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FFTで口笛をMIDIに変換する

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KUCHIBUE_MIDI

FFTクチブエtoMIDIコンバーターfor AVR

Atmega328を使いマイクから入力された口笛をFFTで解析し、シリアルからMIDIのNOTEオンNOTEオフとして出力するArduinoIDEのスケッチです。

入力

CRのローパスフィルタとOPアンプのハイパスフィルタを通してC0(ArduinoならアナログPIN0)でAD変換した値をサンプリングしています。

入力の閾値は#define THRESHOLD_LEVELで調整します
マイク入力には秋月のコンデンサマイク(アンプ付き)キットを使用しました

回路図

kuchibue_MIDI2CE3.PNG
SANY0093.JPG

出力

MIDIのノートオン、ノートオフのみシリアルから出力します

BaudRateはsetup()の中でSerial.begin()で2種類設定し起動時にPB3の入力で選択されます。

音域の入力はA#2からC5までに対応しておりボタンを押すことにより1オクターブUPさせてC6まで出力できます。

コマンドその他

PB0~PB2ピンをGNDへ落とすことにより以下の機能を割り当てています

  • PB0 "PROGRAM CHANGE" (YMF825MIDI_CONTROL_for_Arduinoのみ)音色変更のシステムエクルシーブメッセージをYMF825へ送ります
  • PB1 "octave_up" GNDへ落としている間1オクターブ高いNOTEオンを出力します
  • PB3 リセット後のUARTの速度選定,シリアル出力をUSBtoSerialデバイスなどでPCへ送りSerialMIDI変換ソフトでMIDI入力として使用出来ます。

FFTのサンプリング方法

音域と時間当たりの解析数を上げるため、高音と低音用の異なるサンプリングデータのリングバッファへ保存し、FFT解析用のバッファを2組用意して、解析中に他のバッファの組へデータを転送しています、1つのサンプリングレートで解析を行うと低音部に十分な解像度を得ようとすると時間窓を長くしなければならず、Step数を上げれば高音部は不要な解像度になるため低音用のバッファは2倍のレートで書き込み合計して2オクターブ強の範囲をカバーしました。

時間窓長とサンプリングレートは分解能と処理速度が問題となり、試行錯誤の末に、Step数128,サンプリング間隔226uSと452uS,時間窓長28.9ms(34.6Hz)と57.9ms(17.3Hz)の解析用バッファの組を交互に解析と転送に用います。

image.png
buffer1へ書き込みが終わったらbuffre2へ書き込みを開始し、その間にFFTの解析ルーチンを走らせMIDIコマンドにしているので14.5msごとに解析を行い我慢できるぐらいの遅延でMIDIコマンドを送信出来ています。

FFTのプログラムはArduinoのライブラリのfixfttを参考に128Step固定,リバース無しで計算の一部をテーブル化などを行い高速化しました。  

入力音(口笛)の変換について

口笛に関しては綺麗な音で鳴らすより、多少濁っても音程が正しく吹くようにしてください、一音を一定の息遣いで鳴らすようにすれば連続音としてなりますが音が乱れると連符になってしまいます。

KUCHIBUE-MIDI-AVR.inoでFFTのピーク値を変換テーブル(note_no[],note_no_lo[])を用いMIDIのノートナンバーへ変換しているのですが、癖に合わせてここを変更すれば認識率が上がると思います。

用途

以前作成したYMF825boardを使ったMIDI音源へ繋ぎ単独で楽器として鳴らして遊んでいますが、単にシリアルからMIDIのノートオン、オフを出力しているだけなので、SerialMIDIブリッジソフトを使えばMIDIの入力デバイスとしても利用できます。
8bitAVRでなく32bitデバイスで作れば十分な反応速度と解像度を得ることも可能と思われますので、どなたかチャレンジしてみませんか?
SANY0092.JPG

ソース置き場(GitHub)
https://github.com/shigosenCCneko/KUCHIBUE_MIDI.git
演奏した動画(YouTube)
https://www.youtube.com/watch?v=GYY5uESVZcU

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