7月18日にAWS大阪支社で開催されたAWS 大阪リージョン Network Dive Deep For Partnerイベントに参加してきました。
今回はその内容について備忘録を残したいと思います。
■当日のイベントの実施内容
・大阪リージョン活用のススメ(オープニングトーク)
・AWS Direct Connect Black Belt 2024夏
・AWS Direct Connect Hands On Transit VIF編
■大阪リージョン活用のススメ(オープニングトーク)について
オープニングトークは、イベントが大阪支社での開催であったこともあり、テーマは大阪リージョンの特徴とユースケースでした。
個人的に印象的だった話は東京リージョンと大阪リージョンのサービス数の比較です。
自分はまだ実務でAWSサービスを利用したことがないため意識をしたことがなかったのですが、リージョン選定時に東京リージョンの方がサービス数が多いという理由で、東京リージョンが選ばれることが少なくないそうです。
実際のところ大阪リージョンで利用可能なのが127サービスなのに対して、東京リージョンでは214サービスとほぼ倍のサービスが利用可能です。確かに数だけ聞くと東京リージョンにしておく方が良いような印象を受けます。
※サービス数は2024年7月18日イベント開催時の情報
ただ、大阪リージョン開設時には確かに主要なサービスが使えないということもあったそうですが、現在は主要なサービスは一通り網羅されているため、リージョン選定時はイメージだけで決めるのではなく必要なサービスがあるかどうか確認してほしいとのことでした。
(拠点が関西圏であるのなら、レイテンシーの観点で見ると大阪リージョンが勝るため)
この話が印象に残ったのは、改めてAWSで提供されているサービス数の多さを実感できたからです。
普段あまり聞かないようなサービスについて深堀して、実際に使ってみるのも面白そうだと感じました。
■AWS Direct Connect Black Belt 2024夏
このセクションでは最新のBlack Beltの資料を基に、2024年現在のAWS Direct Connectの機能やメリット、利用パターンについて紹介がありました。
冒頭、AWS Direct Connectを紹介する際には定番となっているようですが、AWS Direct Connectは「オンプレミスと直接接続する専用回線サービス」ではないという説明がありました。
自分もこの春、所属部署にてCLF受験予定だった新入社員からAWSに関する質問に回答する機会があり、AWS Direct Connectとはどんなサービスなのかという質問を受けました。
その時、質問者である新入社員は「AWS Direct Connectは自社で持ってるサーバーをAWS専用のネットワークにつなぐためのもの」≒「接続回線」と認識していたので初学者が勘違いしやすいポイントなのかもしれません。
今回登壇されていたAWSの菊池様からはAWS Direct Connect「お客様自身の専用回線の片端とAWS CloudをDirect Connectロケーションで接続するサービス」だという説明をいただきました。
※上記はAWS Direct Connect Black Belt資料内の図を再現したもの
その他、前回のAWS Direct Connect Black Beltオンラインセミナーの時からのサービスの更新情報についても触れながら、AWS Direct Connectの基本について改めて確認することができる内容となっており、日ごろサービスを触っているわけではない自分にとって大変良い機会でした。
ちなみに前回のAWS Direct Connect Black Beltオンラインセミナーからの更新内容として、以下の3点が紹介されていました。
・AWS Direct Connectゲートウェイが全リージョン(中国を除く)に対して最大20のVPCと閉域で通信することができるようになった
・Direct Connect SiteLinkの機能を使うことによりオンプレミスネットワーク間の接続の作成が可能になった。(2021年12月リリース)
・特定の条件下でDirect Connect ゲートウェイ(以下、DXGW)を介したVPC間通信が成立するのを避けられなくなった(2021年11月仕様変更)
※2024年8月6日時点でAWSが公開しているAWS Direct Connect Black Beltの資料は2021年2月に開催されたセミナーのもの
■AWS Direct Connect Hands On Transit VIF編
今回のイベントはこのハンズオントレーニングがメインとなっていました。
全体の流れを大まかにまとめたものを以下に記載します。
- DXGWを作成してオンプレミスのサーバーからハンズオン用のサーバーへ接続する
- DXGWに追加でVPCを関連付け、踏み台VPC→オンプレ環境→DXGW→追加VPCというルーティングを設定する
- Transit GateWayを作成してオンプレ環境→VPCへの経路を変更する
トレーニングの想定レベルは中~上級となっており、少しついていけるか不安に思いながら参加したのですが、案の定途中から講師の操作をなぞるだけで精一杯になってしまいました。
余談ですが、現在の自分のスキル感は以下の通りです。
・フロントエンド開発メイン
・ネットワークに関する知識はほぼなし(応用情報レベル)
・AWS(クラウド)に関して学び始めたのは1年ぐらい前
・AWS認定資格 associateとprofessional、Specialtyを何個か保持(ANS未取得)
・ハンズオンはあまりやってこなかった
つまずいてしまったのは項目2のオンプレミス側の設定のあたりからです。
マネジメントコンソールが比較的分かりやすいおかげでAWS側の設定は講師の話を理解しながら操作できていたものの、セッションマネージャーでオンプレの設定を始めたあたりから、お恥ずかしながら基礎知識がなさ過ぎて、「自分が何に対してどんな設定をしたいのか」を見失い、混乱してしまいました。
このハンズオンを通して、Direct Connectの利用方法以外に個人的な気づきが2点ありました。
以下にその2点を記載します。
・後回しにしがちだけれど、AWSが提供するハンズオン資料等を活用しながら操作の数をこなしておいた方が良い。
・手を動かす前に構成図を把握し、各リソースの関係性を頭に入れておいた方が良い。
1点目に関しては、講師の方のスピードに合わせて実際に操作をする中で、業務効率を考えるとよく使用するサービスに関してはどこで何の設定ができるというのを手癖で覚えておいた方がよさそうだと感じました。
2点目に関しては途中で躓いてしまった原因でもある、「自分が何に対してどういうことがしたいのか」を見失わないために必要だと考えました。今回のハンズオンの内容に関しても後から構成図をしっかりと見返すと理解できる部分が多くありました。この先、実務でサービスを活用する際にも思わぬ設定漏れを防ぐというような意味でも大切なのではないかと感じました。
以上、AWS 大阪リージョン Network Dive Deep For Partnerイベント参加備忘録でした。
イベントテーマ以外にも個人的な課題を発見できる良い機会にもなったため、これからも機会があればイベントやセミナーには積極的に参加していこうと思います。