ネットワークアドレスとブロードキャストアドレスは、IPアドレス範囲を管理するうえで重要な特別なアドレスです。それぞれの役割を以下に説明します。
1. ネットワークアドレスとは?
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概要:
ネットワーク内の特定のサブネットを表すアドレスで、ホスト部分がすべて0
の状態です。
このアドレスはネットワーク自体を指す識別子として使われます。 -
用途:
ネットワークを識別するためのアドレスで、データ送信には使用されません。 -
例:
CIDRブロックが192.168.1.0/24
の場合、ネットワークアドレスは192.168.1.0
です。
2. ブロードキャストアドレスとは?
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概要:
同じネットワーク内のすべてのホストにデータを送信するための特別なアドレスで、ホスト部分がすべて1
の状態です。 -
用途:
ネットワーク内の全ホストへ一斉にデータを送信する(ブロードキャスト)ために使用されます。 -
例:
CIDRブロックが192.168.1.0/24
の場合、ブロードキャストアドレスは192.168.1.255
です。
3. ネットワークアドレスとブロードキャストアドレスの例
以下は CIDR ブロックが 192.168.1.0/24
の場合を考えた例です:
用途 | アドレス範囲 | ホスト部分 |
---|---|---|
ネットワークアドレス | 192.168.1.0 |
すべて 0
|
使用可能なホスト |
192.168.1.1 ~ 192.168.1.254
|
ホスト部分が自由 |
ブロードキャストアドレス | 192.168.1.255 |
すべて 1
|
4. ネットワークアドレスとブロードキャストアドレスを計算する方法
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ネットワークアドレス:
- IPアドレスを2進数に変換。
- サブネットマスクのビット数分だけネットワーク部分を固定し、ホスト部分をすべて
0
にする。
-
ブロードキャストアドレス:
- ネットワークアドレスを基準に、ホスト部分をすべて
1
にする。
- ネットワークアドレスを基準に、ホスト部分をすべて
例:CIDRブロック 192.168.1.0/24
- ネットワークアドレス:
192.168.1.0
(ホスト部分が00000000
) - ブロードキャストアドレス:
192.168.1.255
(ホスト部分が11111111
)
5. 使用可能なIPアドレス
ネットワーク内で実際にホストに割り当てられるIPアドレスは、ネットワークアドレスとブロードキャストアドレスを除いた範囲になります。
上記の例では、192.168.1.1
から 192.168.1.254
までが使用可能なIPアドレスです。
まとめ
- ネットワークアドレス: ネットワーク全体の識別子(データ送信には使用しない)。
- ブロードキャストアドレス: ネットワーク内のすべてのホストに一斉送信するためのアドレス。
これらはサブネット設計やIPアドレス管理において不可欠な要素です。