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問題
積分因子を用いて,以下の微分方程式の一般解を求めよ.
\begin{align}\tag{1}
y^\prime +\frac{2y}{x} = 4x.
\end{align}
ポイント
- $\dfrac{\mathrm{d}y}{\mathrm{d}x}+P(x)y=Q(x)$ の形式の微分方程式は,一階線形微分方程式と呼ばれます.
- 積分因子とは, $e^{\int P(x)\mathrm{d}x}$ のことです.一階線形微分方程式は,積分因子をかけることで,左辺が積の微分の形になります.
- 一階線形微分方程式については,ヨビノリさんの動画もご参照ください.
解説
まずは積分因子を具体的に求めていきましょう.
$P(x)=\dfrac{2}{x},~Q(x) = 4x$ ですから,
\begin{align}\tag{2}
e^{\int P(x)\mathrm{d}x}
&=e^{\int \frac{2}{x}\mathrm{d}x}\\
&=e^{2\log |~x~|}\\
&=e^{\log |~x~|^2}\\
&=e^{\log x^2}\\
&=x^2,
\end{align}
と求まります(ここの積分においては,$P(x)$ の原始関数を1つ求めるだけでいいので,任意定数は不要です.参考).
これを与えられた微分方程式(1)の両辺にかけていきましょう.
\begin{align}\tag{3}
y^\prime\times x^2 +\frac{2y}{x}\times x^2 &= 4x\times x^2\\
\therefore y^\prime\times x^2 +y\times 2x &= 4x^3.\\
\end{align}
さて,左辺は積の微分の形になっているはずです.
積の微分公式 $\left(f(x)g(x)\right)^\prime = f(x)^{\prime}g(x)+f(x)g(x)^{\prime}$ と,にらめっこしてみましょう.
$f(x)=y,~g(x)=x^2$ としてみれば,$\left(f(x)g(x)\right)^\prime$は,
\begin{align}\tag{4}
(y\times x^2)^\prime = y^\prime\times x^2 + y\times 2x,
\end{align}
と表すことが出来ます.紛れもなく式(3)の左辺と一緒です.
したがって,式(4)の結果を式(3)に代入すれば,
\begin{align}\tag{5}
(y\times x^2)^\prime = 4x^3,
\end{align}
との関係式を得ます.後は両辺を $x$ で積分して完了です.
\begin{align}\tag{6}
\int (y\times x^2)^\prime \mathrm{d}x&= \int 4x^3\mathrm{d}x,\\
y\times x^2&= \int 4x^3\mathrm{d}x,\\
y\times x^2&= x^4 +C~~~(C:任意定数),\\
\therefore y&= x^2 +\frac{C}{x^2}~~~(C:任意定数),\\
\end{align}
【参考】 Wolframalpha
非常に便利なので皆さん積極的に使っていきましょう.