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クラウドコンピューティングの由来

Last updated at Posted at 2021-07-09

皆さん、こんにちは。Sakunaです。今日はクラウドの理解の基礎となる、Time Sharing System(TSS)、Vitural Machine(VM)、Hypervisorについてご紹介致します。
これら3つの概念を理解することは、仮想化技術の進歩の歴史を理解することとなります。

(1) メインフレームの効率アップ
約1950年前後では、企業、官庁に設置されたメインフレーム(大型コンピュータ)は、それぞれの用途が決まっており、多数の利用者で共有する方法が一般でした。このようにメインフレームを共有とする場合、コンピューターの効率が非常に悪く、利用者はプログラムやデータを用意してもすぐには実行できず、自分の番が回ってくるまで他の利用者の処理が終わるのを待たなければなりませんでした。
そのような中、***TSS(Time Sharing System)***方式が生まれました。TSS方式のコンピューターでは、CPUの実行時間を極めて短い単位に分割し、実行中のプログラムに順繰りに割り当てます。各プログラムはCPUを占有できないため、処理性能は落ちるものの、利用者が使いたいときにすぐにプログラムを実行することができるようになりました。その後、メインフレームにアクセスしやすくするため、ダムターミナルといった機能が実現されました。

(2) Virtual Machineの誕生
1970年代には、Virtual Machineと呼ばれるOSが登場しました。以前、1つのメインフレームに1つのOSしか実装できず、メインフレーム維持費用や場所の確保などインフラの面を考えると非常に高コストでした。一方、VMの場合はメインフレームに複数のユーザーを配置することが可能になり、それぞれのVMにはゲストOSが搭載され、共有資源であるメモリ、CPU、ハードドライブをあたかも自分が持っているかのように振舞います。これにはコストを大幅に節約できるメリットがありました。
仮想化はテクノロジーの推進力となり、通信やコンピューティングの分野で最大の進化をもたらす大きなきっかけとなりました。

(3) Hypervisorの誕生
20年前まではハードウェアは非常に高価でした。インターネットが普及したことで、ハードウェアのコストを下げる必要が出てきました。
サーバは共有ホスティング環境、仮想プライベートサーバ、仮想専用サーバに仮想化され、同じ種類のサーバを使用していました。例えば、自社のアプリケーションを実行するために7台の物理システムが必要な場合、1台の物理ノードを7つに分割して使用することができます。これを可能にしたのがHypervisorです。
Hypervisorでは物理的なコンピューティングリソースを共有しながら、複数のオペレーティングシステムを共存させることができます。
また、VMを論理的に分離し、それぞれのコンピューティングパワー、メモリ、ストレージを割り当て、VM同士が干渉しないようにすることができます。そのため、あるOSが突然、クラッシュしても、セキュリティ上の問題が発生しても、他のOSは影響を受けず継続して動くことができます。

(4) Cloud時代の始まり
様々な技術と共に、Hypervisorが進歩し、ITリソースが豊富で、自分のようなITリソースを持っていない企業に向けて、確実にこういったサービスを提供できる企業が出現します(他社に確実に提供できる企業の中には、クラウドのメリットを、物理的なサーバーを大量に所有していないユーザーにも享受してもらおうと考え始める企業も続々と出てきました)。
ユーザー企業は、より多くの利用可能なリソースの中から、必要な分だけを注文し、その料金は使用した分に対して支払うことができるようになりました。 この従量制のユーティリティー・コンピューティング・モデルは、クラウド・コンピューティング普及の原動力となりました。

(5) Pay for Use Model
使った分だけ支払う制度では、企業はキャッシュフローに優しいOperating Expenseモデルに切り替えることができました。 このモデルは、ハードウェアをほとんど持っていない企業から、十分に持っている企業まで、あらゆる規模の企業に対して魅力的なものでした。ハードウェアに巨額の投資をする代わりに、必要なときに必要なだけコンピューティングリソースに対して支払うことができるからです。
また、使用量のピーク時にはワークロードを拡張し、使用量が減少したときにはワークロードを縮小することができます。
そして、これが現代のクラウドコンピューティングを生み出したのです。

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