はじめに
UdonTech Advent Calendar 2021 の8日目です。
先日36歳になりました。エンジニアの世界には「35歳定年説」という言葉がありますので、もはや老後なのかもしれません。せっかくなのでこの言葉について少し考えを巡らせてみます。
エンジニア35歳定年説とは
定年ということですから、その後はもう働かなくても生活に困らないということなのでしょうか。
一部の外資系金融マンの間では、若いときからとんでもない年俸を稼ぎ、40歳前後で莫大な資産を蓄えて早期リタイアする人達がいるという話を聞いたことがあります。また最近は、1億円前後を貯めて慎ましく余生を過ごすFIREなる草食系の早期リタイア思想が流行っているとかいないとか。
エンジニアが35歳でこのような早期リタイアをするのは少し難しそうですね。
ならば、スタートアップに参画し、一発エグジットの恩恵を夢見る・・・
いやいや、まてまて。
エンジニア35歳定年説には、「35歳限界説」という別名もありますので、きっとこんな夢のある話ではないのでしょう。
エンジニア35歳定年説とは その2
気を取り直して。
本来のエンジニア35歳定年説とは「そろそろ現場で活躍するのが難しくなるよ」という意味だそうです。
それには
・学習能力や意欲が低下し、新しい技術を学びにくくなる
・体力が低下し、長時間労働がしにくくなる
・年功序列的な賃金相場では、単価と能力が見合わなくなる
・扱いづらくなる
などの理由が挙げられます。
確かに長く同じ業界にいると好奇心も枯れてきますし、締め切り前のひと踏ん張りする気力や体力も衰えてきますし、20代のマネージャーとかだと4,50代のエンジニアに指示しにくいかもしれませんね。
一般的な対抗策
この定年説に対する一般的な対抗策には次のようなものがあります。
(1) 技術職を離れ、マネジメント職に移る
(2) 受託開発会社を作って独立する
(3) 現場に残ってできる範囲の仕事を続ける
(1) に関しては、好奇心が枯れてしまった人と相性が良さそうですね。
(2) に関しては、マネジメントもできますし、自分でコードを書くこともできますし、モダンな技術を使おうと思えばそれもお客様への提案次第ですし、自由にポジションが取れますね。
(3) は対抗策ではなく成り行きなのですが、それはそれで悪くない選択肢ですね。業務系だとこのタイプの方もかなりたくさんいらっしゃいますね。Web系だとまだ業界の歴史そのものが20年くらいしかないので、まだ少ないですが、今後業界の歴史が長くなるとともに、このタイプの方も増えていくことでしょう。
35歳定年説のその先へ
以上のようにいろいろとネガティブなことが囁かれるようですが、実際に自分の周りを見渡してみると、40代以上でご活躍されているエンジニアの方がたくさんいらっしゃいます。きっと35歳定年説という言葉ができた頃とは随分時代も変わってきたことでしょう。
昔はエンジニアやプログラマというと「IT土方」「3K」などの言葉が連想されましたが、今は労働環境も良くなり、そんな言葉はあまり聞かなくなりました。
技術の進歩は加速し、次から次へと新しい技術が生まれ、好奇心を刺激し続けてくれます。
逆に考えてみると若い頃は、技術職以外の選択肢は取りにくいですし、大きな意思決定もしにくいですし、むしろ自由がないように感じてしまいますね。
選択肢が増えて、やりたいことがやりやすい。
エンジニア35歳っていうのは、定年じゃなくてむしろ旬なんじゃないかと感じる2021年の師走でした。