移管する理由
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コスト
2000年初頭に"お名前.com"で汎用JPドメインを取得し、毎年の更新費用が約7,000円。
2020年5月現在、"お名前.com"で新規に汎用JPドメインの取得・更新費用は値下げされていて約2,800円。
"お名前.com"に新価格が適用されないか問い合わせたが、登録時の料金が継続されるとの意味不明な回答が返ってきたので移管を検討しはじめる。
なお、一旦移管して再度"お名前.com"に移管すれば新価格が適用されるようだ。 -
セキュリティ
"お名前.com"のログインは二要素認証に未対応である。
"お名前.com"のログインID(会員ID)は連番で採番された整数である(らしい)。
"お名前.com"はパスワードを平文で保存している(らしい)。
令和の時代にこんなセキュリティなので、ある日"お名前.com"に不正ログインされてドメインを持っていかれたら大変だ。
脱"お名前.com"に向けて移管検討を開始。
移管先に求めるもの
- 汎用JPドメインの更新費用が4,000円以下
- 二要素認証に対応
- ドメイン自動更新に対応
- DNSサーバを無料で提供
- DMが少なそうな業者
いくつかの業者に問い合わせなどし、サポート体制含め評価した結果、"さくらインターネット"に移管を決定。
移管費用や期限等
移管先からみると、「転入」となるが、その費用について確認する。
汎用JPドメインの移管(転入)費用は3,982円。
しかし、指定業者変更という手続きで実施すれば無料で移管ができる。
汎用JPドメインは、ドメイン単位で指定事業者を移す「移転」手続きと、登録者番号単位で指定事業者を移す「指定事業者変更」手続きの2種類があります。
「指定事業者変更」で移管(転入)する場合は、登録者番号に登録されている全てのドメインが対象になる。
今回、"お名前.com"に登録している指定事業者変更の対象ドメインは1ドメインとなるので、他への影響もないので無料で移管できる指定事業者変更で処理することにする。
なお、指定事業者変更の受付期限は有効期限の当月10日までです。
移管前の準備(ネームサーバー)
ドメインを移管すると、ネームサーバ情報もそのまま引き継がれる。ここで一つ問題が。
"お名前.com"のネームサーバを利用したままドメインを移管した場合、ドメインに紐付いている各DNSレコードが参照できなくなり、ドメインに係る運用に問題が生じます。
そこで、一旦ネームサーバを外部に移す作業を挟むことにしましょう。外部ネームサーバはAWSの提供するRoute 53を利用、一ヶ月で100円くらいかな?
SOA, NS以外のレコードをそのままRoute 53へ複製します。ここは確実にテストして、複製漏れがないよう注意しましょう。
複製したら、"お名前.com"の管理画面から、ネームサーバーをRoute 53のものへ変更します。
変更後、ドメイン運用に問題がないことを概ね72時間経過するまで継続的に確認しましょう。
移管前の準備(WHOIS)
ドメインを移管するには、WHOIS情報公開代行の解除を行う必要があります。
念の為、"お名前.com"の管理画面からドメインの登録情報が正しいかを確認し、間違っているものがある場合は正しい情報を登録する。
移管前最後の手順は、WHOIS情報公開代行の解除を行います。
また、不要な更新が行われないよう念の為にドメインの自動更新は外しておきました。
※WHOIS情報公開代行を外すことで、氏名・住所・電話番号等が公開されるので、注意してください。
指定事業者変更申請
"さくらインターネット"の管理画面で問い合わせフォームから行う。
以下3つのみ記入して申請すればいい。
サービス名称:ドメイン取得
お問い合わせの種類:JP系ドメイン指定事業者変更(転入)依頼
申請ドメイン名:移管するドメイン名
トランスファー申請の承認
申請後、まずは"さくらインターネット"から指定事業者変更申請を行いましたとのメール連絡がきます。
これに対しては特にすることはありません。営業日に処理されると思うので、少し待ちましょう。
そして"お名前.com"から次のメールがきます。
メールに記載の通り、承認手続きを行います。
承認して数時間後、"さくらインターネット"から指定事業者変更が完了した旨のメールが届きます。
トランスファー直後から、WHOIS情報公開代行が再び行われました。
移管後の処理
"さくらインターネット"の管理画面からDNSレコードが登録できます。
ここで、再びSOA、NS以外のレコードをすべて複製します。またまた確実にテストして、複製漏れがないよう注意しましょう。
複製したら、"さくらインターネット"の管理画面から、ネームサーバーを"さくらインターネット"のものへ変更します。
変更後、ドメイン運用に問題がないことを概ね72時間経過するまで継続的に確認しましょう。
私は念の為1週間くらい継続的に確認します。
その後、AWSのRoute 53のHosted Zoneを削除して移管後の処理も完了です。
最後に
ドメイン関連の操作は一つ間違えるとドメイン運用に大きな問題を生じさせます。
十分に検証した上で実施するよう注意してください。