Open Compliance Summit 参加レポート
Open Compliance Summit とは?
Open Compliance Summit は,Linux Foundationが主催するイベントで,例年 Open Source Summit Japan の直後に日本で開催されています。2024年は10月30日~31日の2日間で開催されました。参加者は120人超で過去最大規模の人数でした.
次回の日程も公表されていて、2025年は2025年12月11日~12日に東京で開催されます (https://events.linuxfoundation.org/open-compliance-summit-2025/)
本イベントはオープンソースソフトウェアのコンプライアンスやライセンス管理などに関する議論や情報交換を促進することを目的としています.最近では、セキュリティ関係、組織構築(OSPO)、SBOM、などの話題も豊富です。
イベントはLinux Foundationのメンバーか招待制(申込時に招待を受けられます)で、チャタムハウスルールで開催されています。チャタムハウスルールというと、あまり聞き慣れない用語かもしれませんが、「会議に参加する人は誰でもディスカッションの情報を自由に使用できるとし、ただし特定のコメントをした人を明らかにすることはしない」ことで、自由で闊達な議論を促す・期待することができます。
Open Compliance Summit 2024
イベントとしてはチャタムハウスルールですが,プログラムは公開されています.
2024年のKeynoteでは,「Global Compliance Trends」で最近のOSS Compliance関係の話題やトピックの紹介があり,「Compliance in Japan」では OpenChain JapanWG とSubGroupの活動紹介がされました.
「The Dark Ages of GPL Compliance 20 Years Ago」では,過去にGPL Violationsで,OSSコンプライアンス推進に取り組まれていた方が,ここ20年のさまざまなトピックを語ってくれました.
また富士通のKeynoteでは,富士通がISO/IEC 18974認証を取得したことが紹介されました.こちらはOpenChainプロジェクトのNewsで紹介されています
Sessionでは,「Open Source as a Strategic Assert in M&A」と題したパネルディスカッションや,「Protecting Open Source and Companies' Intellectual Property Rights」,「Compliance and Integrity in the Software Supply Chain with Software Heritage」のような題目で,ライセンスコンプライアンスだけでなく,広く「Open Compliance」に関係する話題がありました.
「Compliance and Integrity in the Software Supply Chain with Software Heritage」はOpenChainのページでスライドが公開されています
また,今回は全体を通して,SBOMやAI と OSS Compliance を関連させた話題も多く,最近のトピックとして各社や参加者の興味をひくキーワードになっていると感じました.
参加してみて
私は10年前くらいから継続してOpen Compliance Summitに参加していますが,今回も非常に盛況だったと思います.KeynoteやSessionを聞くだけでなく,コーヒーブレークやランチタイムに講演者や他の参加者と話をする時間があり,単なる参加者(聴講者)ではなく,ネットワーキングをしたり,プログラムにはない様々な情報を得られる場になっていると思います.(余談ですが,コーヒーブレークで話が盛り上がっている人が多すぎて,次のSessionが始まる際に 「次が始まるよ~.コーヒーブレークは終わりだよ~」と,イベント進行役でもあるShaneさんが,参加者のみなさんを毎回セッション会場に戻るのを促しているくらいでした)
Open Compliance Summit は,オープンソースソフトウェアのコンプライアンスやそれに関する話題に関する国際的イベントとしては最大級のイベントだと思います.このあたりの話題に関心がある方は,ぜひ,参加してみてください!