年末恒例M1グランプリが開催されたようで, 優勝者の名前や審査員のつけた得点なんかが聞こえてきた.
諸般の事情により本戦を見ることはどうしてもできず, ただ結果だけを知っているという状況なので, 審査員の得点から勝手に妄想してみた.
やったこと
M1グランプリ2018決勝の得点をRで主成分解析.
使用ソフトはR 3.5.1. 出発行列は相関係数行列.
(i.e., prcomp(得点データ, scale=TRUE)
)
結果
寄与率
累積寄与率を見ると, 第3主成分(PC3)で累積寄与率が95%を超えるので, PC3までを見れば, あらかた説明ができるらしい.
PC1 | PC2 | PC3 | PC4 | PC5 | PC6 | PC7 | |
---|---|---|---|---|---|---|---|
標準偏差 | 2.28 | 1.04 | 0.644 | 0.393 | 0.336 | 0.217 | 0.114 |
寄与率 [%] | 73.9 | 15.5 | 5.92 | 2.21 | 1.61 | 0.67 | 0.19 |
累積寄与率 [%] | 73.9 | 89.4 | 95.3 | 97.5 | 99.1 | 99.8 | 100 |
第1主成分(PC1).
PC1は, 総得点と綺麗に相関している. どうやらPC1=今大会での評価(=面白い順?盛り上がった順?)のようだ.
PC1と各審査員がつけた得点の相関係数を見ても, かなり高い正の相関であり, ある程度順当な得点がつけられていった模様.
そんな中, 若干相関係数が低いのが上沼恵美子氏と立川志らく氏. 逆張りというほどではないけれど, 数字を見ると我が道を行っている感がある.
巨人 | 中川家 | 塙 | 立川 | 富澤 | 松本 | 上沼 | |
---|---|---|---|---|---|---|---|
PC1 | 0.92 | 0.83 | 0.94 | 0.65 | 0.92 | 0.96 | 0.76 |
第2主成分(PC2)と第3主成分(PC3)
個人的に面白かったのがPC2とPC3.
巨人 | 中川家 | 塙 | 立川 | 富澤 | 松本 | 上沼 | |
---|---|---|---|---|---|---|---|
PC2 | 0.055 | 0.32 | -0.17 | -0.72 | 0.057 | -0.22 | 0.62 |
PC3 | -0.26 | -0.42 | 0.18 | -0.13 | 0.28 | 0.13 | 0.16 |
まず, PC2を見てみると, 先ほど我が道を行っていた上沼氏と立川氏が, 全く逆の相関係数を持っている.
かたや関西の女帝, かたや関東落語界の名門と考えると, PC2は関東・関西のお笑いの好みっぽい.
漫才協会理事である塙氏がごくごく弱いながら負の相関係数であるのも,それっぽさを加味している気がする.
一方で, PC3を見てみると, 巨人氏・中川家礼二氏が弱い~やや強い負の相関係数である一方, 富澤氏が弱い正の相関係数となった.
これは勝手な印象として, PC3との相関が正だとコント漫才評価志向, 負だとしゃべくり漫才評価志向なんかいなという感想. まぁ, よくわからん.
そんなこんなを無理やりこじつけると, PC2得点 vs PC3得点で分類した時に第1象限(右上)は関西風コント漫才, 第2象限(左上)は関東風コント漫才, 第3象限(左下)は関東風しゃべくり漫才, で第4象限(右下)は関西風しゃべくり漫才と行った分類なのかなと.
そうか,松本氏は若干評価が東京寄りだったのか...
以上ウダウダと数字をこねくり回してきましたが, これって一次データを見ずに"分析"するという一番やっちゃいけないことをしている.
ま,話半分面白半分ということで,どうかお目こぼしを