Node Tools(ノードツール)は、Blender 4.0に追加された新しい機能です。この機能を使うと、メッシュやカーブをジオメトリーノードを使って変換できます。
つまり、今までPythonで書かれたアドオンを使わないとできないような処理が、ジオメトリーノードでできるようになります(ただし、ジオメトリーノードでできることしかできません)。
参考
本記事では、簡単にノードツールを紹介します。Blender 4.1とBlender 4.2で確認しています。
使い方
使い方は、ノードツールを作成して、メッシュに適用するだけです。
- ジオメトリーノードのタイプをツールにし、何らかのジオメトリーノードを作成する(ノードツール作成)。
- メッシュの編集モードで、メニューから作成したノードツールを選ぶ(ノードツール適用)。
ノードツールを適用すると、ジオメトリーノードの処理にしたがって、メッシュが変換されます。
試してみる
Blender 4.1またはBlender 4.2を起動してください。
ノードツール作成
まずは、ノードツールを作成してみましょう。
ノードツールは、ジオメトリノードエディター
で作成します。
今回は、下図のようにタイムライン
が表示されているエリアにジオメトリノードエディター
を表示させましょう。
![](https://qiita-user-contents.imgix.net/https%3A%2F%2Fqiita-image-store.s3.ap-northeast-1.amazonaws.com%2F0%2F13955%2F17c82308-c1f0-bd43-a089-356ccc457a95.gif?ixlib=rb-4.0.0&auto=format&gif-q=60&q=75&s=abefffba9fc010674396c2d937ed9b52)
ジオメトリノードエディター
を表示させたら、下図のように左上のジオメトリノードタイプ
をモディファイアー
からツール
にしてください。
続いて、ジオメトリノードエディター
上部の「新規」ボタンを押してください。グループ入力ノードとグループ出力ノードが表示されます。
ノート
ノードを見失ったときは、ビューメニューの全てを表示
を選びましょう。
今回はシンプルに、X軸方向に移動する機能を作成します。
最初はノードツールの名前がTool
になっています。後で、わかりやすいように、上部中央の名前をMove
にしてください(下図)。
![](https://qiita-user-contents.imgix.net/https%3A%2F%2Fqiita-image-store.s3.ap-northeast-1.amazonaws.com%2F0%2F13955%2Fa8d85953-3ec8-c278-233f-3b253b92a5bd.gif?ixlib=rb-4.0.0&auto=format&gif-q=60&q=75&s=38a60c3479ac18ab010bda91d32a17ef)
ノート
デフォルトでは、ノードツールはメッシュに対しオブジェクトモードで使えますが、ジオメトリノードエディター
上部右で変更できます。
- タイプ:
メッシュ
とヘアーカーブ
のそれぞれについて指定可 - モード:
オブジェクトモード
と編集モード
とスカルプトモード
のそれぞれについて指定可 - オプション:
クリック待機
を指定可(Blender 4.2のみ)
また、名前の付近で右クリックしてMark As Asset
を選ぶことでアセット化できます。アセット化すると、別ファイルからも使いやすくなります。
移動処理をするノードを追加しましょう。追加メニューのジオメトリ
の処理
のジオメトリトランスフォーム
を選んでください(下図)。
![](https://qiita-user-contents.imgix.net/https%3A%2F%2Fqiita-image-store.s3.ap-northeast-1.amazonaws.com%2F0%2F13955%2Fcde0cb90-1b5c-91f5-eb27-120ab06a4f85.gif?ixlib=rb-4.0.0&auto=format&gif-q=60&q=75&s=cb2ccccf04d5603310c6bd9d665cc6ec)
マウスを動かすとノードも動くので、グループ入力ノードとグループ出力ノードの間でクリックして位置を確定してください(下図)。
![](https://qiita-user-contents.imgix.net/https%3A%2F%2Fqiita-image-store.s3.ap-northeast-1.amazonaws.com%2F0%2F13955%2Fbfe000cc-6d22-989d-ed36-61298288c1ea.gif?ixlib=rb-4.0.0&auto=format&gif-q=60&q=75&s=8eac55ec4cfc3703b9e2a0d4df948099)
うまくできなかったら、Ctrl + Z
を何回か押して元に戻してからやり直してみましょう。
ノート
クリックした位置によっては、ノードが接続されないことがあります。その場合は、後から端子をドラッグして接続できます。また、既に接続済みの端子の終端からドラッグすると接続を切ることもできます。
ジオメトリトランスフォームノードの移動のXの値を1m
に変えてください。デフォルトの単位はメートル(m)なので、クリックして1を入力すれば、1m
になります。
これでノードツールの作成は終了です。
ノードツール適用
ここからは、画面上部の3Dビューポート
で作業します。ジオメトリノードエディター
は、小さくすると作業しやすいでしょう。
ノードツールを立方体(Cube)に適用してみましょう。立方体がなければ、追加メニューのメッシュ
の立方体
から作成してください。
立方体を選択してください。
下図のように、画面上部の「オブジェクト」の右のアイコンをクリックし、Move
を選んでください。
![](https://qiita-user-contents.imgix.net/https%3A%2F%2Fqiita-image-store.s3.ap-northeast-1.amazonaws.com%2F0%2F13955%2F7192ea96-2db7-8058-116e-62c8163f2bcf.png?ixlib=rb-4.0.0&auto=format&gif-q=60&q=75&s=37a9ad2561570e679486334832efeb52)
ポイントがX軸方向に1m移動します。
この処理は、モディファイアーとは違い実際に変換が行われることに注意してください。
パラメータ入力
ノードツール適用時に、移動距離を指定できるようにしましょう。
ジオメトリノードエディター
で、追加メニューのユーティリティ
のベクトル
のXYZ合成
を選んでノードを追加してください。
次に、作成したXYZ合成ノードのベクトル端子をドラッグして、ジオメトリトランスフォームノードの移動の端子に接続してください。
続いて、XYZ合成ノードのXから、グループ入力ノードの右下の◯
に接続してください。下図のようになります。
![](https://qiita-user-contents.imgix.net/https%3A%2F%2Fqiita-image-store.s3.ap-northeast-1.amazonaws.com%2F0%2F13955%2F6f1f3d9f-ad26-65ab-24f6-bd01d0bb079a.gif?ixlib=rb-4.0.0&auto=format&gif-q=60&q=75&s=36e0846897dec733adf871c4af9a47b0)
このようにすると、Xをパラメータとして入力できるようになります。
3Dビューポート
でもう一度、Move
を適用してみましょう。今度は、左下に「Move」というオペレーターパネルが表示されます。このパネルをクリックすると、下図のように開きますので、Xの値を変えることで移動距離を調整できます。
ノート
オペレーターパネルが消えたときは、F9を押すことで再表示できます。ただし、別の処理をしてしまうと再表示はできません。
Tips
ジオメトリノードエディター
で、追加したいジオメトリーノードをメニューから探すのは大変です。このようなときは、下記の記事のように、検索して入力するとメニューの位置を覚えなくてすみます。
以上