初めに
情報処理分野に携わって長い時間が経過しており、何度も転職し、使う言語、業界も都度変わっています。
そんななかでも確実に血肉となって自分を形作っていると感じる書籍を3つ紹介します。
どれも新しい書籍ではないけれど、IT業界を生きる上でとても基本的なことを教えてくれる名著だと思っています。
コンピュータの構成と設計 上・下
言わずと知れた古典的名著。
初めて読んだのは2版だったか、4版も読み返しました。現在6版が出版されており、クラウドなどについても言及があるようです。
それまでも漠然とプログラミングを学んでいたのですが、コンピュータの基本を丁寧に解説していてとても感銘を受けた記憶があります。
プログラミングの上でだけではなく、自作PCを作るうえでの定石等、なんとなく知っていた薄い知識を補強する基盤となってくれました。
ある程度ITやハードウェアを知っている人にとっては知識と知識をつなげてくれる書籍であり、初心者にとっては盤石な知識の基盤となってくれるだろうと思います。
マスタリングTCP/IP―入門編―
これも言わずと知れた名著。今は6版が最新。
先ほどの「コンピュータの構成と設計」が「どうやってPCは動いているのか?」であるなら、こちらの書籍は「どうやってインターネットは動いているのか?」を教えてくれる書籍です。
初めて読んだ時には「ふーん、こんなものか」という感想を抱いたのを覚えています。
実際にネットワークの設計をしたり、ネットワークのトラブルシューティングをしたり、ふとした拍子に基本的な知識として役に立っていることを実感するようなそんな書籍です。
初版の発売から長い時間がたっていますが、章立ても大幅な変更がなく、基本的なインターネットの仕組みは今もほぼ変わっていないということがよくわかります。これからITにかかわる人が読んでも、基本を支えてくれることは間違ないと思います。オススメ
リーン・スタートアップ
今や時代遅れといわれているかもしれないリーン・スタートアップです。
ウォーターフォールによる開発、システム導入、バージョンアップは年度単位で顧客予算に合わせてスコープを決定する。SIerとしてそんなシステムの提供の仕方しか知らなかった自分には十分衝撃的なものでした。ベンチャーに転身する際、必要に駆られて読んだ本ですが、全く違う世界を自分に開いてくれました。
不確実なものから価値を生み出すという点においては、今主流のアジャイル開発と共通点があると思っています。今となっては、積極的にお勧めできる書籍ではありません。しかし、ウォーターフォール・リーン・アジャイルとそれぞれいいところがあり、プロダクトやプロジェクトによって柔軟に使い分けることができれば、一つの強みになると気づけたのはとても価値があると思っています。
最後に
何か基礎的なことを学びたいなと漠然と思っているIT従事者にとって、「コンピュータの構成と設計」「マスタリングTCP/IP―入門編―」の2冊は間違いなくお勧めできる書籍だと思っています。(もう耳にタコができるほどお勧めされている書籍だとは思いますが。)
技術書だけでなく、ビジネス書、小説、育児書どんなものであっても自分の世界が広がる書籍に出会えることは幸せなことだと思います。実際に経験しようと思ったらとてつもない時間とお金がかかるところを、書籍はそれを手短に教えてくれます。
あなたを形作っている書籍はありますか?