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記事投稿キャンペーン 「2024年!初アウトプットをしよう」

【運用】アドベントカレンダー執筆を推進して、完走しきった

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本稿は、VR法人HIKKYのnoteと筆者であるR.D.SakamotoのQiitaの両方に同時投稿しており、PV数などの比較を行っております。

私が所属するVR法人HIKKYでは、技術ブログ「HIKKY開発者ブログ」を公開しています。エンジニア、クリエイター、ディレクター等、さまざまなロールのメンバーが、それぞれの視座において、多種多様な記事を執筆、公開しています。

そんなVR法人HIKKYでは、いわゆるアドベントカレンダーを、2023年12月に公開しました。なお、本稿でいうアドベントカレンダーとは、記事投稿プラットフォームであるQiitaが開催した「Qiita Advent Calendar 2023」を指します。

アドベントカレンダーといえば、一般的には「クリスマスまでの期間に日数を数えるために使用されるカレンダー」です。私はヨーロッパのエストニアに住んでいることもあり、雑貨店やスーパーに売られているのをちらほら見かけました。ただし、本稿で言及するアドベントカレンダーはそれのことではなく、一般的なアドベントカレンダーの慣習に基づいて技術ブログなどを投稿していくイベントを指します。上述の「Qiita Advent Calendar 2023」では、本稿で述べるアドベントカレンダーについて、次のように定義されています。

毎年12月1日から25日までの期間限定で展開される記事投稿イベントです。クリスマスまでの日数をカウントダウンするアドベントカレンダーの慣習にもとづいて、様々なテーマのカレンダーを埋めていく形で記事を投稿します。

詳細なアクセス解析はしていないため、正確な結果ではないかもしれないのですが、最終的に、弊社のアドベントカレンダーの記事は、Qiita上にあげられたものだけでも20,000PVを突破し、約50ストックをしていただくに至りました。これはひとえに参加してくれたメンバー各位のお力によるものなのですが、微力ながら、その推進役として、走り出しから完走まで、どういったことをやってきたのか、その振り返りを本稿で行います。

組織主体の技術情報の発信は難しい

今更、本稿で語るまでもなく、情報のアウトプットというものは、須く難しいものです。日々のブログやSNS、ソーシャルメディアでの何気ない日常の情報発信ですら、それを継続していくというのは難しいです。高いモチベーションを維持したり、あるいは情報発信を習慣化、仕事化したりすることで継続できたりできなかったりするのですが、それも万人ができるというわけではありません。

特に、技術情報の発信ということであれば、事前の経験や開発、あるいは調査が必要で、加えて、それに対する裏どりも必要となりえます。そのため、この観点では、通常の情報発信よりも、技術情報の発信は、一定のハードルがあるということができます。バズやPV獲得を考えるならば、さらにハードルは高くなるでしょう。

個人での技術情報発信ですら難しいのに、組織が主語となる技術情報の発信となると、ハードルはさらにあがります。決裁を通し、稼働時間を確保し、内容の第三者レビューを経る必要がでてきます。組織主体のアウトプットにはどうしても組織名が出るため、迂闊な投稿をした日には、SNS上で炎上し、組織のブランドを毀損する結果となるリスクがあります。個人の情報発信とは異なり、一定の責任と成果が求められることが多く、その投稿のハードルは、非常に高くなります。

弊社は、メンバーの尽力により、どうにか今回は25記事をあげることはできましたが、「Qiita Advent Calendar 2023」においても、枠が埋まりきっていないアドベントカレンダーは多分に散見され、情報発信を継続していくことの難しさが如実に表れています。

組織運営において、ネームバリューやブランド力の向上は不可欠

これについても、本稿でとやかくいうまでもなく、確固たる事実でしかないのですが、組織のネームバリューやブランド力を向上させていくことは、組織を運営し、その組織が社会に価値を提供することと同様に、組織自身にとって、非常に重要なミッションとなります。これを疎かにすると、仮にどんなに良い価値を社会に提供したところで、それらが他人様の目に届くことはなく、有象無象の情報の中に埋もれてしまいます。あるいは、他人様の目に届いたとしても、正当な評価を得ることができないこともあるでしょう。

これは、企業であれば、プロダクトやサービスの利用者数や売上に直結することはもちろん、営業や採用にも通じる話です。どんなに素晴らしいソフトウェアを作ろうが、ネームバリューやブランド力で負けていれば、競合他社にユーザーをとられることがありますし、どんなにホワイトな条件を提示しても、ネームバリューが強い他社に優秀な人材が流れてしまうなんてことも、往々にしてある話です。

一方で、ネームバリューやブランド力が高ければ、上記とは逆のことを起こすことができます。自社のプロダクトやブランドは、人々にリーチしやすく、そのユーザーや売上の獲得においても、ネームバリューやブランド力が皆無な状態と比べて、相当なアドバンテージがあります。また、高額な求人サービスを使わずとも、優秀な人材を獲得することだってできるでしょう。さらには、ネームバリューやブランドは、ステークホルダーに対する発信力や求心力となり、さらならネームバリューやブランド力の向上にもつながります。ネームバリューやブランド力の向上は、組織運営を継続していくためには、非常に重要な取組なのです。

しかしながら、ネームバリューやブランド力は、一朝一夕に向上するものではありません。真摯に向かい合い続け、施策をうち続ける必要があります。ブランディングが専業として成り立つ程に、ネームバリューやブランド力を向上させることは、高度に専門的で、修羅の道なのです。一方で、それらは専業の専門家たちの手のみでは成しえず、多くの関係者による、多角的なアプローチが必要になります。

弊社においても、ネームバリューやブランド力の話は、日々議論されています。この話は開発者にとっても無縁なものではありません。「自社や自社プロダクト・サービスのネームバリューやブランド力の向上について、自分たちは何ができるのか」という話は、開発者からも頻繁に意見などがあがる話です。組織としてもそういった動きは大きく歓迎しており、全社が一丸となって、自社プロダクトや自社サービス提供のみならず、そういったプロダクトやサービス、さらに、自社そのもののネームバリューやブランド力の向上にも努めています。そして、広義のソフトウェア開発という観点からの、具体的なネームバリューやブランド力向上の取組の一つとして、本稿で紹介する技術ブログ、そしてアドベントカレンダーが運営されています。

ゆるく始める。ゆるく続ける。

組織主体の情報発信は難しいと承知している一方で、ソフトウェア開発という観点でも、ネームバリューやブランド力向上は組織的に求められている。だから私は、そこそこの中間管理職として、執筆者各位の貴重な稼働時間を頂戴してまで、今回はアドベントカレンダーを推進しました。

と上申すれば、一般的なIT企業であれば、アドカレを運用・推進した建前となるだろうし、「なんでアドカレを推進したのか」という想定問答にも答えられそうなものですが、これは正しい動機ではなく、したがって、ここまでの長文は完全に後付けでしかありません。実際に稼働を割かれた各位には、上述の動機で納得いただきたいところですが…

** 「他の企業がやってるのを見ていて、面白そうだったから。以前からやってみたいと思っていたから」 **

のような、ゆるい動機で、ふわっとはじめてしまったのが正直なところです。ここに懺悔します。

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とはいえ、こんなふわっとしたメッセージにも3名ほどがリアクションをくれたため、そのメンバー各位と他に興味のありそうなメンバーや各開発チームのリーダーを巻き込み、企画が徐々に具体化していきました。

Qiitaを使うかAdventarを使うかの技術選定で、意見の不一致があった際には、PV数や今後の活用の幅の広さを根拠にQiitaにしたり、

Qiitaに選定したものの、Orgアカウントすらないから情シスにお願いし、Qiitaのサポートにも「アドカレに間に合うようにOrg承認してください!」と問い合わせをしたり…

あとは、当番表を作ってスケジュールを調整したり、投稿ルールやレビューフローも定義しました。

ただし、先述の通り、情報発信というのはものすごく難しいです。そのため、少しでもそのハードルを下げられるよう「ゆるく続ける」「ハードルを下げる」ことに注力しました。例えば…

投稿ルールとして、「Qiitaのアカウント作成は任意とする」ようにしました。Qiitaのアカウントがない人、あるいは作りたくない人も忌憚なくアドベントカレンダーに参加できるよう、「Qiitaアカウントがない人は、インターネット上の好きなところに記事を書いて、URLと記事タイトルを提出すること。書く場所がない人は、弊社の技術ブログを使用すること」を求めるようにしました。実際、私含め10人程度は、Qiita上に記事を書かず、Zennや個人ブログなど、任意の場所に記事を書きました。

また、レビューフローも通常の技術ブログ投稿のフローよりシンプルにし、自上長と私にだけOKをもらえればヨシとしました。また、投稿日についても、「担当日までに書いてくれれば嬉しいな。別に間に合わなくても大丈夫」とし、通常業務と並列してアドベントカレンダーを執筆いただくメンバーの負荷を極力下げるアプローチをとりました。

2023年アドカレ、完走の感想

実際、テキストにしてみると、私自身が推進役としてやったのは、微々たる内容であって、アドカレを完走できたのはひとえにメンバーに恵まれたからというだけなのがよく分かりますね。

実際、弊社のアドベントカレンダーは、本当にいろいろな内容の記事が書かれており…

記念すべき初日はチームビルディングの話。

2日目は私のNuxt3記事ですね。内容が無いようなので、他メンバーにとってのハードルを下げるのに貢献できている良記事!ちなみにこの日は「バーチャルマーケット 2023 Winter」の開催初日でした。]

その後については、3日目はCloudFlare R2、4日目はCerebrium、その後は、技術書典に本を出したメンバーの話、Go、弊社謹製のVket Cloud、Webアプリにおけるシークレット管理、FBX、WebGPU、オブジェクト指向、VContainer、Webアニメーション、Rails、PWA/Nuxt3、C#、Meta Quest、クリーンアーキテクチャ、Pizza、Vket Cloudのワールド制作、Vket Cloudのマニュアル執筆、JIRA、謎解きイベントの裏話、数学、MR…

と、25日まで、どんなロールの方でもご満足いただけるような、多種多様なバリエーションの記事が公開されていますね。ぜひ、本稿を読んでいる各位にも一読いただければと思います。

末筆ながら、2024年も、ますますの開発とアウトプットをしていきたい所存でございます。読者各位含む、皆様におかれましては、本年も何卒よろしくお願いいたします。

以上。VR法人HIKKYの開発・Web関連技術部門統括、 R.D.Sakamoto でした。

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