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GCP未経験の新卒2年目がAssociate Cloud EngineerとProfessional Cloud Architectを連続で受検したときの記録

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こんにちは。新卒2年目の SogoK です。

3月に CKA (Certified Kubernetes Administrator) の資格を取りましたが、Kubernetes 以外の「クラウドネイティブ」の形を理解したくてクラウド系の資格を取得しようと思い、Google Cloud の2つの資格を取得しました。

対象読者

  • Google Cloud の資格に興味がある人
  • GCP を触ったことがなくても OK
  • クラウドの基本については知っていると◎

資格について

Associate Cloud Engineer (ACE)

  • 登録料: $125 + 税
  • 時間: 2時間

主に現場エンジニア向けの資格です。エントリー的な立ち位置ですが、gcloud, gsutil, bq, kubectl コマンドのオプションなども問われるため、同等レベル?の Azure AZ-900 よりは難しい印象です。

Google 公式ページ

Professional Cloud Architect (PCA)

  • 登録料: $200 + 税
  • 時間: 2時間

アーキテクト向けの資格です。ACE よりはレベルが高く、監査や法務、コスト管理についても問われます。ACE ほど細かいことは聞かれませんが、GCP の各サービスの仕様については把握できている必要があります。

Google 公式ページ

タイムライン

やったことと時期を簡単にまとめておきます。順番に ACE / PCA 取得までの過程を書いていきます。

より難しい PCA のための勉強を始めて、無理そうであれば ACE だけでも取ろうと思って学習を始めました。

時期 内容
2022年5月 GCP の3か月トライアルを開始
2022年6月~8月初旬 Google 公式の無料学習プログラム受講
2022年8月中旬〜下旬 PCA 対策(模擬問題2回分)
2022年9月上旬 ACE 対策(模擬問題4+3.5回分)
ACE 受検
2022年9月中旬 PCA 対策(模擬問題1.5回分+復習)
PCA 受検

開始前のスペック

  • Kubernetes はわかる
  • GCP のサービスは GCE と GKE と BigQuery くらいしか知らない
    • いずれも使ったことはない
  • AWS は趣味で lambda や dynamodb を触ったことがある

GCP の3か月トライアルを開始

何はともあれ触ってみれば勘所がつかめるかもと思い、登録して興味のある部分を触ったりしてみました。

Cloud Build, Container Registry, Cloud Run, API Gateway で簡単に API 作れて便利だな~ってやつをやったりしましたが、試験勉強に役に立ったかと聞かれるとそうでもないです。

Google 公式の無料学習プログラム受講

Preparing for the Professional Cloud Architect Exam は PCA 資格の学習プランを考えるための講座です。

ケーススタディ(EHR Healthcare, Helicopter Racing League, Mountkirk Games, TerramEarth)を自分で考えてみようのコーナーが最初にあるのですが、そもそも GCP のサービスに何があるのか知らないので打ちのめされます。:innocent:

地味に動画の数が多くて時間がかかるので、下記の Core Infrastructure の講座と並行して進めました。

Google Cloud Fundamentals: Core Infrastructure のコースを見るとどんなサービスがあるのか一通り教えてくれるので全く初めての人は見るのをおすすめします。
コース中に有料のハンズオン lab がありますが、lab の内容は無料でも見れちゃうので、正解かどうか確認する機能が必要でなければ無料で手を動かしてみると良さそうです(gcloud コマンドの雰囲気がつかめて良かったです)。

PCA 対策(模擬問題2回分)

PCA 対策としては【最短攻略】Google Cloud 認定 Professional Cloud Architect 模擬問題集を利用しました。

50問×3セット+20問の計170問あり、まずは1セット分解いてみたのですが 48% しか正答できず惨敗しました。目安としては7割が合格ラインで、ネット上ではこれを繰り返し解いて9割以上正答できるようにした、という人がいくらか見られたので筆者もこの過去問を繰り返し解くことにしました。

日付 第nセット 得点 (%)
2022-08-17 1 48
2022-08-20 1 92
2022-08-27 2 58

1セット解くのにかかる時間は1時間程度ですが、見直しには丸一日かかります(筆者の場合)。50問それぞれに参考リンクがあるので、それをたどり、わからない点に関してはさらに調べたりするのでとても時間がかかります。

第2セットは少し点数が上がったものの、まだ合格ラインには届かなかったので、一度心が折れました。感触としては、一度解いた問題に関しては理解できているものの、知識の範囲が局所的で、Google Cloud 全体としてのサービスの全体像についての解像度がまだ低い感じがありました。

そのため、一度 ACE 対策をやろうと決めました。

ACE 対策(模擬問題4+3.5回分)

正直 PCA 対策やっていれば ACE は余裕なんじゃないかと思っていたのですが、そもそも GCP についての理解が浅いからか、簡単だとは思いませんでした。
もちろん PCA の出題と重なる部分もあるのですが、ACE のほうがより実務に近い出題でした。

対策に使ったのは以下の2つの Udemy の講座です。

こちらの講座の方が問題数が多かった(50問×4セット)のでこちらに時間をかけてやっていたのですが、問題の精度としてはあまり高くないと思いました。あくまで個人的な感想ですが、

  1. 問題や選択肢の文章がわかりにくい、選択肢同士の違いが不明瞭である
  2. コマンドを問う問題ではサブコマンドの順番を入れ替えただけの選択肢があったが、実際の試験ではそのレベルの設問はほぼない

2点目に関して少し補足すると、例えば gcloud projects describe ${project_id}gcloud describe projects ${project_id} が選択肢にあるケースです。前者の順(リソース動詞)になるのは gcloud コマンドを少し触ったことがある方なら自明だと思うのですが、このタイプの出題は実際の試験ではあまりないです。

40問×3セット+50問なので設問数がちょっと微妙ですが、こちらはより実際の試験に近い出題だと思いました。筆者はこのコースを試験前日に手を出して一夜漬けで対策しましたが、もっと早くやってみれば良かったです。

どちらの模擬問題集を使っても出題範囲は同じなので、各問についているリンクをたどっていくことで GCP のより実務的な知識が身につきます。また、gcloud などのコマンドのリファレンスを適当に眺めていくことで使っている気分にもなれます()。

およそ1週間ほど対策をして、本番に臨みました。

ACE 受検

試験開始前にお部屋のチェックがあるのですが、後ろに置いてあるローテーブルに雑貨や本を乗せて置いたせいで入念にチェックが入りました。。

午後イチの枠(13:00〜)で申し込んだので眠さ MAX でしたが、なんとか耐えて1時間強で解き終わりました。

解き終わり、アンケートを終えると「合格」と出て一安心しました。
ただこの段階では正式に合格ではなく、数日経ってからメールで連絡がきます。筆者の場合は5日後に Google から Google Cloud Certified 試験の結果通知 メールが届き 結果: ポリシー審査のため保留中 となり、何も悪いことはしてないのにドキドキしながら3日待つと おめでとうございます。Google Cloud Certified として認定されました。 というメールが届きました。

PCA 対策(模擬問題1.5回分+復習)

ACE の結果がまだ確定しないうちでしたが、点数的には合格だったので気持ちを切り替えて PCA 対策を再開しました。

模擬問題を解いた時の成績は以下のような感じです。また、Google 公式の模擬問題も解きました(ここの問題はほとんど全て Udemy の模擬問題にも転載?されているのでやらなくてもよさそう)。

日付 第nセット 得点 (%)
2022-09-07 2 90
2022-09-10 3 64
2022-09-11 1 96
2022-09-11 3 100
2022-09-13 4 80

同じ問題を2回目以降解く時には、ただ答えを暗記するのではなく、なるべく時間をかけて答えを導き出すプロセスや読んだドキュメントを思い出しながら解くのがコツです(1セット1時間くらい)。

PCA 受検

前回の経験から、物を雑多に置いたローテーブルには布をかけて挑みます。担当のプロクターが大雑把な性格だったのか、拍子抜けするくらいスムーズに進みました。「頑張ってください!」と言われた後、試験の注意事項を読んでいる時にスマートウォッチを外していないことに気がついて、慌ててプロクターを呼び出して時計を外した腕を見せました(危なかった・・・)。

かかった時間としては ACE の時より短い1時間弱でした。模擬問題集で見たことのあるような問題ばかりで、ほとんどの問題に自信を持って解答することができました。

今回もアンケート回答後に「合格」と出て安堵し、その3日後に 結果: ポリシー審査のため保留中、さらにその3日後に おめでとうございます。Google Cloud Certified として認定されました。メールが届きました。

感想

当初は Professional Cloud Architect の資格を取るのはとても難しそうと思っていましたが、実際にやってみると Associate Cloud Engineer とそこまで大きなレベルの差はないように感じました。その分 ACE が意外と難しいということでもあります。

Google Cloud のサービスを理解していく中で Google 的なクラウドネイティブなシステムの構築やオンプレからの移行、SRE や運用の効率化についての考え方を知ることができ、有益でした。

具体的には、始める前は「IAM ってなんとなくわかるけど面倒そう」くらいの認識しかなかったですが、きめ細かい権限管理をすることのメリットや IAM 管理のプラクティスを知ることができたことが挙げられます。他にも同じような漠然としたクラウドへの思い込みや不安が解消された感覚がありました。

  • クラウド破産怖い
    → クラウドのコスト分析や節約の方法がわかる
  • 可用性低そう・高可用性のための構成が複雑そう
    → 各サービスにおけるフェイルオーバーの方法がわかる
  • そもそもサービス数多すぎない?(DB とかデータ分析ツールとか)
    → 各サービスのユースケースがわかる

使い方がわからないサービスばかりで最初は退屈だったのですが、今なら色々使ってみたいと思いますし、わかってくると結構面白いですね。初回登録特典の $300 をほとんどドブに捨ててしまったのが悔やまれます。🥺

最後まで読んでいただきありがとうございました。ぜひ皆さんも Google Cloud 資格に挑戦してみてください!

追伸: PCA 合格でもらえるという景品からリュックサックがなくなっていました :sob:

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