Yosemiteが公開されていますが、しばらくはMavericksを使う予定なので、MavericksにTexをインストールしました。そのときに行ったことなどを備忘録として残しておきます。
##参考にしたところ
##MacTeXかTeXLiveか
MacTexはTexLiveを元に作成されているOS X用TeXディストリビューションらしいです。
別にTeXLiveをOS Xにインストールしても問題は無いのだと思いますが、せっかくOS X用のディストリビューションを用意していただいているのですから、MacTexを使わせていただきましょう。
MacTexの公式サイトから、MacTexのインストールパッケージをダウンロードします。いろんなところで言われていますが、ファイルサイズは2.4GBもあるようです。いくら回線速度の速い日本国内と言えど、この大きさはちょっと躊躇してしまいますね。
ちなみに、ダウンロードはSafariで行うことが強く推奨されています。なるべくSafariを使いましょう。
##MacTeXをインストールする
インストールパッケージを起動すると見慣れたインストーラが起動しますので、画面に従って進めていきましょう。
「インストールの種類」で「カスタム」を選択すると、インストール先やパッケージのインストールするしないを選択できます。
GhostScriptはhomebrewなどで管理できるようですので、今回はインストールしないことにします。また、GUI-Applicationsも特に必要ないかなと考えておりますので、こちらもインストールしません。
TeXLive-2014のみをインストールします。
(あれ、じゃあ別にMacTeXじゃなくてもよかったような...?)
ちなみにインストール先は変更しませんでした。
インストールディレクトリは/usr/local/texlive/2014
になります。ディレクトリを覗いてみると、いろんなファイルなんかがあるのが判ります。
$ ls /usr/local/texlive/2014 -l
total 1620
-rw-r--r-- 1 root staff 2098 9 29 2006 LICENSE.CTAN
-rw-r--r-- 1 root staff 5086 6 6 2011 LICENSE.TL
-rw-r--r-- 1 root staff 183 8 9 2008 README
-rw-r--r-- 1 root staff 250 8 9 2008 README.usergroups
drwxr-xr-x 4 root wheel 136 5 25 22:48 bin
-rw-r--r-- 1 root wheel 712040 5 24 10:24 doc.html
-rw-r--r-- 1 root staff 1157 6 1 2010 index.html
-rwxr-xr-x 1 root wheel 80297 5 17 03:34 install-tl
-rw-r--r-- 1 root wheel 825681 5 25 22:53 install-tl.log
drwxr-xr-x 12 root staff 408 5 25 22:51 readme-html.dir
drwxr-xr-x 17 root staff 578 5 25 22:51 readme-txt.dir
-rw-r--r-- 1 root staff 360 5 23 12:57 release-texlive.txt
drwxr-xr-x 8 root wheel 272 5 25 22:58 texmf-config
drwxr-xr-x 31 root staff 1054 5 25 22:58 texmf-dist
drwxr-xr-x 7 root wheel 238 5 25 22:58 texmf-var
-rw-r--r-- 1 root wheel 577 5 25 22:52 texmf.cnf
-rw-r--r-- 1 root wheel 673 5 25 22:52 texmfcnf.lua
drwxr-xr-x 12 root staff 408 11 8 22:45 tlpkg
##TeXLiveのアップデート
とりあえず最初はアップデートしてみましょう。以下のコマンドでアップデートできるらしいです。
$ sudo tlmgr update --self --all
2014/11/09時点で、340件の更新がありました。気長に待ちましょう。
##実際に使ってみる
MacTex(TeXLive)には
- e-upTeX
- XeTeX
- LuaTeX
- LuaJITTeX
が収録されているらしいです。
今回は最も新しい環境であるらしいLuaTeXを使用してみます。
まずは簡単にpdfを作成してみましょう。
.tex
形式で以下のようにファイルを作成してみます。
\documentclass{article}
\begin{document}
Hello, \TeX \\
Hello, \LaTeX \\
\end{document}
その後luatex test
とコマンドを打ってコンパイル(?)してみます。
すると以下のようなメッセージが表示されました。
$ luatex test
This is LuaTeX, Version beta-0.79.1 (TeX Live 2014) (rev 4971)
restricted \write18 enabled.
(./test.tex
! Undefined control sequence.
l.1 \documentclass
{article}
?
1行目に未定義の処理があるよと言われているようです。やっぱりコピペじゃ駄目ですね。心を入れ替えて、ちゃんと文法を調べましょう。
と思って調べた結果、どうやらコンパイル(?)のコマンドが間違っていたようです。luatex
ではなくlualatex
だとうまくいきました。
$ lualatex test
This is LuaTeX, Version beta-0.79.1 (TeX Live 2014) (rev 4971)
restricted \write18 enabled.
(./test.tex
LaTeX2e <2014/05/01>
Babel <3.9l> and hyphenation patterns for 79 languages loaded.
(/usr/local/texlive/2014/texmf-dist/tex/latex/base/article.cls
Document Class: article 2014/09/29 v1.4h Standard LaTeX document class
(/usr/local/texlive/2014/texmf-dist/tex/latex/base/size10.clo))
No file test.aux.
Underfull \hbox (badness 10000) in paragraph at lines 3--5
[1{/usr/local/texlive/2014/texmf-var/fonts/map/pdftex/updmap/pdftex.map}]
(./test.aux))
(see the transcript file for additional information)
259 words of node memory still in use:
2 hlist, 1 vlist, 1 rule, 2 glue, 39 glue_spec, 1 write nodes
avail lists: 1:1,2:13,3:7,4:34,5:6,6:27,7:3,9:12
<</usr/local/texlive/2014/texmf-dist/fonts/type1/public/amsfonts/cm/cmr10.pfb><<
/usr/local/texlive/2014/texmf-dist/fonts/type1/public/amsfonts/cm/cmr7.pfb>
Output written on test.pdf (1 page, 18590 bytes).
Transcript written on test.log.
上記のログが表示された後、
- test.aux
- test.log
- test.pdf
が出力されます。
test.pdfを開いてみると、おお、素晴らしい。
Hello, TeX
Hello, LaTeX
と出力されています。
さて、では日本語はどうでしょうか。
先ほどのtest.texファイルを少々修正してみます。
\documentclass{ltjsarticle}
\begin{document}
Hello, \TeX \\
Hello, \LaTeX \\
日本語入力はどうかな?
\end{document}
先ほどと同様にコンパイル(?)しましょう。
$ lualatex test
This is LuaTeX, Version beta-0.79.1 (TeX Live 2014) (rev 4971)
restricted \write18 enabled.
(./test.tex
LaTeX2e <2014/05/01>
Babel <3.9l> and hyphenation patterns for 79 languages loaded.
(/usr/local/texlive/2014/texmf-dist/tex/latex/base/article.cls
Document Class: article 2014/09/29 v1.4h Standard LaTeX document class
(/usr/local/texlive/2014/texmf-dist/tex/latex/base/size10.clo)) (./test.aux)
! Text line contains an invalid character.
l.5 ^^[
$BF|K\8lF~NO$O$I$&$+$J!)^^[(B
?
おおっと! 文字化けしてしまうようですね。ちなみにファイルの編集はvimで行っており、(記憶が正しければ)UTF-8で出力されるはずです。
とりあえずxを入力して、処理を抜けましょう。
さて、本当にtest.texがUTF-8なのか謎なので、調べてみましょう。
$ file --mime test.tex
test.tex: text/x-tex; charset=us-ascii
あ、あれー……。UTF-8じゃなかった……。
vimで開き直し、:setl fenc=utf-8
で文字コードを変換した後、保存してもう一度文字コードを見てみます。
$ file --mime test.tex
test.tex: text/x-tex; charset=utf-8
文字コードも直ったことですし、もう一度コンパイル(?)してみましょう。
$ lualatex test
This is LuaTeX, Version beta-0.79.1 (TeX Live 2014) (rev 4971)
restricted \write18 enabled.
(./test.tex
LaTeX2e <2014/05/01>
Babel <3.9l> and hyphenation patterns for 79 languages loaded.
(中略)
2843 words of node memory still in use:
8 hlist, 1 vlist, 3 rule, 3 glue, 16 kern, 2 glyph, 331 attribute, 468 glue_s
pec, 21 attribute_list, 1 write nodes
avail lists: 2:1446,3:12,4:51,5:6,6:39,7:3,9:29
</usr/local/texlive/2014/texmf-dist/fonts/truetype/public/ipaex/ipaexm.ttf><</us
r/local/texlive/2014/texmf-dist/fonts/type1/public/amsfonts/cm/cmr10.pfb><</usr/
local/texlive/2014/texmf-dist/fonts/type1/public/amsfonts/cm/cmr7.pfb>
Output written on test.pdf (1 page, 172163 bytes).
Transcript written on test.log.
やりました! ではopen test.pdf
で結果を見てみましょう。
こんどはきちんと
Hello, TeX
Hello, LaTeX
日本語入力はどうかな?
とpdfに出力されています。
##環境の整備は完了?
とりあえずはTeXを使用する環境は整ったようです。今後はLuaLaTeXの使い方を勉強しながら、文書を作成していきましょう。