はじめに
はじめまして。株式会社ジールの@Seiken-Saiです。
弊社はBI専業として、様々なBI製品の導入支援を行っております。
我々が業務を通じて得た様々なtipsを、Qiitaを通じて発信していけたらと思います。
今回は、BIの中でも私が特に携わることが多いMicroStrategy(以下MSTR)に関する記事を発信致します。
本記事において最低限押さえておくべきMSTRの特徴
MSTRの簡単な説明は下記のリンクをご参照下さい:
https://qiita.com/ntakahashi425/items/7405f8ba7d45d931c96d
プロジェクトデザインを行う上で最低限押さえておくべきMSTRの特徴は下記です。
1. BIレポートを作成する為のオブジェクト(部品)がレポートから独立している
MSTRでは、レポートから独立してオブジェクト(データソース、分析軸・数値項目やフィルタ等)を定義します。
オブジェクトは異なるレポートで共用することができます。
この特徴は、レポート毎にオブジェクトを定義する他のBI製品と大きく異なる点です。
2. オブジェクトが階層化されている
MSTRでは、各オブジェクトが階層化されています。
各オブジェクトの階層構造は下図の通りです。
本記事の対象は、赤枠の「スキーマオブジェクト」になります。
MSTRにおけるプロジェクトデザイン
MSTRでは、前述2で記載している「スキーマオブジェクト」から設計・作成を行う必要があります。
スキーマオブジェクトの設計・作成で必要となる工程が「プロジェクトデザイン」です。
プロジェクトデザインは下記のステップで実施します。
1. 論理データモデルのデザイン
プロジェクトデザインのファーストステップは、論理データモデルのデザインです。
論理データモデルのデザインは、以下の手順で実施します。
① ユーザーがレポートへの表示を望んでいる情報を確認・整理する
② ①の結果を元に、ソースとなるデータを洗い出した上で①の情報と適切に関連付ける。
本手順で大事なポイントは、インプットとアウトプットを明確にすることです。
2. DWHスキーマのデザイン
論理データモデルの設計後、DWHスキーマのデザインを行います。
DWHスキーマのデザインでは、格納するデータの特徴と、レポート要件、パフォーマンス要件、保守要件等を総合的に考慮した上で最適なスキーマ構造を決定します。
代表的なスキーマ構造とその特徴は下表のとおりです。
スキーマ構造が決まったら、その構造に則りテーブルを作成します。
3. MicroStrategy Architectでのプロジェクトの作成
DWHスキーマのデザイン・作成が完了後、MSTRのプロジェクト作成を行います。
プロジェクトは、MSTRにおけるオブジェクトをまとめる箱のようなものです。
※異なるプロジェクト間で、オブジェクトは共有することは出来ません。
プロジェクトの作成は、以下の手順で実施します。
①プロジェクトのメタデータを構成する(初期構築時に、チュートリアルに従い実施)
②DWHに対する接続を構成する(初期構築時に、チュートリアルに従い実施)
③これから作成するレポートや、それらを構成するスキーマオブジェクトを開発・管理していくためのプロジェクトを作成する
4. スキーマオブジェクトの作成
作成したプロジェクトの配下に、論理データモデルに基づいて必要なスキーマオブジェクトを作成し、これらをDWHの適切なテーブル・カラムにマッピングします。
まとめ
今回は、MSTRの特徴と、プロジェクトデザインの概要について説明しました。
今後もMSTRに関する様々なナレッジを記事に上げていこうと思います。