2022年1月30日にAWS認定ソリューションアーキテクトアソシエイトに合格したので、学習内容の記憶が薄れないうちに体験記を書きます。
はじめに
システムエンジニア2年目でAWS経験は約1年半です。
AWSは業務で使ったり、個人開発や会社の社内学習でも経験があります。
ソリューションアーキテクトアソシエイトの資格を取得した目的は2つあります。
1つは、AWSについての自分の知識をより広く汎用的に身に付けたいと考えたからです。興味のある分野には詳しくなっていく一方、興味があまりない分野や経験したことのない分野は知識が浅いと感じていました。
もう1つは、今の自分の実力を客観的に測ってみたいと思ったからです。感覚としてはある程度AWSを使いこなせる力がついたかなと感じてはいましたが、実際にどれくらいのレベルまで到達したのかを確かめるには公式の資格取得が分かりやすいと考えました。
試験について
知ってるよって人も多いかもしれないですが、私の成績も含めて簡単に説明します。
アソシエイトレベルの試験概要は以下です。
概要 | 詳細 | |
---|---|---|
問題数 | 65問 | 傾斜配点1がある。試験問題開発のため、点数が付かない問題が含まれている場合がある2。 |
出題形式 | 選択式 | 4択または5択以上で指定された個数の正解を選択。 |
制限時間 | 130分 | 途中退出不可。試験会場によっては、別途前後5分にアンケートなどがある。 |
合格点 | 720/1000 | 100点は必ずもらえる。採点方法は非公開。 |
ちなみに点数は780/1000でした。100点はもともとあると考えると、680/900ということで、概算すると正答率は75~76%でしょうか。
ギリギリに感じますが、通知された試験結果レポートで問題の分野別に合格点に達していたかを確認すると、全て合格基準を超えていました。
コスパよく普通に合格したいなって方には参考になるかなと思います。
合格のためにしたこと
ソリューションアーキテクトに合格するためにやったことで、効果があったなと思ったことを挙げていきます。
1. オンライン学習サービスで類似問題を解く
無難ですが、やはり効果は大きいです。
問題の傾向をつかんだり、英語を少々堅苦しい日本語訳にした問題文に慣れることが重要です。
また、SAAは出題範囲が広いので、問題の答えを暗記しても本番の試験で正解することは難しいです。解説などを読んで、答えになる理由をしっかりと理解しなければいけないです。
主に使用した学習サービスは以下の3つです。
- UdemyのAWS 認定ソリューションアーキテクト アソシエイト模擬試験問題集 (有料 | 65問x6セット)
- CloudTechのAWS認定資格対策コース(SAA) (無料 | 200問, 有料 | 210問)
- AWS公式練習問題のAWS Certification Official Practice Question Sets (Japanese) (無料 | 20問)
個人的な意見ですが、質としてはAWS公式 > Udemyの模擬問題集 >= CloudtechのSAA対策コースです。
AWS公式は公式なだけあって本番同様の問題を解くことができます。しかし20問しかないので、その他の学習サービスと組み合わせて勉強するのがおすすめです。
Udemyの講座は有料なのに比べて、CloudTechは無料分のみしかやってないので、有料のほうはもっとクオリティが高いのかもしれません。
2. AWSの公式YouTubeを見て、サービスの概要を学ぶ
日本向けのAWS公式YouTubeはこちらです。
AWSの経験がある方は、知らないサービスが出てきた場合のみ、動画を探して勉強するのがいいと思います。
AWSをあまり使ったことがない方や未経験の方は、AWS Black Belt Online Seminarという再生リストから主要なサービスについて学ぶことをおすすめします。
いくつか私のおすすめ動画を紹介します。学びたいテーマに沿った動画の最初の概要だけ見るとかでもOKです。
※一部古い動画もありますので、詳細な最新情報は公式ドキュメントで確認してください。
仮想マシン(EC2)
[AWS Black Belt Online Seminar] Amazon EC2入門
ストレージ(S3, EBS, EFS)
【AWS Black Belt Online Seminar】Amazon S3/Glacier
【AWS Black Belt Online Seminar】Amazon EBS
【AWS Black Belt Online Seminar】Amazon Elastic File System (Amazon EFS)
データベース(RDS, Aurora, DynamoDB, RedShift)
【AWS Black Belt Online Seminar】Amazon Relational Database Service (Amazon RDS)
【AWS Black Belt Online Seminar】Amazon DynamoDB Advanced Design Pattern
Amazon DynamoDB Deep Dive | AWS Summit Tokyo 2019
【AWS Black Belt Online Seminar】Amazon Redshift
コンテナ(ECS, EKS)
【AWS Black Belt Online Seminar】Amazon Elastic Container Service (Amazon ECS)
【AWS Black Belt Online Seminar】CON120 AWSコンテナ全体概要
[AWS Black Belt Online Seminar] CON201 ECS入門
[AWS Black Belt Online Seminar] CON202 ECS Fargate入門
【AWS Black Belt Online Seminar】Amazon Elastic Container Service for Kubernetes (Amazon EKS)
[AWS Black Belt Online Seminar] CON221 Amazon Elastic Kubernetes Service (Amazon EKS) 入門
サーバレス(Lambda)
【AWS Black Belt Online Seminar】 AWS Lambda Part1
メッセージング(SNS, SES, MQ)
【AWS Black Belt Online Seminar】Amazon Simple Notification Service (SNS)
【AWS Black Belt Online Seminar】Amazon Simple Email Service (SES)
【AWS Black Belt Online Seminar】Amazon MQ
ネットワーク(VPC, ELB, Route53, API Gateway, CloudFront)
【AWS Black Belt Online Seminar】Amazon VPC
【AWS Black Belt Online Seminar】Elastic Load Balancing (ELB)
【AWS Black Belt Online Seminar】Amazon Route 53 Resolver
【AWS Black Belt Online Seminar】Amazon Route 53 Hosted Zone
【AWS Black Belt Online Seminar】Amazon API Gateway
[AWS Black Belt Online Seminar] Amazon CloudFrontの概要
【AWS Black Belt Online Seminar】Amazon CloudFront deep dive
3. 理解が難しいサービスを触ってみる
これは時間もかかるし、面倒なので最終手段です。
問題集を解いたり動画やネット検索で理解しようとしても、イメージできないサービスやアーキテクチャが出てくると思います。
その時は、その中から簡単に実践できそうなものを1つか2つ実際に使ってみると、一気に理解が深まります。
私は、VPC内のプライベートサブネットで起動しているEC2をセキュアに外部ネットワークにつなぐ方法として、NATゲートウェイの使用方法で毎回間違えていました。
正解は、同一VPC内のパブリックサブネットにNATゲートウェイを設置して、EC2→NATゲートウェイ→外部ネットワークのようにルーティングすることです。
上記をAWSで実際に構築してみたら、それまで間違えていたのが噓のように、NATゲートウェイに関連する問題はほぼすべて正解できるようになりました。
頻出のサービスで、どうしてもイメージがつかない & AWS触るのに抵抗がない場合はおすすめです。
試験を終えての感想
完璧に対策できたわけではありませんでしたが、前述した通りコスパよく合格出来たと感じています。もともとAWSの業務経験があったのも大きいです。
しかし、知識問題がほとんどでありながら難しさを感じる部分もありました。
ソリューションアーキテクト という名前からわかる通り、現在の私のような若手の開発者が普段意識しないインフラのアーキテクチャについて多く問われます。それも、クラウドサービスの強みともいえる大規模システムを意識した内容です。
つまりこの資格を取得するためには、大規模システムを全体的に理解できるような広い視野とバランスのとれた知識が求められます。それを身に付けるのが一番のポイントだと試験を終えてみて改めて感じました。
さいごに
私の個人的な経験をもとに合格体験記を書いてみました。
AWS 認定ソリューションアーキテクト – アソシエイト についてもっと詳しく知りたいという方は、出題分野とキーワードを解説する記事もありますので、参考にしていただけると嬉しいです。