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RailsアプリをEC2からECS/Fargate構成に移行してホストする【ECRへイメージ登録編】

Last updated at Posted at 2021-12-12

はじめに

インフラ構成をEC2からECS/Fargateに移行した作業をまとめています。

アプリケーションのコードはRailsで記述しています。
(Nginxはまだ実装できていません…Vue実装時に考える予定です。)

RDSにはMySQLを使っていて、Railsがアクセスできる仕様です。

個人的にECS/Fargate構成で迷走してましたので、
自分が整理できるように記事を書きました。

同じように悩んでいる初学者の方の参考になれば幸いです。

使用技術

  • ECS/Fargate(blue/greenデプロイメント)
  • Rails6(Ruby2.7)
  • MySQL8

インフラ構成図 (EC2 → ECS/Fargate)

■移行前のインフラ構成
スクリーンショット 2021-12-12 6.15.16.png

■移行後のインフラ構成
スクリーンショット 2021-12-13 7.28.38.png

【移行前】EC2インフラの構成について

**CicleCIを除く、**移行前のインフラ構築は
下記に参照している@take18k_tech(やんばるエキスパート)さんのQiita記事を参考にさせて頂きました。

初学者にも分かりやすくまとめられているので、EC2インフラの振り返りにも使用しています。

※当記事のRDS、EC2も@take18k_tech(やんばるエキスパート)さんの記事をベースに作成しています。

記事: 4部構成

作業内容が多いので、以下の4つに記事を分けました。

  1. ECRへイメージ登録編
  2. ECS起動編
  3. HTTPS/固定ドメイン編
  4. CircleCI連携編(自動デプロイ)

作業内容

今回はECRへイメージ登録編で、作業内容は以下の通りです。

■第一部(ECRへイメージ登録編)
1. ネットワーク構築
2. RDSの作成
3. 管理用EC2の作成
4. ECR構築とイメージ保存

■第二部(ECS起動編)

■第三部(HTTPS/固定ドメイン編)

■第四部(CircleCI連携編)

※ エラー時のデバッグ

1. ネットワーク構築

まず、ネットワークのリソースをそれぞれCIDRブロックで構想します。

VPC:ネットワーク全体

VPC名称 CIDR アドレス範囲
app-production-vpc 10.0.0.0/16 10.0.0.0 - 10.0.255.255

サブネット:リソースごとの領域

サブネット名称 CIDR アドレス範囲 region 用途 ルートテーブル
app-production-ecs-1a-subnet 10.0.1.0/24 10.0.1.0 - 10.0.1.255 ap-northeast-1a ECS(ALB/fargate) Public
app-production-ecs-1c-subnet 10.0.2.0/24 10.0.2.0 - 10.0.2.255 ap-northeast-1c ECS(ALB/fargate) Public
app-production-db-1a-subnet 10.0.11.0/24 10.0.11.0 - 10.0.11.255 ap-northeast-1a DB Private
app-production-db-1c-subnet 10.0.12.0/24 10.0.12.0 - 10.0.12.255 ap-northeast-1c DB Private
app-production-management-1a-subnet 10.0.21.0/24 10.0.21.0 - 10.0.21.255 ap-northeast-1a 管理用EC2 Public
app-production-management-1c-subnet 10.0.22.0/24 10.0.22.0 - 10.0.22.255 ap-northeast-1c 管理用EC2 Public

インターネットゲートウェイ:インターネットに繋がる唯一の出入り口

インターネットゲートウェイ名称
app-production-gw

ルートテーブル:サブネットの通信経路を決める

ルートテーブル名称 送信先 ターゲット
Public 10.0.0.0/24, 0.0.0.0/0 local, app-production-gw
Private 10.0.0.0/24 local

サブネットグループ:サブネットをまとめた集合(RDSで必要)

サブネットグループ名称 グループ
app_rds_subnet_group 10.0.11.0/24, 10.0.12.0/24

セキュリティグループ:リソース同士の接続を制限するルール

セキュリティグループ名称 タイプ ソース 用途
app-ecs-sg HTTP, HTTP, HTTPS, HTTPS, カスタムTCP 0.0.0.0, 0::, 0.0.0.0, 0::, app-management-sg ALB/fargate
app-db-sg MySQL app-ecs-sg DB
app-management-sg SSH マイIP 管理用EC2

■セキュリティグループ補足:
 ・app-ecs-sgのみ、5つインバウンドルールを設定しています。
 ・アウトバウンドルールは全てのトラフィックとしています。

構想ができたら、AWSのマネジメントコンソール上のVPC画面で
ポチポチとネットワークを構築していきます。
(コンソールのGUIで構築していく手順は省略します。お許しください。)

2. RDSの作成

続いて、RDSを作成していきます。

構築手順は、@take18k_tech(やんばるエキスパート)さんの下記Qiita記事をベースに作成します。
(ここでもコンソール画面での手順は省略します…すいません。)

前工程のネットワーク構築で作成したVPC/サブネット(DB用)/セキュリティグループ(DB用)を
RDSに紐付けて作成を完了してください。

なお、AWS無料枠の対象となるMySQLを選択しています。

3. 管理用EC2の作成

次はEC2の作成です。

この作業は必須ではないはずですが

EC2がAWS無料枠で作成できる かつ blue/greenデプロイメントのテストリスナーを置きたい

といった観点から作成しています。

ここも@take18k_tech(やんばるエキスパート)さんの下記Qiita記事をベースに作成します。
(コンソール画面での手順は省略…ご了承を…)

前工程のネットワーク構築で作成したVPC/サブネット(管理用EC2)/セキュリティグループ(管理用EC2)を
EC2に紐付けて作成を完了してください。

構築後はローカルからEC2にSSH接続できるかを検証してみましょう。

ターミナル

# SSH接続に必要な情報(Host, Hostname, User, IdentityFile)が設定されているか確認
% vi ~/.ssh/config

# ManagementEC2
Host 任意のホスト名
  Hostname EC2に紐付けたElasticIPアドレス
  User ec2-user(EC2デフォルトのユーザー名)
  IdentityFile ~/.ssh/〇〇.pem(EC2作成に生成したkey)

# 確認後.ssh/configファイルをもとにSSH接続する
% ssh ホスト名

# 質問に回答する
Are you sure you want to continue connecting (yes/no/[fingerprint])? yes

### ログイン成功!
       __|  __|_  )
       _|  (     /   Amazon Linux 2 AMI
      ___|\___|___|

4. ECR構築とイメージ保存

ここでは、ECR作成してリポジトリにイメージを保管します。

ECR: AWS版のレジストリサービス

DockerHubのようにDockerイメージを保管したり、取得したりできる場所です。

では、マネジメントコンソールを参照しながら説明します。

まず、AWSサービス一覧からECRを選択します。
スクリーンショット 2021-12-12 9.41.41.png

続いて、ECR画面からリポジトリを作成をクリックします。
スクリーンショット 2021-12-12 9.42.42.png

各種リポジトリの設定を行なって、リポジトリを作成を押します。
スクリーンショット 2021-12-12 9.46.32.png

自動的にページ遷移し、リポジトリ一覧が表示されます。
ここで、作成したリポジトリをチェックしてから プッシュコマンドの表示を押します。
スクリーンショット 2021-12-12 11.19.41.png

すると、DockerイメージをECRに保存するまでに必要なコマンドが
4つ自動表示されます。

スクリーンショット 2021-12-12 11.24.16.png

それぞれ簡単に説明すると以下の通りです。
一部編集するため、コマンド実行はまだしないでください。

ターミナル

# 1.Dockerコマンドが使用できるようにAWSに認証させる
% aws ecr get-login-password --region ap-northeast-1 | docker login --username AWS --password-stdin AWSアカウントID.dkr.ecr.ap-northeast-1.amazonaws.com

# 2.Dockerfileをもとにイメージを生成する
% docker build -t app-backend .

# 3.ECRに保存するためにAWS指定のタグ付けを行う
% docker tag app-backend:latest AWSアカウントID.dkr.ecr.ap-northeast-1.amazonaws.com/app-backend:latest

# 4.指定タグをつけたイメージをECRに保存する
% docker push AWSアカウントID.dkr.ecr.ap-northeast-1.amazonaws.com/app-backend:latest

上記コマンドを実行する前に、2つのファイルを準備します。

1.本番用Dockerfile: Dockerfile.production

Dockerイメージの生成に必要なファイルです。

ここでは、開発用Dockerfileと本番用Dockerfileを区別して
ファイルをDockerfile.productionとしています。

Dockerfileのコードは、下記Qiita記事やUdemy動画をベースに
Try&Errorで作り直して現時点で私のRailsアプリが動作できているものですので
ご自身のアプリに合わせて作成してください。

Dockerfile.production
# ベースイメージは軽量なalpineを採用する(ローカルのrubyバージョンに合わせる)
FROM ruby:2.7.3-alpine

# Dockerfile内で使う変数としてRUNTIME_PACKAGESとDEV_PACKAGESの2つを定義する
ARG RUNTIME_PACKAGES="bash imagemagick nodejs yarn tzdata mysql-dev mysql-client git"
ARG DEV_PACKAGES="build-base curl-dev"

# コンテナの作業用ディレクトリを設定する
WORKDIR /app

# Railsの実行環境に関わる環境変数をproductionに変更する(コンテナに渡すのでENVとする)
ENV RAILS_ENV="production"

# ローカルにあるGemfileとGemfile.lockをコンテナに複製する
COPY Gemfile Gemfile.lock /app/

# alpine特有のapkコマンドを使って、パッケージのインストールと削除
RUN apk update && \
    apk upgrade && \
    apk add --no-cache ${RUNTIME_PACKAGES} && \
    apk add --virtual build-dependencies --no-cache ${DEV_PACKAGES} && \
    bundle install -j4 && \
    apk del build-dependencies

# ローカルのアプリコード一式をコンテナのappディレクトリに複製する
COPY . /app

# アセットのプリコンパイルを実行する
RUN SECRET_KEY_BASE=placeholder bundle exec rails assets:precompile \
    && yarn cache clean \
    && rm -rf node_modules tmp/cache

# 静的アセットの配信を行う設定
ENV RAILS_SERVE_STATIC_FILES="true"

# entrypoint.production.shを複製してシェルスクリプトを実行する
COPY entrypoint.production.sh /usr/bin/
RUN chmod +x /usr/bin/entrypoint.production.sh
ENTRYPOINT ["entrypoint.production.sh"]

# コンテナはポート番号を80で開放する
EXPOSE 80

# Railsサーバーが本番環境で起動する(上記ENVで"production"としている)
CMD ["bundle", "exec", "rails", "server", "-b", "0.0.0.0", "-p", "80"]

2.シェルスクリプト: entrypoint.production.sh

Dockerfile.production側のコードから一時的に処理が渡されるファイルです。
こちらでRailsのマイグレーションを実行しておきます。

それ以外はDockerの公式ドキュメントに載っている
Rails用の設定コードから変更はありません。

entrypoint.production.sh
#!/bin/bash
set -e

# Remove a potentially pre-existing server.pid for Rails.
rm -f /app/tmp/pids/server.pid

# AWSコンソール画面で作成したRDSに対して、マイグレーションを実行する
# (データベース自体は作成されているので、マイグレーションファイルでテーブルを作成する)
rails db:migrate RAILS_ENV=production

# Then exec the container's main process (what's set as CMD in the Dockerfile).
exec "$@"

以上で2つのファイルが作成できたら、先ほどの4つのコマンドを順番に実行していきます。

2つ目のコマンドのみ、Dockerfile.productionを指定するように修正します。
-> デフォルトだとDockerfile(開発用)が読み取られてしまうので注意します。

ターミナル

# 1.Dockerコマンドが使用できるようにAWSに認証させる
% aws ecr get-login-password --region ap-northeast-1 | docker login --username AWS --password-stdin AWSアカウントID.dkr.ecr.ap-northeast-1.amazonaws.com

###(ここだけ修正する)###
# 2.本番用のDockerfile.productionをもとにイメージを生成する
% docker build -f Dockerfile.production -t app-backend .

# 3.ECRに保存するためにAWS指定のタグ付けを行う
% docker tag app-backend:latest AWSアカウントID.dkr.ecr.ap-northeast-1.amazonaws.com/app-backend:latest

# 4.指定タグをつけたイメージをECRに保存する
% docker push AWSアカウントID.dkr.ecr.ap-northeast-1.amazonaws.com/app-backend:latest

最後にイメージがECRに保存できているか確認します。

ECR画面から対象リポジトリを選択します。
スクリーンショット 2021-12-12 12.38.31.png

最新のlatestタグがついたイメージが存在していることを確認します。
スクリーンショット 2021-12-12 12.39.55.png

以上で、第一部のECRへイメージ登録編が終了です。

続編

参考書籍

・AWSコンテナ設計・構築[本格]入門

参考記事

終わりに

ECS/Fargateは学習コストが低いとされているけど、コンテナを本番環境にホストが
初経験の自分では非常に難しかった…

これより更にムズイKubernetesは震えが止まりませんね。

無理はせずに、先にterraformを学習しようと思います!

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