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設計者のためのLGBT対応

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はじめに

LGBTが一般的になりつつありますが、LGBTに対応するシステムは日本では少ないと考えております。

そのため、この記事を通じて、LGBTに対応するため、設計段階から考慮する必要のある要素をまとめたいと思っております。

私の知識の及ばない箇所もあると思いますので、適宜編集リクエストをよろしくお願いします。

また、ここではLGBTのみ取り上げますが、実際の設計の際は、「地域化(L10n)」や「ユニバーサルデザイン(色、文書、フォント)」なども考慮が必要です。

設計の考慮事項

1.性の多様性

性と言うと、多くの方は戸籍上の性を思い浮かべると思いますが、性は多様です。
種類も多く、「男性」、「女性」に当てはまらない「その他」を考慮する必要があります。

性別を取得する必要性を十分に考慮し、取得の必要がある際は用途を明示するのが望ましいです。

主な性としては下記のようなものがあります。

  • 戸籍上の性別
  • 自認としての性別
  • 社会的役割としての性別
  • 肉体としての性別
  • 恋愛対象としての性別

また、性別も「男性」「女性」以外にも多くのくくりがあります。

そのため、実際に性別を収集する必要が有る際は、これらに配慮した表記が必要です。

例示
「戸籍上の性別(法制上の処理のため必要)」など、具体的に掲示。
データベース設計の際、多値型、文字列型で処理。

参考
性別は18種類 「LGBT」先進国タイの第一線で活躍する人たち
Facebookの性別欄は58種類! 男性でも女性でもない性のこと

2.性別の変更

性別は、手続きにより変更可能で有り、性自認は時間とともに変わります。
システム上、性別は変わる前提に立ちシステムの設計が必要です。

例示
プロフィール変更などで、性別も変更可能とする。

参考
性別の取扱いの変更
性自認は変わることもある 自分の性別はいつだって自分が決められるもの

3.名前の変更に対する考慮

姓が、結婚や養子縁組などで変わることをご存じの方は多いと思いますが、名も手続きにより変更可能です。

名前、読みはプロフィール変更で変えられるシステムが多いですが、考慮が必要です。

参考
名前を変えるには?! 性同一性障害で改名する方法
性同一性障害 改名の方法

4.通名の使用について

3.にも該当しますが、LGBTを理由として法的な手続きのために通名を使用する場合があります。

名前を入力させる際には、必要な理由(本名を求める場合)または、ニックネームを合わせて入力するのが望ましいです。

本名が必須では無い場合、ニックネームとするのがなお良いと考えます。

まとめ

LGBTへの対応は、地域化やユニバーサルデザインと合わせて、昨今のシステムでは必須と考えております。

LGBT対応に限りませんが、人をステレオタイプにはめずに、個人を認めて、個人に対応できるシステムの設計を考えるのが一番だと考えております。

また、昨今はビッグデータのために多数の情報を取得するシステムも多いですが、情報はリスクで有ることを理解し、「収集しない選択」を考慮するのが望ましいです。

本名は本当に必要なのか?
性別は本当に必要なのか?

システムを設計する際に考慮いただけると助かります。

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