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よめぴのために、クリスマスプレゼントを作った話

Last updated at Posted at 2024-12-24

はじめに

クリスマスの季節ですね。
よめぴからプレゼントを依頼されました。

『スマートフォンを 4台乗せられる頑丈なスタンドがほしい。』

うん。

うん? 4台? 連結台?

そんなものは売ってない。 ので、作りました。
image.png

材料代

スマホスタンドを作るとすると、材料代が気になります。
今回は、セリアで売っている MDF 板を利用します。
サイズ的に、1枚では入らなかったので、2枚利用しました。

そのため、材料費は 200円で作成しました。
1回、カットに失敗したので、最終的には 400円ですね。
image.png

コスト外では、木工用ボンドが必要ですが、どこの家にもあるので除外します。

工具

工具は、どこの家にもあるものです。

レーザーカッター

設計したものを MDF 板から切り出すために、レーザーカッターを利用します。

今回は、Atomstack の 20W レーザーを利用しました。
ちなみに、4mm MDF 板だと 3パスでカットできます。

image.png

ミニルーター

L3 じゃないです。
MDF 板の焦げを取るためのバフ用ミニルーターです。

パソコン

CAD/CAM るために、パソコンが必要となります。

作成

設計

まず、物を作るためには設計が必要です。

未だに 3D CAD の使い方が分からない初心者なので、2D CAD で頑張ります。
ちなみに、私の愛用は LibreCAD です。

CAD (Computer Aided Design) の使い方は、人によって違うと思いますが、私の使い方を説明します。

image.png

CAD ってなに

簡単にいうと、数値で書けるお絵かきツールです。

線と線の間隔を数値指定して線を引いたり、線の交点にスナップして線を引けます。
あと、CAD 上の単位は、mm とか inch とか、現実の単位が使われます。

私の場合は、mm と度数法で設計するのが好きなので、その単位系になっています。

補助線の作成

補助線は、設計だけに利用する仮の線です。
私の場合、最初にすべての部品の補助線を書き上げます。

例えば、線と並行線、線となす角など、この段階で大まかな外形を作成していきます。

私の場合、主たる補助線と、副の補助線を利用します。
主たる補助線は、部品の構造に関わるもの。 副たる補助線はごく細かい部分の補助などに利用しています。

ちなみに、設計時間の 9割は補助線を引く作業です。

image.png

外形線の作成

外形線は、実際のパーツの外形を表す線です。
最終的に Export して、レーザーカッターで切ることになります。

外形線を作る際は、補助線の交点を利用してスナップしていきます。

補助線がきれいにできていると、ぽちぽちってクリックするだけで外形線ができるので気持ちいい瞬間ですね!

外形線では、鋭角処理も行います。
90° 以上の鋭角は刺さったり切れたり危ないので、面取りを行っていきます。

これも 4mm とか数値指定できるので気持ちよくできます。

image.png

複製と移動

ここまでの工程で、必要なパーツはできているので、今度は実際にカットするための調整です。

設計上、パーツ数が多いと大変なので、大体の設計は同じパーツの使いまわしが多いです。
あと、レーザーカッターで切る際には無駄な部分を減らすために極限まで詰め込みます。

これらの作業を行う工程です。

鏡合わせのパーツは鏡面複製したり、必要になる個数分複製したり、移動したり。
そんな感じでいい感じに収まるように設定していきます。

きれいに収まると気持ちがいいので、うまく収まるように頑張ります。
ただ、材料代が 1枚 100円しかしないため、今回は結構雑に収めちゃいました。

image.png

エクスポート

ここまでで、すべての作業が完了したので、CAD データをエクスポートします。
出力形式は、みんな大好き SVG です。

CAD の出力に使えるのが、お絵描き形式の SVG ってなかなかおもしろいですよね。
昔だと、著名な CAD の互換形式が利用されていたと思いますが、今は SVG が主流かなとおもいます。

Gコード変換

設計が終わったので、実際に作成するための処理に移ります。

Gコードってなに?

G コードは、CAM (Computer Aided Manufacturing) に用いる制御コードのひとつです。

めっちゃ簡単にいうと、SVG の画像データから、レーザーカッターとかの動かし方に変換します。
私のお気に入りは LaserGRBL です。

LaserGRBL は、レーザーカッターの管理も可能ですが、私はあくまでも Gコード変換のみに利用しています。

image.png

インポート

SVG 画像を読み込みます。
これだけで、画面上にレーザーヘッドの移動と、カットパスが出てきます。

この段階で確認する最たるものは、サイズです。

大きさが、レーザーカッターの範囲内に収まっているか確認します。
(ちなみに、この段階でワークスペースを大きく超えていたので、今回は分割しました)

image.png

image.png

エクスポート

問題がなければ、高度な保存から Gコードを保存します。
ここで、パス数が指定できるので、パス数を入力します。
(ちなみに、Gコードをみんな大好き vscode で開くとファイルの中身は ASCII だったりします。)

G90 (use absolute coordinates)
M4 S0
S0 
G0X165.935Y0
S1000 
G1Y27.8F400
S0 
S1000 
G1X170.835F400
S0 
S1000 
G1Y42.8F400
S0 
S1000 
G1X165.935F400
...

今回の材料と、Atomstack 20W では、3パス (同じ箇所を3回切る) 設定でいけました。

カット

本体とサーバー起動

LaserGRBL でカットしなかった理由にもなるのですが、うちの環境はパソコンと離れた場所にレーザーカッターを配置しています。

そのため、Raspberry PI 上で cncjs を起動しています。
管理はすべて Raspberry PI が実施していて、Web 経由でカメラ映像の確認や本体操作が可能になっています。

(むしろ、コレくらいしないとレーザーカッター 20W はこわい)

image.png

カット

cncjs の Gコード読み込みを行い、スタートボタンを押すと、加工が始まります。
加工中は、物の燃える匂いがすごいので、ちゃんと排気を行いましょう!

今更ながらの注意点ですが、レーザーカッターは安全性を十分理解した方が扱わないと、極めて危険です。
失明ならまだしも、普通に木を切れるということを思い出してください。

研磨と組み立て

ここまでできたら、後は簡単です。

焦げた切断面を研磨して、組み立てていきます。

ここで一番大切な作業は 祈る ことです。
何故かわかりませんが、完璧に設計したと思っても、細かいところに何故かミスが見つかります。

ミスが、簡単な場所であることを祈りながら、組み立てます。

今回も、角の補強パーツが、板 1枚分ずれていました。
(小さいパーツだったので、影響は軽微です)

まとめ

すごく簡単に、自分だけのオリジナルグッズが作れるようになる記事でした。
レーザーカッターの取り扱いにだけ気をつければ、だれでもオリジナルグッズが作れるようになります。

材料特性? CAD の使い方? CAM の使い方? レーザーの取り扱い安全?
大学でみんなやってるよね? (理工学部の強み)

というわけで、皆さんも自分だけのオリジナルなクリスマスプレゼントを用意しましょう!

image.png

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