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量子計算シミュレータ、つくってみた

Last updated at Posted at 2019-04-09

勉強がてら、量子計算シミュレータをつくってみたよ。
[qlazy - Quantum Computer Simulator]
(https://github.com/samn33/qlazy)

Interface2019年3月号にC言語での実装例が出ていたので、参考にさせていただきました。まず、Linuxコマンドとして実装して、その後、ctypesでPythonからも呼び出せるようにしました。

使い方は至ってシンプル。

foo.qc
init 2
h 0
cx 0 1
m

というファイルを用意しておいて、

$ qlazy -qc foo.qc

とやると、

frq[00] = 45
frq[11] = 55
last state => 00

という結果が得られます。何をやっているかというと…

  • 1行目:量子ビットを2つ用意し、|00>に初期化
  • 2行目:0番目の量子ビットにアダマールゲートを適用
  • 3行目:0番目と1番目に制御NOTを適用
  • 4行目:全量子ビットを観測(デフォルトでは100回測定してその頻度を出して、100回目の測定結果をlast stateとして表示します。上の例では|00>だったのが45回、|11>だったのが55回で、100回目の結果は|00>でした、という意味)
    …です。

また、行の途中で、

show

とやると、そのときの量子状態を出力することもできます。例えば、上のfoo.qcの制御NOTゲートの後にshowを入れると、

c[00] = +0.7071+0.0000*i : 0.5000 |+++++
c[01] = +0.0000+0.0000*i : 0.0000 |
c[10] = +0.0000+0.0000*i : 0.0000 |
c[11] = +0.7071+0.0000*i : 0.5000 |+++++

という感じで、各状態の確率振幅とその絶対値の2乗(と棒グラフ)を表示してくれます。というわけで、この例の場合、「量子もつれ」の様子がわかります。実際の量子コンピュータでは、こんな芸当はできないですが、シミュレータならではの機能ですね。

あと、ファイル読み込みではなく、対話モードでも実行できます。

$ qlazy
>> init 2
>> h 0
>> cx 0 1
>> show
c[00] = +0.7071+0.0000*i : 0.5000 |+++++
c[01] = +0.0000+0.0000*i : 0.0000 |
c[10] = +0.0000+0.0000*i : 0.0000 |
c[11] = +0.7071+0.0000*i : 0.5000 |+++++
>> m
frq[00] = 45
frq[11] = 55
last state => 00
>> quit
$ 

Pythonから使う場合は、以下のように書けば、同じようなことができます。

from qlazypy.basic import QState

qs = QState(2)
qs.h(0)
qs.cx(0,1)
qs.show()
md = qs.m()
md.show()

del qs

とりあえず、基本的なゲートは実装できた気になっています。以下に置いたので、ご興味あれば触ってみてください。諸々不具合あるかもしれませんが、フィードバックいただけると、とてもうれしいです。

[qlazy - Quantum Computer Simulator]
(https://github.com/samn33/qlazy)

補足(2021.9.5)

最新版の仕様はqlazyドキュメントをご覧ください。

以上

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