CIDR(Classless Inter-Domain Routing)は、ネットワークのIPアドレス範囲を効率的に表現するための方法です。
1. CIDRの基本構造
CIDRは次の形式で表されます:
<ネットワークアドレス>/<サブネットマスクのビット数>
例:192.168.0.0/24
-
192.168.0.0
:ネットワークの開始アドレス -
/24
:サブネットマスクの長さ(最初の24ビットがネットワーク部分)
2. サブネットマスクとIPアドレスの範囲
- サブネットマスクのビット数が増えるほど、ネットワーク部分が増え、使用可能なホスト数(IPアドレス)が減少します。
CIDR表記 | 使用可能なIPアドレス数 | 説明 |
---|---|---|
/16 |
65,536個 | 大規模なネットワーク |
/24 |
256個 | 一般的なサブネット |
/28 |
16個 | 小規模なネットワーク |
使用可能なIPアドレス数 = ( 2^{32-サブネットマスク長} - 2 )
(ネットワークアドレスとブロードキャストアドレスを除くため-2)
3. 計算例
例1:CIDR 192.168.1.0/24
- サブネットマスク長:24ビット
→ 使用可能なIPアドレス数:( 2^{32-24} - 2 = 256 - 2 = 254 ) - IP範囲:
192.168.1.0
~192.168.1.255
-
192.168.1.0
: ネットワークアドレス -
192.168.1.255
: ブロードキャストアドレス
-
例2:CIDR 10.0.0.0/16
- サブネットマスク長:16ビット
→ 使用可能なIPアドレス数:( 2^{32-16} - 2 = 65,536 - 2 = 65,534 ) - IP範囲:
10.0.0.0
~10.0.255.255
4. CIDRをシンプルに理解するポイント
-
ビット数が大きいほど、範囲が小さい(例:
/28
は/24
よりも範囲が狭い)。 - 範囲の計算は2のべき乗を使う。