はじめに
パナソニックホールディングス株式会社でOSSコンプライアンス推進を担当している加藤と申します.
本日は、オープンソースに関するイベント Open Source Summit Japan 2023(OSS Japan 2023)について紹介したいと思います。
Open Source Summit Japan (OSS Japan) ってなに?
The Linux Foundationが主催するオープンソースソフトウェアに関する国際技術カンファレンスです.類似イベントに、Open Source Summit (North America) や Open Source Summit EU があり、毎年日本でも OSS Japan として開催されています(ここ数年は12月の開催です)。Open Source Summit Japan という名称になったのは2017年からで,過去は Japan Linux Symposium (2009年),Linux Con Japan (2010~2016年) という名称でした.過去はLinux関連の話題がメインでしたが,OSS全体をテーマになってきて Open Source Summit という名称になったようです.近年は技術的なSessionだけでなく,コミュニティ運営やOSS推進(Open Source Program Office)などのテーマでもSessionが組まれています.
例年 OSS Japan には,世界中から,OSSプロジェクト・OSSコミュニティで活動するエンジニアが多数参加します.(例年,600~700人が参加しています.) 日本にいながら,世界のオープンソースの最新情報を聞いたり,海外のエンジニアはもちろんOSSプロジェクトのキーパーソンとも直接話しをする機会がもてるイベントです.
Open Source Summit Japan 2023 (OSS Japan 2023)
OSS Japan 2023 は 2023年12月5日~5日 の2日間で開催されました.
( OSS Japan 2023 のリンク先は最新の年のOSS Japan のサイトにリンク変更されます)
OSS Japan は,おおむね,午前中に Keynote,午後からは技術分野ごとに複数 Session 同時進行,というプログラムです.最近のThe Linux FoundationのConferenceはYoutubeでもKeynote/Session動画が公開されています.https://www.youtube.com/playlist?list=PLbzoR-pLrL6pM99KxvfhY_9uWOsYkIbOh
動画が公開されることが分かっていても,現地参加者は多く,OSS Japan 2023 では,登録者数は約750人で,700人以上が実際に来場したそうです.現地ではKeynote/Sessionの臨場感を味わえますし,質問できるのも現地参加ならでは.Session後にはSpeakerの方が囲まれて質疑応答や議論が続くのもおなじみの光景ですね.格式張った学会のような雰囲気ではなく,自由闊達な雰囲気のカンファレンスです.
また,OSS Japan では Session のスライドがUpされていることも多いので,スケジュールページから気になる Session の概要に飛ぶとスライド(PDF)が公開されていて参照できると思います.
OSS Japan 2023 の スケジュールはこちら
Open Source Summit Japan 2023 (OSS Japan 2023) Keynote
私の独断と偏見で非常に簡単に Keynote をレポートしようと思いましたが,今回のOpen Source Summit Japanでは,やはり,Linus Torvalds さんの対談形式でのKeynoteでしょう! Youtube動画
Linusさんの来日はいつぶりでしょう? Linusさんが登壇するKeynoteでは定番となるDirk Hohndelさんとの対談形式で,Linux Kernel 6.7 RC の状況や,Linux Kernel開発全体の状況 (Rustの導入状況,メンテナーの高齢化について,など) について語られました.個人的には,オープンソースの開発やメンテナーの役割で「コミュニケーション」が非常に重要なことを語られていたのが印象的でした.
最後に
Open Source Summit では,広く OSSコミュニティ・OSSプロジェクトのことを知ることが出来る貴重な機会です.OSS Japan だけでなく,The Linux Foundation 主催のカンファレンスは世界中で開催されています.The Linux Foundation の Event ページ でイベントスケジュールを確認して,興味のあるイベントに登録・参加してみましょう.