本記事では、fits の regrid の方法について紹介します。
例として、Spitzer 3.6 µm, 8.0 µm, 24 µm のアーカイブデータを使用します。
https://irsa.ipac.caltech.edu/data/SPITZER/GLIMPSE/images/I/1.2_mosaics_v3.5/
から
GLM_03000+0000_mosaic_I1.fits
GLM_03000+0000_mosaic_I4.fits
をダウンロードします。
また、
https://irsa.ipac.caltech.edu/data/SPITZER/MIPSGAL/images/mosaics24/
から
MG0290n005_024.fits
MG0290p005_024.fits
MG0300n005_024.fits
MG0300p005_024.fits
MG0310n005_024.fits
MG0310p005_024.fits
の計6つの fits をダウンロードし、つなぎ合わせた W43_24um.fits を用います (以前の記事 を参照)。
現状、casa でやる方法と miriad でやる方法が主流かと思います。それぞれインストール方法は公式のページを参照ください。
casa
ターミナルで casa を起動します。パスが通っている場合は、casa と打つだけです。通していない場合は、
your/casa/dir/casa-X.X.X-XXX/bin/casa
で起動します。
まず、fitsを読み込みます。
importfits(fitsimage="GLM_03000+0000_mosaic_I1.fits", imagename="GLM_03000+0000_mosaic_I1.im/", overwrite=True)
importfits(fitsimage="GLM_03000+0000_mosaic_I4.fits", imagename="GLM_03000+0000_mosaic_I4.im/", overwrite=True)
importfits(fitsimage="W43_24um.fits", imagename="W43_24um.im/", overwrite=True)
これで casa 形式 (image) になりました。最後に true と表示されていればおそらく成功です。
この GLM_03000+0000_mosaic_I4.im を W43_24um.im と同じ grid にします。
(※ この場合、元々の grid サイズがほぼ等しいのでこのまま regrid を実行しますが、 grid サイズ (≈分解能) がかけ離れている場合には細かい方に smoothing (imsmooth) をかける必要があります。天文データ解析入門 その16 (fitsのsmoothing (convolution)) も合わせて参照ください。)
imregrid を実行します。
imregrid(imagename="GLM_03000+0000_mosaic_I1.im/", template="W43_24um.im/", output="GLM_03000+0000_mosaic_I1_reg.im/", overwrite=True)
imregrid(imagename="GLM_03000+0000_mosaic_I4.im/", template="W43_24um.im/", output="GLM_03000+0000_mosaic_I4_reg.im/", overwrite=True)
imagename が regrid をかける image、template が合わせる先の image です。最後に true と表示されていればおそらく成功です。
これを fits に戻します。
exportfits(imagename="GLM_03000+0000_mosaic_I1_reg.im/", fitsimage="GLM_03000+0000_mosaic_I1_reg.fits", overwrite=True)
exportfits(imagename="GLM_03000+0000_mosaic_I4_reg.im/", fitsimage="GLM_03000+0000_mosaic_I4_reg.fits", overwrite=True)
何も表示されなければおそらく成功です。
もし 3D fits (cube) の速度軸だけ regrid したい場合などは、imregrid の際にオプションで axes=2 を指定しましょう。
また、速度軸を反転させたい時などは、imtrans を用いましょう。
imtrans(imagename="xxx.im/", outfile="xxx_vreo.im/", order="01-23")
などとします。2 が速度軸を示していて、マイナスをつけることによって反転してくれます。
miriad
miriad の場合もほぼ同様です。ターミナルで miriad と打って miriad を起動します。
まず fits を読み込みます。
fits in=GLM_03000+0000_mosaic_I1.fits out=GLM_03000+0000_mosaic_I1.mir op=xyin
fits in=GLM_03000+0000_mosaic_I4.fits out=GLM_03000+0000_mosaic_I4.mir op=xyin
fits in=W43_24um.fits out=W43_24um.mir op=xyin
これで miriad 形式になりました。fits の名前が長すぎるとエラーを吐くので注意です。
regrid を実行します。
regrid in=GLM_03000+0000_mosaic_I1.mir out=GLM_03000+0000_mosaic_I1_reg2.mir tin=W43_24um.mir
regrid in=GLM_03000+0000_mosaic_I4.mir out=GLM_03000+0000_mosaic_I4_reg2.mir tin=W43_24um.mir
オプションで回転を入れたり GAL <=> RADec 変換ができたりなど、色々便利です。
(https://www.atnf.csiro.au/computing/software/miriad/doc/regrid.html)
あとは fits に戻します。
fits in=GLM_03000+0000_mosaic_I1_reg2.mir out=GLM_03000+0000_mosaic_I1_reg2.fits op=xyout
fits in=GLM_03000+0000_mosaic_I4_reg2.mir out=GLM_03000+0000_mosaic_I4_reg2.fits op=xyout
これで grid の揃った 3 色の fits が出来上がりました。
以上です。
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