JavaFXのMediaPlayerでイコライザ #JavaFX

JavaFXを使ってミュージックプレイヤーを作った際にイコライザを試したのでメモ

開発環境

Java (1.8.0_40)
JavaFX

音楽ファイルの読み込み

まずは音楽ファイルを読み込む。
サポートされているのはWAV, MP3, MP4。

File file = new File("FilePath");
Media media = new Media(file.toURI().toString());
MediaPlayer mediaPlayer = new MediaPlayer(media);

イコライザの設定

JavaFXのMediaPlayerではデフォルトでイコライザが実装されている。
MediaPlayer#getAudioEqualizerでMediaPlayerに関連付けられているAudioEqualizerを取得できる。
AudioEqualizer#getBandsで設定されているイコライザのリストを取得できる。

AudioEqualizer aq = mediaPlayer.getAudioEqualizer();
ObservableList<EqualizerBand> bands = aq.getBands();

このObervableListにはデフォルトで10のバンドセットが用意されている。
公式のAPIドキュメントより以下がデフォルトの設定。
それぞれのバンドセットに対するゲインはデフォルトで0dB。

バンド・インデックス	中心周波数(Hz)	帯域幅(Hz)
0	32	19
1	64	39
2	125	78
3	250	156
4	500	312
5	1000	625
6	2000	1250
7	4000	2500
8	8000	5000
9	16000	10000

例えば500Hz帯のゲインを10dBに設定したい場合は

bands.get(4).setGain(10);

このバンドセットはデフォルトなので、これに従う必要はない。
独自のバンドセットを定義することも可能。
例えば、3kHzを中心に1kHzの帯域幅で10dBのゲインを持つバンドセットのみを設定する場合

bands.removeAll(bands);
bands.add(new EqualizerBand(3000, 1000, 10));

一度ObservableListの中身を削除した後、新しいEqualizerBandを追加することで可能。

GUIとの連携

変更した値はリアルタイムに適応されるので、
FXMLでスライダーを設置して曲を再生しながらスライダーによる変更などもできる。

main.fxml

<Slider fx:id="slider32" max="12.0" min="-24.0" orientation="VERTICAL" />

設定できるゲインの値が-24dBから12dBまでなので、上記のようにスライダーを設置して

Main.java

@FXML
private Slider slider32;

@Override
public void initialize(URL location, ResourceBundle resources) {
  slider32.addEventFilter(MouseEvent.ANY, new EventHandler<MouseEvent>() {
    @Override
    public void handle(MouseEvent event) {
      if (event.getEventType() == MouseEvent.MOUSE_RELEASED || event.getEventType() == MouseEvent.MOUSE_DRAGGED) {
        AudioEqualizer aq = mediaPlayer.getAudioEqualizer();
        ObservableList<EqualizerBand> bands = aq.getBands();
        bands.get(0).setGain(slider32.getValue());
      }
    }
  });
}

スライダーでマウスイベントが発生したらスライダーの値をゲインに設定することで、
音楽プレイヤーのようにイコライザーの設定ができるようになる。