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AtCoder ABC ソート を COBOL で解いてみた

Last updated at Posted at 2018-07-30

#始めに

競技プログラミングサイトAtCoder にて、ソート が あると便利な問題 を COBOL で解きました。

先の記事にて、クイックソートを実装しました。
https://qiita.com/ShinjiSHIBATA/items/1ef8cbf4b87969a46015

プログラミング言語 には 多くの場合 ソート が備わっている為 使うと ラク ができます。

「OpenCOBOL」「opensourceCOBOL」にも ソート があるので この記事に書きました。

#1. 配列
COBOLでは 変数 や 配列 を「WORKING-STORAGE SECTION」に書きます。

VARIABLES_AND_ARRAYS.cob

WORKING-STORAGE                  SECTION.
    01 var     PIC 9(1).
    01 card1.
        03 card_num1  PIC 9(3).
        03 card_num2  PIC 9(3).
        03 card_num3  PIC 9(3).
        ~ 中略 ~
        03 card_num10 PIC 9(3).

ここで「01」や「03」は レベル番号 と 呼ばれます。
最上位「01」は レコード と 呼ばれます。

レベル番号 で データ構造 の 従属関係 を表現します。

「var」は レコード で 符号なし 数字 1 桁 の 変数。

「card1」は レコード で その従属項目として card_num1 ~ card_num10 の
10項目 の 符号なし 数字 3 桁 があります。

同じ属性 の 繰り返し を表現したものが 配列 になります。

ARRAYS.cob

    01 card1.
        03 card_num PIC 9(3) OCCURS 10 TIMES.

要素数 10 の 配列 ができました。
要素 の 7 番目 は card_num(7) で表現されます。

次に 複数項目 の 繰り返し を表現した 配列 も 定義できます。

MULTI_ITEM_ARRAYS.cob

    01 card1.
        03 card11 OCCURS 10 TIMES.
            05 card_num   PIC 9(3).
            05 card_color PIC X(10).

要素数 10 の 配列 で 2つ の項目があります
card_num 符号なし 数字 3 桁
card_color 文字 10 個 の 文字列
要素 の 7番目 は card_num ( 7 ) や card_color ( 7 ) で表現されます。

#2. ABC 088 B Card Game for Two を解く
【問題概要】
N 枚のカード、i 番目のカードには ai という数が書かれています。
2 人が交互に最大の数のカードを取ります。取った数の合計が点数になります。
すべてのカードを取り終わった時、先手は後手より何点多く取るでしょうか。

【説明】
カード を並び替えて 大きな数 から
先手の取った数の 合計、後手の取った数の 合計 を計算します。

カードを並び替えるクイックソートを実装しました。
実際の問題の Accepted なソースコードは下記になります。
https://beta.atcoder.jp/contests/abc088/submissions/2765069

行数を数えると 167 行。

「OpenCOBOL」「opensourceCOBOL」の ソート を使って もっと ラク をしましょう。

「OpenCOBOL」「opensourceCOBOL」の ソート の概要は下記の通りです。

【構文どおり】

SYNTAX_FORM.cob

    01 card1.
        03 card PIC 9(3) OCCURS 100 TIMES DEPENDING ON N.

    SORT card ON DESCENDING KEY card.

ソート の部分は 配列の定義の 2 行 を含めて たったの 3 行 です。

「DEPENDING ON N」を説明します。
配列は 最大 100 回 の 繰り返し項目です。要素数 100 です。
実際に配列に値が入っている (先頭からの) 要素の数は 変数 N の値によるという定義です。

ソート するのに 値が入っていない要素まで入れてしまうと結果がおかしくなる為
ソート する場合には 必ず指定します。

「SORT card ON DESCENDING KEY card」を説明します。

最初の「card」は OCCURS を指定した項目 (OCCURS項目) です。
「DESCENDING」は「降順」、「ASCENDING」は「昇順」です。
二番目の「card」は 実際にソートする時の キー項目 (KEY項目) です。

二回「card」が登場するところに違和感を感じるかもしれませんが
配列が複数の項目の場合には 最初 (OCCURS項目) と 二番目 (KEY項目) に指定する項目は
異なることがありますので必要となります。

ここで 昇順 ならば 「ASCENDING」が 省略できそうに思えますが
「DESCENDING」か「ASCENDING」は必ず指定する必要があります。

ここからさらに 省略した書き方 ができるので書きます。

【慣用的に略した書き方】

CONVENTIONAL_FORM.cob

    01 card1.
        03 card PIC 9(3) OCCURS 100 DEPENDING N.

    SORT card DESCENDING card.

配列定義の「TIMES」「ON」、ソートの「ON」「KEY」を 慣用的に省略することができます。
忘れても思い出せる感じが とても良い と思います。

「OpenCOBOL」「opensourceCOBOL」の ソート を使用した
実際の問題の Accepted なソースコードは下記になります。
https://beta.atcoder.jp/contests/abc088/submissions/2921407

行数 を数えると 69 行。
行数 59 % の削減に成功しました。
それだけ ソースコード の 見通しも良くなり バグ が少なくなります。

#3. ABC 042 B Iroha Loves Strings (ABC Edition) を解く
【問題概要】
長さ L の 文字列が N 個あります。
これらの文字列を結合してできる文字列のうち 辞書順最小 を求めて下さい。

【説明】
要素数 N 個、文字 L 個 の 文字列 の 配列 に、文字列を格納して 昇順ソート します。
ソート後の文字列を順に結合することで 解答 となります。

「OpenCOBOL」「opensourceCOBOL」の ソート を使用した
実際の問題の Accepted なソースコードは下記になります。
https://beta.atcoder.jp/contests/abc042/submissions/2918629

#4. ABC 018 A 豆まき (改) を解く
【問題概要】
長男、次男、三男が豆まきをしました。
長男、次男、三男の得点が順に与えられます。得点が高いほうが上の順位です。
長男、次男、三男のそれぞれの順位を答えて下さい。

※長男、次男、三男の得点は異なるのが実際の問題ですが
 ここでは 同じ得点の場合は、長男よりも次男、次男よりも三男のほうが上の順位とします。

【説明】
以下のような配列を用意します。

要素数 3
num 符号なし 数字 1 桁
score 符号なし 数字 3 桁
rank 符号なし 数字 1 桁

num に 何番目の値か (長男なら 1 次男なら 2 三男なら 3)
score に 得点 を格納して ソート します。

この時のソートキーを以下のようにします。
複数キーソートです。

MULTI_KEY_SORT.cob

    SORT mame DESCENDING score
              DESCENDING num.

第 1 KEY項目 は score で 降順
第 2 KEY項目 は num で 降順

ソート後に 最初から 1 から順に rank に格納します。

次に num で 昇順ソートします。
ソート後に 順に rank を出力することで 解答 となります。

【ソースコード】

MAME.cob
PROGRAM-ID.                      MAME.
DATA                             DIVISION.
WORKING-STORAGE                  SECTION.
    01 N       PIC 9(1).
    01 i       PIC 9(1).
    01 val     PIC 9(3).
    01 mame1.
        03 mame11 OCCURS 3 DEPENDING ON N.
            05 num   PIC 9(1).
            05 score PIC 9(3).
            05 rank  PIC 9(1).

PROCEDURE                        DIVISION.
    MOVE 3 TO N.

    PERFORM VARYING i FROM 1 BY 1 UNTIL N < i
        ACCEPT val
        MOVE i TO num(i)
        MOVE val TO score(i)
    END-PERFORM.

    SORT mame11 ON DESCENDING KEY score
                ON DESCENDING KEY num.

    PERFORM VARYING i FROM 1 BY 1 UNTIL N < i
        MOVE i TO rank(i)
    END-PERFORM.

    SORT mame11 ON ASCENDING KEY num.

    PERFORM VARYING i FROM 1 BY 1 UNTIL N < i
        DISPLAY rank(i)
    END-PERFORM.

    STOP RUN.

【入力】
100
100
100

【出力結果】
3
2
1

#5. ABC 100 D Patisserie ABC を解く
【問題概要】
N 種類 の ケーキ から 重複なしで M 種類 の ケーキ を 選びます。

各種類 の ケーキ には 3つの値 が あります。
「きれいさ xi」「おいしさ yi」「人気 zi」

3つの値 xi yi zi は 0 や マイナス の 可能性もあります。

ケーキ を 選ぶときには
(xi の 合計 の 絶対値)+(yi の 合計 の 絶対値)+(zi の 合計 の 絶対値) が
最大 になるように選びます。

選んだ M 種類 の ケーキの
(xi の 合計 の 絶対値)+(yi の 合計 の 絶対値)+(zi の 合計 の 絶対値) の
最大値 を 求めて下さい。

制約 は 下記の通りです。
N 1 以上 1000 以下。
M 0 以上 N 以下。
xi yi zi それぞれ マイナス10の11乗 以上 プラス10の11乗 以下。

【説明】
5 種類 の ケーキから 重複なしで 3 種類 の ケーキ を 選ぶ場合を考えます。

cake1.png

「きれいさ xi」「おいしさ yi」「人気 zi」の 3つの値 には 正と負 があります。

合計 の 絶対値 を大きくするように取得する為 3つの値 で
「正の方向 に 最大化する」「負の方向 に 最大化する」のどちらを選ぶか
2の3乗 = 8 通り について計算します。

cake2.png

次に それぞれを 降順ソート して 上から 3 種類 選びます。
選んだ 3種類 を合計したもののうち 最大値 が 解答 となります。

実際の問題の Accepted なソースコードは下記になります。
https://beta.atcoder.jp/contests/abc100/submissions/2964768

#6. ABC 105 D Candy Distribution を解く
【問題概要】
左右一列に並んだ N 個の箱があります。
左から i 番目の箱には Ai 個の あめ が入っています。

連続した箱から あめ を取り出して M人 に均等にくばります。

左端を l 右端を r としたとき、以下の関係が成り立ちます。
1 <= l <= r <= N
Al + Al+1 + … + Ar は Mの倍数

組 (l, r) の 総数 を 求めて下さい。

制約 は 下記の通りです。
N 1 以上 10の5乗 以下
M 2 以上 10の9乗 以下
Ai 1 以上 10の9乗 以下

【説明】
13 個 の箱から選び 17人 に均等にくばる以下の場合を考えます。

ABC_105_D_2.png

10 番目の箱 ( i = 10 ) から、13 番目の箱 ( i = 13 ) まで
4 個 の箱の あめ の合計が 187 個 で 17 で 割り切れます。

これは 10 番目の箱 ( i = 10 ) の 直前 の
9 番目の箱 ( i = 9 ) までの あめ の 累積和 を 17 で 割った余り が 0 で
13 番目の箱 ( i = 13 ) までの あめ の 累積和 を 17 で 割った余り が 0 の為
17 で割りきれます。

割った余りが 0 でなくても、左端の 直前 と 右端で 割った余り が 同じ であれば良いです。
例えば 11 番目の箱 から、12 番目の箱 の あめ の 合計 51 は 17 で割り切れます。
この場合 左端の 直前 ( i = 10 ) と 右端 ( i = 12 ) で 割った余り が 4 で同じです。

したがって、累積和 と 余り をもとめて 余りごとに 同じ余りの数 をもとめて
左端 と 右端 の 組 の数 を もとめます。

ABC_105_D_1.png

さらに 余り が ゼロ の場合だけ
一番左端から 左端の直前まで と 一番左端から 右端まで の 2 通り を
先にもとめた 数 に たしあわせる ことで解答となります。

余り と 同じ余りの数 は、C++では map などの 連想配列 が 便利 ですが
「OpenCOBOL」「opensourceCOBOL」にはありませんので 一旦 余りをソートしてから
同じ余りの数 を かぞえます。

余り については 「OpenCOBOL」「opensourceCOBOL」に MOD関数 がありますが
大きな数の MOD で 誤った数 が算出される事象を観測しました。

※具体的な値は不明ですが、以下の Wrong Answer と Accepted の ソースコード差分は
 MOD をするか 自力で計算 をするか の ごくわずかの違いでした。

【Wrong Answer】
https://beta.atcoder.jp/contests/abc105/submissions/3002200

【Accepted】
https://beta.atcoder.jp/contests/abc105/submissions/3002251

【差分】左:Wrong Answer 右:Accepted
ABC_105_D_3.png

自力で計算することをおすすめします。

X を M で 割った 商 を D に 余りを R に格納する下記の構文を使います。
DIVIDE M INTO X GIVING D REMAINDER R

実際の問題の Accepted なソースコードは下記になります。
https://beta.atcoder.jp/contests/abc105/submissions/3002629

当問題では 入力が 8,191 桁 以上 となる為 ACCEPTコマンド は 使用できません。
記事「AtCoder ABC 入力大き目 を COBOL で解いてみた」の内容をもとに
標準入力 を READ 文 に リダイレクトすることで 回避 しています。
https://qiita.com/ShinjiSHIBATA/items/af3c9a6a8dd26233dc7e

以上です。

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