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Fastly オリジンサーバの冗長化

Last updated at Posted at 2017-02-07

Fastly ではオリジンサーバの可用性を高めるために冗長化設定を行うことができます。
冗長化には2種類の方法が考えられます。Active - Active(ロードバランス) の設定と Active - Standby(フェイルオーバー) の設定です。ここではこの両者の設定について説明します。

ロードバランス

ロードバランスの設定は単純で、複数のオリジンサーバを作成し、Auto load balance を有効にし、それぞれに配信の割合を設定します。その具体的な設定方法を見ていきます。

オリジンの作成は CONFIGURE - ORIGINS - + CREATE HOST ボタンから行います。Description や Address 設定の下に Auto load balance の設定があるため、ここを Yes とします。この設定を変更すると Weight の項目が表示されるので、この項目をここでは 100 と設定します。
Weight は各オリジンへリクエストする割合を決める値です。2つのオリジンがあった場合に、両方とも 100 に設定すると、両者に均等にリクエストされ、100 と 50 に設定した場合には 2:1 でリクエストが送信されます。
この場合、注意が必要なのは、両方のオリジンが必ず同じ機能を持っており、同じ返答を返すことです。片方にはコンテンツが存在し、片方にはないという状態だとロードバランスとしての機能を満たさないため、予期した結果を得ることができません。

Screen Shot 0029-02-03 at 17.42.52.png

同様にオリジンを作成すれば、定義された割合でオリジンのロードバランスを実現することができます。

フェイルオーバー

設定の内容としては、プライマリとセカンダリのオリジンサーバを用意し、デフォルトをプライマリのオリジンに設定し、プライマリのヘルスチェックが NG の場合のみセカンダリのオリジンサーバを利用するという設定を行います。よって、設定の流れとしては、

  1. ヘルスチェックの設定
  2. オリジンの作成
  3. デフォルトをプライマリに設定
  4. ヘルスチェックが NG の場合にセカンダリを利用するように設定
    となります。

ヘルスチェックの設定

オリジンの死活監視を行うためのヘルスチェック設定を行います。
CONFIGURE - ORIGINS - CREATE YOUR FIRST HEALTH CHECK から設定を行います。Screen Shot 0029-02-06 at 13.00.31.png

Create a health check に必要となる項目を入力します。

  • Description
    識別可能な名称を入力します。
  • Reqeust
    ヘルスチェックに使用するリクエスト種別およびパスを設定します。リクエスト種別は GET/HEAD/POST から選択できます。死活監視であれば、HEAD によるチェック(応答がヘッダのみ)を選択するケースが多いです。
  • Host header
    ヘルスチェックに利用するホストヘッダを設定します。通常オリジンに接続する際に利用するホスト名と同じになります。
  • Expected response
    オリジンから期待される応答を選択します。通常は正常の応答を期待するので、200 OK を選択します。
  • Check frequency
    ヘルスチェックの頻度を選択しますが、ここでは Low を選択します。
    Screen Shot 0029-02-06 at 13.05.11.png
    入力が完了したら、CREATE ボタンでヘルスチェックを作成します。

オリジンの作成

オリジンの作成はロードバランス時に作成した場合と同じです。プライマリ、セカンダリの2つを設定してください。ただし、プライマリでは Health check の項目で作成したヘルスチェックを適用するのと、プライマリ、セカンダリの両設定で Auto load balanceNo と設定してください。

デフォルトをプライマリに設定

利用されるオリジンは req.backend という変数で設定されます。よって、ここでは req.backend にプライマリオリジンを設定します。
CONTENT - Headers - CREATE YOUR FIRST HEADER より設定画面を開きます。

  • Description
    識別可能な名称を入力します。
  • Type / Action
    Request / Set を選択します。
  • Destination
    設定する変数の名前を選択します。ここではリクエストの backend に設定するため、backend と入力します。
  • Source
    ここには Fastly VCL で管理されているオリジンの名前を入力します。通常、F_<オリジンの名前> となりますが、入力情報により異なるので、実際には Fastly VCL で定義されているオリジンの名前を確認する必要があります。
    確認するには OPTIONS - Show VCL より VCL を開いてみましょう。すると、上部に下記のようなコードが見つかります。この F_primary がオリジンの名前となります。
backend F_primary {
    .first_byte_timeout = 15s;
    .connect_timeout = 1s;
    .max_connections = 200;
    .between_bytes_timeout = 10s;
    .share_key = "xxxxxxxxxxxxx";
    .port = "80";
    .host = "1.1.1.1";
  • Ignore if set
    No のままとします。
  • Priority
    10 のままとします。

Screen Shot 0029-02-06 at 14.03.12.png

CREATE で設定を追加します。

ヘルスチェックが NG の場合にセカンダリを利用するように設定

同様にセカンダリのための設定を行います。ここでポイントは Priority の値を 11 としている点です。VCL においてこの Priority は実行の順序を表します。この値を先に設定した 10 よ大きな値にすることによって、本処理をプライマリより後に実施することができます。
Screen Shot 0029-02-06 at 14.19.49.png

この設定だけでは、セカンダリに backend が上書きされるため、常時セカンダリがオリジンとして選択されてしまいます。よって、この設定が行われるのはヘルスチェックに失敗した場合のみという条件を適用します。
先ほどの設定の右に Attach condition のリンクがあるのでクリックし、設定を開きます。
Screen Shot 0029-02-06 at 14.29.27.png

  • Type
    Request を選択します
  • Name
    識別可能な名称を入力します。
  • Apply if...
    !req.backend.healthy と設定します。
    backend が正常でない場合という設定を入力します。
  • Priority
    11 に設定します。
    Screen Shot 0029-03-08 at 16.07.58.png

以上で、プライマリオリジンが正常動作していない場合にセカンダリオリジンを利用するための設定が完了です。

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