていないので、手探りでやってみる。
WinterJSの公式リポジトリのReadmeによるとRustのパッケージマネージャーcargoのコマンドでインストールできるっぽい。

$ cargo install --git https://github.com/wasmerio/winterjs winterjs

が、うまくインストールできない。
原因を調べると依存クレーとの一つ、mozjs_sysのコンパイルに失敗しているらしい。
エラーをよくみてみると、

File "/Users/YourUserName/.cargo/git/checkouts/mozjs-e1c76167ba7c548f/91349dc/mozjs-sys/mozjs/python/mozbuild/mozbuild/configure/__init__.py", line 18, in <module>
  from six.moves import builtins as __builtin__
ModuleNotFoundError: No module named 'six.moves'

とありmozjsをビルドする際に実行されているPythonスクリプトでエラーが出ている。
まず、RustのライブラリをコンパイルしているときにPythonを動かすなという気持ちは置いといて、このエラーの解決を図る。

  1. 自環境で現在利用されているPythonのバージョンを調べる。
$ python
Python 3.11.8 (main, Mar 13 2024, 17:07:06) [Clang 15.0.0 (clang-1500.3.9.4)] on darwin

pythonが3.12系だとなぜか動かなかった。(原因は調べていませんごめんなさい。)

  1. 使われているインタプリタでsixが利用可能か調べる。
$ pip list
Package    Version
---------- -------
pip        24.0
setuptools 65.5.0
six        1.16.0

インストールされていなかったら pip install sixでインストールしましょう。
グローバルでインストールできない系のエラーが出たらこの記事などを参考にしてください。

そもそもインストールするために何が必要なのか。

llvm, python, yasmが必要らしい。
公式リポジトリには何も言及がないが,Github Actionsの設定ファイルを覗くことでMacOSでのビルト時に必要なパッケージがわかる。

winterjs/.github/workflows/rust.yml
jobs:
  mac:
    runs-on: macos-13
    strategy:
      fail-fast: false
      matrix:
        features: ["--features debugmozjs", ""]
    env:
      RUSTC_WRAPPER: sccache
      CCACHE: sccache
      SCCACHE_GHA_ENABLED: "true"
    steps:
      - uses: actions/checkout@v3
      - name: Install deps
        run: brew install python llvm yasm
      - name: Run sccache-cache
        uses: mozilla-actions/sccache-action@v0.0.3
      - name: Build
        run: |
          cargo build --verbose ${{ matrix.features }}
          cargo test --verbose ${{ matrix.features }}

homebrewを利用して、python,llvm,それとyasm?をインストールしている。
これに倣って自環境にもllvmとyasmをインストールする。

brew install llvm yasm

ここまでやってみてもう一度cargo installを試してみる。

それでもダメだった場合。

上記のことをやっても最初はうまくビルドできずインストールできませんでした。
次に私がとったアプローチはコンパイルに失敗しているmoz-jsをローカルでコンパイル成功するように修正することです。

winterjsが使用しているmoz-jsのバージョン等を特定します。

winterjs/Cargo.toml
[dependencies]

# (省略)
mozjs = { version = "0.14.1", git = "https://github.com/wasmerio/mozjs.git", branch = "wasi-gecko", features = [
    "streams",
] }
mozjs_sys = { version = "0.68.2", git = "https://github.com/wasmerio/mozjs.git", branch = "wasi-gecko" }

# (省略)

wasmerio/mozjsはservo/mozjsのフォークです。これをgit cloneしてローカル上でビルドできるか調査します。

c++のlinkerの一つであるlldがmacOSで利用できないのに、オプションで指定されておりエラーでした。
サードパーティのld64.lldを利用して正常動作を狙います。

$ brew install keith/formulae/ld64.lld
mozjs/mozjs-sys/mozjs/build/build-clang/build-clang.py
        extra_ldflags = [
-           "-fuse-ld=lld"
+           "-fuse-ld=ld64.lld",
            "-Wl,-dead_strip",
        ]

またPythonかよ…
これでうまくビルドできればいいですが、"llvm-hogehoge"のコマンドが見つからないよ!みたいなエラーが出たら、パスが通ってるか確認してください。

私が遭遇していないエラーが出てくるかもしれませんが、各自頑張ってください…

ローカルでビルドしたmozjsを使ってwinterjsをビルドする。

  1. winterjsをgit cloneしてきます。
  2. winterjs/Cargo.tomlに以下を追加します。
winterjs/Cargo.toml
[patch."https://github.com/wasmerio/mozjs"]
mozjs = { path= "path/to/your/mozjs/mozjs"}
mozjs_sys={ path="path/to/your/mozjs/mozjs-sys"}

これはcargoが特定のurlをふむ時に以下のクレーとのpathにオーバライドしたものを使用するようになります。
これでwinterjsのディレクトリかでcargo buildを実行しwinterjsがビルドできるか試します。

winterjs
$ cargo build

結構時間がかかります。もし、ビルドができたらインストールコマンドを使って、ローカルのリポジトリからインストールできます!

winterjs
$ cargo install --path .

最後に

ここまで紹介したのは私がぶつかったエラーです。人によっては別のエラーに遭遇する可能性があります。他のエラーが出たら教えてください。
記事の改善提案PRお待ちしております。

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