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自律的な針路設定機構をBPで作る

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概要

自主制作プロジェクトにおいて某SF宇宙船用の移動処理をBPで実装。
エンジンバージョンは5.2~5.3

基本要件

要求される挙動は...

  • 進行方向へ移動する。
  • 目標座標を指定し、基本はその座標へ繰り返しアプローチする軌道を取る。
    (今回は中央に陣取る"ボーグキューブ"を目標とする)
  • 一定距離内に障害を検知した場合は旋回しそれを回避する。
  • 旋回が終わったら艦のロール軸回転を水平に戻す。

ノード構造

最終的にブループリントはこのスパゲッティのようになりました_(┐「ε:)_
イベントグラフ 2024_06_27 13_43_09.png

処理の構造としては以下の通り(折り畳み内に詳細を記載)
イベントグラフ-ナンバリング.jpg

①推力制御部分
  • 現在のTransformと速度(float変数)から次フレームの位置を算出して適用する。
    Section1グラフ.jpg
②センサー部分
  • Sphere line trace by channelを使用し、艦を中心に45°ずつ5本のトレーサーを広げる。イベントグラフ 2024_06_27 13_47_40.png
    扇形範囲内の障害物の有無を検知する。
    (長さが不均衡なトレーサーは自然な挙動になるように感知タイミングを調整したもの)
    StarTrekMini - Unreal Editor 2024_06_27 13_46_47.png
③制御中枢部分
  • センサー部分の情報と追跡対象との位置関係をもとに、大きく分けて4種類の行動に分岐する。
    1. 目標座標に向け旋回する
      自艦から見たターゲットの方向(ローカル座標系)によって旋回方法を判定
      イベントグラフ 2024_06_27 13_48_20.png

    2. ロール回転を水平に戻す
      仮想transformとアクターの相対ロール回転を計算し、それを徐々に0に近づけることで水平に戻す
      イベントグラフ 2024_06_27 13_47_56.png

仮想transform(仮称)
アクターの進行方向を示すベクトルを回転値に変換し、actor transformのrotatorと置き換えることでローカルのロール回転値を排除した仮想的なtransformを算出する
StarTrekMini - Unreal Editor 2024_06_27 17_51_22.png


3. 僚艦接近時の回避機動
接近を検知した場合、検知方向と反対側に転舵する
例) 右上方向に検知-->左下方向に転舵

イベントグラフ 2024_06_27 13_47_49.png

4. トレーサーがターゲットを検知した際の回避機動
左右45°のトレーサーが反応した場合は侵入角度が深すぎるということなので、フレームあたりの旋回角度をより大きくしている。
※ターゲットとの衝突(オーバーラップ)は絵面的に一番避けたいので、分岐の優先順位として最優先になるように配置している。
イベントグラフ 2024_06_27 13_47_40.png

回転値の算出

これらの分岐を経て実際のrotatorにする処理
アクターから見たアクターのローカル回転は常に0なので、現在値に変化量を与えてワールド回転に戻すというのが基本戦略。
(回転しすぎて裏返ると困るので、再び仮想transformを基準として最終的な回転に制限をかけている
回転算出.jpg

以上のロジックで実際に動かしてみるとこんな感じに
https://youtu.be/BJ1jdWjCp5c

終わりに

実装から半年以上経っての記事作成となったため、改めて見ると計算処理の煩雑さが目立つ他、おそらくTimerノードを用いて動作クロックを30fps程度に落としても問題ない(今ならそうする)。
...が、ロール軸回転の算出で使用した仮想的なtransformを置く手法は我ながら良い発明だったと思う。

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