#sFlowの特性を生かした分析
フロープロトコルには、大きく分けると2つの規約が存在します。
ひとつは、sFlow、で
もうひとつは、NetFlow、になります。
どちらもフロー分析に必要な情報である、
Time
Ingress ifIndex
Egress ifIndex
IP Source Address
IP Destination Address
IP Protocol
L4 Source Port
L4 Destination Port
Frames
Bytes
を保有し、これらの情報を基に分析することが出来ます。
ただ、これらの情報をエクスポートする方法と内容は、sFlowとNetFlowでは大きく異なります。
sFlowは、流れるトラフィックを機器のインターフェースでサンプリングして、その情報を基に
Flow sample (フローデータ)
Packet Header : サンプルパケットのパケットヘッダー情報(一部ペイロード含む)
Src/Dst i/f : 入出力インターフェースのifIndex
Sampling Perms : sFlowパラメータ(Sampling Rate,Sampling Pool etc)
Forwarding
Priority ( Src/Dst 802.1p/TOS)
VLAN ( Src/Dst 802.1q)
Next hop address
Source AS, Source Peer AS
Destination AS Path
Communities, local preference
MPLS
User ID : Src/Dst RADIUS/TACACS
URL
SNMP Counter Sample (SNMP カウンター 値)
i/f counters : インターフェース・カウンター・統計値
の情報をsFlowデータグラム化してエクスポートします。
情報内容としては、パケットヘッダー情報とその他関連付与情報を追加したものになります。
また、SNMPカウンター情報もsFlowデータグラムとしてエクスポートします。
かたやNetFlowは、
流れるトラフィックを機器のキャッシュ内でフロー情報キーでフレームやバイトをカウントして、
指定のタイミングでNetFlowデータグラム化してエクスポートします。下記図参照。
フロー情報は、NetFlowV9では、テンプレート形式で取得情報を変更する事が出来ますが、
概ね下記図内の内容のフロー情報キーで集約します。
Time
Interface
Source Address
Destination Address
IP Protocol
TOS
Source Port
Destination Port
Frames
Bytes
など
NetFlowは、エクスポートされた情報自体が既にフロー情報化されており、
sFlowは、エクスポートされた情報はサンプリングされ転送されたそのままのパケットヘッダ情報なので、
受信したフローシステム側で、サンプリングを考慮してフロー情報に組み立てる必要があります。
その為、ネットワーク機器側の処理負荷は低いですが、フローシステム側の負荷が比較的高くなります。
逆に、NetFlowは、ネットワーク機器側のキャッシュでカウントし続けるので、ネットワーク機器側の処理負荷が比較的高くなります。
NetFlowにもネットワーク機器側の負荷低減の為に、sFlow同様にサンプリング処理を行うSampled NetFlow規格も存在します。
NetFlowは、フローとしてエクスポートされた情報のみの分析になりますが、
sFlowは、フロー情報以外にもパケットヘッダに含まれる各種の情報による分析も可能です。
それらのsFlowの持つ情報の特性を生かした分析をいくつかご紹介したいと思います。
####TCP Flags
TcpFlagの、ACK、SYN、PUSH、FIN、RSTでの分析
####RTP(RTP Codec、RTP Jitter、RTP Lost Fraction)
G722,G729,H263,H261でコーデック
####ICMP(ICMP Code、ICMP Type、ICMP Unreachable Portなど)
ICMPの情報
####その他
####プロトコル系
ARP(ARP H/W Type、ARP IP Sender、ARP IP Target、ARP MAC Sender、ARP MAC Target、ARP Operation、ARP Protocol Type)
VLAN(VLAN In、VLAN Name In、VLAN Name Out、VLAN Out、VLAN Stack)
IGMP ( Internet Group Management Protocol ) Group
####ストレージ系
ATA over Ethernet(AOE Operation、AOE Status、AOE Target)
Fibre Channel(FC Client、FC Destination、FC Server、FC Source、FCS Errors)
ISCSI opcode
TRILL(TRILL Hops、TRILL Options、TRILL RBridge Egress、TRILL RBridge Ingress)
######など多数。