AWSのフェイルオーバーとは、システム障害時にサービスを継続するために自動的にリソースやインスタンスを切り替える仕組みです。以下は、AWSでフェイルオーバーを実現する主なサービスです。
1. Route 53 (DNSフェイルオーバー)
AWSのDNSサービスであるRoute 53は、ヘルスチェックを利用してリソースの状態を監視し、障害が発生した場合にトラフィックを正常なリソースに自動的にルーティングします。
用途例: サーバーがダウンした際にバックアップサーバーに切り替え。
2. Elastic Load Balancer (ELB)
トラフィックを複数インスタンスに分散し、正常なインスタンスにルーティング。
用途例: ウェブアプリケーションの可用性を向上。
3. Auto Scaling
障害発生時に新しいインスタンスを自動起動してリソースを復元。
用途例: サーバー障害の復旧。
4. EC2 インスタンスの冗長化
障害発生時にEC2インスタンスを別のアベイラビリティゾーン(AZ)に自動的に再起動するよう設定できます。
5. Elastic IP
Elastic IPを使用して、新しいインスタンスに同じIPを割り当て、継続的にアクセス可能に。
6. RDS (リレーショナルデータベースサービス)
- マルチAZ配置: RDSにはマルチAZ配置(Multi-AZ Deployment)オプションがあり、プライマリデータベースに障害が発生した場合、自動的にセカンダリ(スタンバイ)インスタンスにフェイルオーバーします。
- 用途例: データベースの高可用性を維持。
7. Aurora (リレーショナルデータベース ※高可用性データベース)
Auroraは自動的なフェイルオーバー機能を備えており、プライマリインスタンスが障害を起こした場合、リードレプリカが自動的にプライマリとして昇格します。
8. AWS Global Accelerator
グローバルにトラフィックを最適化し、障害時には別リージョンに切り替えます。
用途例: 国際的なアプリケーションの高可用性。
9. S3クロスリージョンレプリケーション
データを複数のリージョンにレプリケートし、障害時でもデータを利用可能に。
用途例: データ耐久性の確保。
フェイルオーバーが重要な理由
- 可用性の向上: システムが停止してもサービスを継続可能。
- ビジネスの継続性: 障害が顧客体験やビジネス運営に与える影響を最小限に抑えられる。
- 復旧時間の短縮: 自動化によりダウンタイムを大幅に削減。