クラウドという言葉はよく耳にするけれど、実際にどういう仕組みなのか分からない。
そんな方に向けて、本記事ではオンプレミスとの違いからクラウドの特徴、代表的なサービスまでを初心者向けにわかりやすく解説します。
この記事を通して「クラウドってそういうことだったのか!」と理解していただければ嬉しいです。
1. 前提条件
クラウドを理解するために、まずはオンプレミスについて振り返っておきましょう。
企業が自社の建物やデータセンターにサーバーやネットワーク機器を設置し、自分たちで運用する形態のことです。
イメージとしては、会社の中に「サーバールーム」と呼ばれる専用の部屋があり、そこにサーバーがずらりと並んでいる姿を想像すると分かりやすいでしょう。
2. クラウドとは何か
クラウドとは、インターネットを通じて必要なときに必要な分だけ利用できるコンピュータサービスのことです。
たとえば、以前はスマホの本体に写真や動画を保存するのが一般的でした。しかし、容量がいっぱいになると整理が大変ですし、新しいスマホに買い替えたときにデータ移行も面倒でした。
今では iCloud や Google Drive といったクラウドサービスに写真や動画を保存する人が増えています。クラウドに保存すれば、スマホの容量を気にせずに済みますし、どのデバイスからでも同じデータにアクセスできます。
これと同じ考え方で、企業も「自分でサーバーや機材を持たずに、クラウドにあるコンピュータ資源を借りて使う」ことが当たり前になっています。まさにITの世界のオンライン保存やサブスクがクラウドなのです。
3. クラウドの特徴
クラウドには、従来のオンプレミス環境で課題となっていた点を解決できる特徴があります。
- 俊敏性
オンプレミスでは新しいサーバーを導入するのに数週間〜数か月かかりましたが、クラウドなら数分で利用開始できます。 - 必要な分だけ利用できる
オンプレミスは「多めに用意して余る」または「不足して足りない」という問題がありました。クラウドでは、必要な分だけリソースを確保し、不要になれば減らすことも可能です。 - 運用負荷が小さい
オンプレミスでは、サーバーの監視・保守・障害対応・セキュリティ対策などを自社で行う必要がありました。クラウドでは、これらの多くをクラウド事業者が担うため、利用者はシステムの活用に集中できます。
4. 有名なクラウドサービス
クラウドサービスには、私たち個人が普段から使っているものから、企業がビジネスで利用する大規模なものまで、さまざまな種類があります。
個人向けクラウドサービス
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iCloud
iPhoneやMacを使っている人に馴染み深いサービスです。写真・動画・連絡先などを自動でクラウドに保存でき、どの端末からでも同じデータを利用できます。 -
Google Drive
ドキュメントやスプレッドシート、写真や動画をオンラインに保存できるサービスです。スマホやパソコンから同じデータにアクセスできるので、共同作業にも便利です。 -
Dropbox
ファイル共有に特化したサービスです。URLを共有するだけで、大容量のファイルでも簡単に相手に渡せます。
企業向けクラウドサービス
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AWS(Amazon Web Services)
世界で最も利用されているクラウドサービスです。サーバー、データベース、AI、セキュリティなど幅広い機能を提供しており、多くの企業が利用しています。 -
Microsoft Azure
Microsoft製品との相性が高いクラウドサービスです。Office 365やWindows Serverとの連携に強みがあり、企業利用が盛んです。 -
Google Cloud Platform(GCP)
Googleの強みである検索やAI技術を活かしたクラウドサービスです。大規模データ解析や機械学習の分野で特に注目されています。
5. まとめ
クラウドは「必要なときに必要な分だけ使える」新しいITの形です。
従来のオンプレミスと比べて、俊敏に利用を始められ、無駄なくリソースを使え、運用の負担も大きく軽減できます。
今では日常生活から企業システムまで、クラウドは欠かせない存在となっています。