サブネットマスクのビット数は任意の数値を設定できるわけではなく、特定のルールに従う必要があります。以下にその理由と設定のルールを説明します。
1. サブネットマスクのビット数のルール
- サブネットマスクのビット数は 0~32の範囲 で指定します。
-
0
ビット: IP全体がホスト部分(使用可能なIP全体) -
32
ビット: 1つのIPアドレス(特定のホストのみ)
-
- 一般的なAWSの利用では、
/16
~/28
が主に使用されます。
2. サブネットマスクのビット数とIPアドレスの範囲
ビット数を増やすと、ネットワーク部分が増え、利用可能なホスト数が減ります。次に例を挙げます。
ビット数 (CIDR) | ホスト部分のビット数 | 使用可能なIP数 (ネットワーク/ブロードキャストを除く) |
---|---|---|
/16 |
16ビット | 65,534個 |
/24 |
8ビット | 254個 |
/28 |
4ビット | 14個 |
ポイント:
ビット数が大きいほど、IPアドレス範囲が狭くなります。AWSでは、ネットワーク設計に応じて適切な範囲を選択する必要があります。
3. 任意のビット数を選択できない理由
-
2進数ベースの計算
IPアドレスは2進数で管理されているため、ホスト部分のサイズは ( 2^n ) の単位になります。つまり、サブネットマスクは「連続したビット数」を使用する必要があります。 -
アドレス整合性
例えば、/25
ならば、IP範囲は必ず192.168.1.0~192.168.1.127
のように、計算上の整合性が保たれます。
4. 設定例
-
CIDRブロック:
10.0.0.0/16
- 全体で65,536個のIPアドレスを管理。
- サブネット例:
-
/24
:10.0.1.0 ~ 10.0.1.255
(254 IP) -
/28
:10.0.1.0 ~ 10.0.1.15
(14 IP)
-
-
不正な例:
-
10.0.1.0/23.5
のような非整数のビット数や、 - ホスト数が ( 2^n ) の単位にならないビット設定。
-
その他:AWSでのサブネットマスク設定の制限
AWSではVPCやサブネットを設計する際、以下の制限があります:
-
VPC全体のCIDRブロック:
/16
~/28
の範囲で指定可能。 -
サブネットのCIDRブロック: VPCのCIDR範囲内で、より狭い範囲を指定。
- 例えば、VPCが
10.0.0.0/16
の場合、サブネットには10.0.1.0/24
や10.0.2.0/24
を設定可能。
- 例えば、VPCが
まとめ
サブネットマスクのビット数は、2進数ベースの規則に従い、0~32の整数で指定する必要があります。AWSでは一般的に/16
~/28
が使用されます。計画時は、ネットワークの規模や構造に合わせて適切なビット数を選びましょう。