先日、Tech Bowl主催ハッカソンイベントHack Bowlに出場しました。
久しぶりに出たハッカソンがとにかく良くて、2019年で一番最高と言っても過言ではないくらい最高の体験だったので、「そこのあなた、ハッカソンが最高だよ!」という内容の記事を書くことにしました。
この記事を読んで欲しい人
- 「ハッカソン」に抵抗を感じている人
- 自分で「サービス」を作っている人、作るのが好きな人
なぜ参加したか
僕の中での「ハッカソン」のイメージ
まず、前提として僕は毎週末右手にMac、左手にエナジードリンクを持ってハッカソンに参加するような"ハッカソン好き"ではなく、むしろ「ハッカソン」があまり好きではありません。
それは、過去に何度か出場したハッカソンの経験が、僕自身の凝り性で飽き性な性格やスキルの低さが影響して
- 徹夜とエナジードリンクで体が疲れる
- 頑張っても勝てずに悔しい思いをする
- ハッカソンの結果発表の日以降開発が続かない
といったネガティブな印象のものが多かったためです。
以前はスキルアップのためと無理して出場していたのですが、最近は「お題をもらって短期間で開発物を作る」のは向いていかもしれないなとハッカソンから遠ざかっていました。
HackBowlとの出会い
今回出場したハッカソン「Hack Bowl」を知ったのは、東京で参加したTechBowl主催の勉強会でした。
初めは「ハッカソンか...」と全く興味が湧かなかったのですが、「2021年、エンジニアが増えた時当たり前に当たり前に使われるサービスを創造せよ」というHackBowlのテーマが発表された時、「絶対に出たい!」と思い、出場を決めました。
(Hackbowl HP より転載)
なぜ「絶対に出たい!」と思ったのか
僕はハッカソンは苦手ですが、「サービス作り」は大好きです。身近な友人や家族のことを考えてユーザーを設定して、その人がどんなことに困っているのか、どんな体験をしたら幸せなのかを考え抜いてストーリーを作る時間は、本当に楽しくて、疲れも感じないくらい好きです。
HackBowlの存在を知った勉強会に出たのも、その時たまたま友人とやっている「Code for Youth」というチームで開発しようと考えていたサービス作りに使う予定のWebフロントエンドの技術を習得したいという想いからでした。
(Code for Youth HPより転載)
夢想していたサービス「CACTUS」
その時友人と考えていたのは「CACTUS」(「サボテン」という意味の英語)というサービスでした。
CACTUSはプログラミング学習をしている学生に、教材として「地域課題解決を目的として作られたオープンソースプロジェクト」を提供するサービスです。
ちなみに、 サボテンの花言葉は「燃える心」「枯れない愛」 です。僕自身、大学院卒業までずっと地方で育ったことから、都心部と比べて地方はITコミュニティやインターンの機会が少ないため、エンジニアリングを学ぶモチベーションを保つことが難しいということに問題意識を感じていたため、CACTUSを「サボテンのように好奇心に燃える学生の気持ちを枯らさせず、花開かせるようなサービスにしたい」と考えていました。
想いが「思い出」になってしまう怖さ
ただ、日々の仕事に追われる中CACTUSの構想に割ける時間はとても少なく、着想時にあった想いが自分の中でどんどん薄くなっていくことに怖さを覚えていました。上述の勉強会に出たのは、そんな想いを奮い立たせる狙いもありました。
そこで、「エンジニア学生に学びの機会を提供する」というCACTUSの狙いとHackBowlの「エンジニアが当たり前に使うサービス」という部分が結びつき、 「ここでCACTUSへの想いを再び高めたい!」「想いをサービスに込めたい!」 と思い、その日のうちにCACTUS開発グループに提案して、乗ってくれた友人2人とともにHack Bowlへの出場を決めました。
何をしたか
本番まで
ハッカソン本番までは、大枠の開発は開発が一番得意なメンバーに任せて、僕はフロントエンド部分でサポートできるように技術のキャッチアップと、ミーティングを組んだり資料を作ったりというプロジェクトマネジメント(あまりうまくできずメンバーにめっちゃ助けられましたが笑)や、サービスの活用ストーリーを考えることに取り組みました。
プロジェクトはGithubで管理し、基本的にIssueでタスク管理をしていました。
また、Hack Bowlでは開発期間中に、プロのエンジニアやPMなどの方々からオンラインメンタリングを受けることができるサービスであるTech Train HPのメンターの方々に質問し放題という贅沢な特典がありました。
([Tech Train HP](https://techbowl.co.jp/techtrain/)から転載)僕は、プロジェクトマネジメントについてPMとして働いておられる方に質問をして、チームビルディングに生かしていきました。
メンタリングの中で最も印象的だった言葉は
「自分の理想を押し通すのではなく、メンバーが目指すものを聞き、その実現に向けて努力する」
という言葉でした。メンタリング後には実際にメンバーに「今回のハッカソンで何を目指すのか」について聞き、
- ハッカソンに優勝する
- ハッカソンでのフィードバックを元に、年内にサービスをリリースできるところまで持っていく
というゴールを明確にしました。
本番
ハッカソン本番では、"エンジニアリーダー以外全員遅刻"という大失態から始まるという波乱万丈の幕開けでした(本当にごめんなさい)が、メンターの方々からフィードバックを貰いながら、夜遅くまで集中して開発することができました。
(HackBowlよかったポイント1) 有益なフィードバック
Hack Bowlはエンジニアを本気で目指す方々が参加しているということもあり、これまで参加したハッカソンイベントの中でも群を抜いてメンターの方々方のフィードバックが熱く厳しいものだったように感じました。
その中でも、響いたフィードバックのいくつかを紹介させていただきます。
設定している年齢層にはそのサービスは響かない
当初、僕たちのチームではサービスのユーザーを「プログラミング教育が必修化された後の小・中学生」に設定していました。しかし、学習教材として提供するのが「地域・社会の課題解決プロジェクト」であることや、サービスを使うためにGithub連携が必要になることなどから、中学生などよりも高校生や大学生を対象としたほうがいいのではないかという指摘を受け、対象ユーザーの見直しにつながりました。
サービスの内容と目的がずれている
僕たちは当初、サービスの世界観を「プログラミング学習へのモチベーションの向上」としていましたが、メンターの方から「モチベーションが無い状態から有る状態に持っていくには、メンタリングなどが必要なのでは無いか」という指摘を受け、サービスの目的をモチベーションの向上から「モチベーションがある人への場の提供」へと変更しました。
サービスをリリースした経験が無い僕たちは、メンターの方々からの多角的なフィードバックを通じて「サービス届けるユーザー」の解像度を高める必要性を再認識することができました。HackBowlに出ていなかったら得られない視点を得ることができたことは、CACTUSを作る上でとても大きな財産になりました。
(HackBowlよかったポイント2) 合宿感のある開発
HackBowlは土日の開催だったため、土曜日の夜は別の2チームと一緒に都内のAirbに宿泊しました。泊まりがけでの開発は久しぶりだったので少し緊張したのですが、メンバーと銭湯に行ったり別のチームで発生したエラーの解決方法を一緒に考えたりと、とても楽しく世を明かすことができました。メンバーと開発に関する深い話もできて、とてもいい時間になりました。
結果とその後
そして、メンバーの想いが乗った「CACTUS」は、当初目標としていた「優勝」を達成することができました!!
特別にお寿司を作ってもらいました。めちゃめちゃ美味かったです...
現在は、次の目標である「年内のリリース」に向けて開発に取り組んでいます。
イベント終了後にハッカソンに参加できなかったメンバーも交えてミーティングを行いました。
Code for Youthにはグラレコできるメンバーもいるんですよ😆
12月21日(土)にもう一度開発メンバーで集まってSocial Hack Day という社会や地域の課題解決や継続的開発をテーマにしたハッカソンに出場し、データの収集やUIの修正などに取り組みました。
ハッカソンでの発表の様子
なんとかデータも集まり、CACTUSが年内にはリリース予定です!ぜひ、リリースしたら拡散などにご協力をお願いいたします🙇♂️
まとめ
今回のHackBowlへの参加を通じて、「ハッカソン」は、
- 作りたいものがある
- 作りたいものとハッカソンのお題との相性がいい
という条件が揃った状態で参加することでチームに 「目標」 や 「充実した開発の場」 を提供する大きな武器となり、サービス作りを大きく進めることができるということを知ることができました。
また、ハッカソンで「モック」ができることは
- メンバーのモチベーションが向上する
- 外向けのアピール材料になる
ということで、本当にたくさんのメリットがあるなと気づきました。
今何か作っているものがある人や、作りたいものがある人は、ぜひその想いが「思い出」になる前に、ハッカソンでモックまで形にしてみてください!
そして、豪華メンター陣からの本気のフィードバックや美味しいご飯が食べられるHackBowlは本当にオススメです🙌
HackBowl参加者全員で記念写真。同じ宿に泊まったりお互いにフィードバックしたりと、普通のハッカソンよりずっと参加者同士で仲良くなることができました。