二刀流と三拍子の違い
大谷さんがエンゼルスに入団しました。彼はアメリカでも二刀流を目指していくということで彼のブレない目標はエンジニアである私も見習いたいです。
彼の二刀流の特徴はピッチャーとバッターです。つまり、投げることと打つことの両方が一流であること。ただ、野球には他にに守ると走るが存在します。
打って、守れて、走れる選手は三刀流ではなく、走攻守三拍子揃った選手と呼ばれます。
三刀流ではなく、三拍子です。これはとても大事なことだと思います。
(三拍子とは能楽で、大鼓、太鼓、小鼓の拍子がぴったりと取れたことを意味し、必要な3つの要素が揃っていることの例え。)
真の二刀流とは
二刀流とはどちらかが完全にできなくなったとしても、同じようにお金をもらえることとていぎできるのではないでしょうか。
そう書くと、守備固め要員は守備しかできないけどお金もらえているから、それも刀の一つじゃないか?と感じるかもしれませんが、あれも守備とは他に「人徳」とか「監督とのコネ」とかそういう三拍子が揃ってお金をもらえていると考えられます。拍子と刀の違いの理解はとても大事なのです。
そろそろ、本題に入ります。
エンジニアにとっての二刀流を探す
それでは思いつく組み合わせでそれが二刀流か否かをコメントしていきたいと思います。
プログラミング言語を2つ?
これは今時当たり前です。1つしか言語を書けないような人はあまり見たことがありません。
課長とエンジニア?
これはいわゆるプレイングマネージャーというものですね。どっちもおろそかになるパターンで大谷さんを一番見習ってほしいエセ二刀流の筆頭です。
プログラマーとPM?
PMだけど当該プロジェクトが長くて、メンバーのコーディングにちょっかいかける人よくいますよね。意味のある指摘ならいいんですけど、表面的なものに終わることがほとんどです。PMはPMだけに集中することがプロジェクトにとってもっとも効果的です。
工程を2つ以上できる?
2000年以前はパンチャーとかテスターとか専門職があったようですが、工程を2個ぐらい完璧にできても、ブラック企業での使いっ走りになる可能性が高いです。
アプリとインフラ?
今のクラウド時代において、こんな線引きしている人すでにいないですよね。オンプレまんせーの時代にはこれが一つのブルーオーシャンであったことは否めませんが、それでも二刀流とは言えないですね。現在ではフルスタックエンジニアと呼ばれる新概念が登場しており、この分けもすでに過去のものになりました。
リーダーとプログラマー?
リーダーというもっとも曖昧な役職とプログラマーの兼務ですが、これはスクラムが登場している現代においては少し厄介です。チームの自己組織化を妨げ、上意下達の文化を蔓延らせます。リーダーというものがプロジェクトにおいて価値のないものになってきているのが現代ではないでしょうか。
お客様を2つ?
これは二刀流色が濃いですね。但し、SEあるあるですが0.5人月ずつもらっている場合は二刀流とは言えません。両方から1.0人月ずつもらって初めて二刀流です。さらにいうと、0.5人月ずつもらう人は実際のところはその8割ぐらいしか生産性を出せませんから、本人は忙しそうですが実際には煙たがられることが多いでしょう。
会社を2つ?
最近流行りの副業や兼業ですね。エンジニアにとって2つの会社に雇われるメリットはデメリットを上回ることがないのでやめておきましょう。エンジニアは主となるパソコンが2台以上になると生産性があっという間に下がります。
バイトと掛け持ち?
これは二刀流といっても差し支えないのですが、本業のエンジニアで稼げるようになりましょう。
エンジニアとコンサル?
一般的にコンサルにエンジニアはいませんので、この二刀流は日本では数名のトップエンジニアを除き成り立ちません。
ウォーターフォールとアジャイル?
これはPMなのか、なんんなのかすでにわからなくなっていますが、実を言うとこれは水と油のような関係です。これは二刀流の匂いが少ししています。
営業とエンジニア?
良いエンジニアはコミュニケーションが得意です。つまり、営業も自然とできます。営業というのは専門職以外にそれでお金を稼ぐことはできませんので、両方できても二刀流とは言えません。もちろん、自分で仕事を取ってくるエンジニアは自然と高給になりますが、二刀流かというとそうではないです。
人事とエンジニア?
これは完全に会社に騙されています。どっちかに寄せてもらいましょう。
趣味と仕事?##
ご自由にしてください。但し、趣味が仕事に良い影響を与えるのは自明ですのでどんどん頑張りましょう。しかし、どんだけ頑張っても二刀流と評価されることはありません。単に多趣味なだけです。
SOEとSOR?
ただのバズワードですね。ごめんなさい。
モード1とモード2(バイモーダル)
バイモーダルとはガートナー社が提唱し、今年IT業界でも流行語を狙える位置にある考えです。
そして、これは個人の二刀流というよりも組織を二刀流にする力があると私は考えます。
まとめ
普通に暮らしているエンジニアが二刀流というユニークスキルを身に付けることはできないと思います。誰もがキリトになることはできません。バイモーダルをチームとして推し進め、二刀流組織を作っていくこと、そして一本だけの宝刀をもつエンジニアがわんさか活躍している組織。それが普通のエンジニアに取って理想ではないかと思います。
大谷さん、エンゼルスで二刀流頑張れー。
彼の高校生時代の目標曼荼羅は有名な話ですが、天才二刀流の思考を理解するのに以下の書籍はマストなので、彼が好きなエンジニアは是非読んでみてください。
大谷翔平 二刀流
不可能を可能にする 大谷翔平120の思考
別冊カドカワ【総力特集】大谷翔平 (カドカワムック)