AWSには、EC2専用で利用するリソースと、他のAWSサービスにも利用できるリソースがいくつかあります。以下でそれらを整理し、どのリソースがEC2専用で、どれが他のAWSリソースにも利用できるかを説明します。
1. EC2専用のリソース
インスタンスストレージ(Instance Store)
- 概要: インスタンスストレージは、EC2インスタンスに直接接続されたローカルストレージです。EC2インスタンスが稼働している間にのみ存在し、インスタンス停止時にデータは失われます。
- 利用範囲: EC2専用。インスタンスが停止するとデータが失われるため、他のAWSサービスに使い回しができません。
EC2インスタンスメタデータサービス(IMDS)
- 概要: EC2インスタンスメタデータサービスは、インスタンスに関する情報(インスタンスID、AMI、セキュリティグループなど)を取得するために使用されます。
- 利用範囲: EC2専用。インスタンスメタデータは、EC2インスタンス内部からのみアクセス可能です。他のAWSサービスには直接利用できません。
EC2キー・ペア(SSH鍵ペア)
- 概要: EC2インスタンスにSSH接続するために必要なキーペア。インスタンスを起動する際にキーを作成し、その秘密鍵を使ってインスタンスにアクセスします。
- 利用範囲: EC2専用。SSHアクセスのために使用され、EC2インスタンス外の他のサービスには直接関与しません。
2. 他のAWSリソースにも利用可能なリソース
VPC(Virtual Private Cloud)
- 概要: VPCはAWS内で論理的に隔離されたネットワーク空間で、EC2だけでなく他のAWSサービスにも使用できます。VPC内にはEC2インスタンスを含むさまざまなリソース(RDS、Lambda、Redshiftなど)を配置できます。
- 利用範囲: EC2専用ではなく、他のAWSサービス(Lambda、RDS、ElastiCache、Redshiftなど)にも使用できます。
セキュリティグループ(Security Groups)
- 概要: セキュリティグループは、EC2インスタンスへのアクセスを制御するための仮想ファイアウォールですが、VPC内の他のサービス(RDS、Elastic Load Balancersなど)にも適用できます。
- 利用範囲: EC2専用ではなく、他のAWSリソースにも利用できます(例:RDS、ELBなど)。つまり、セキュリティグループはVPC内の複数のサービスで使い回しが可能です。
IAMロール(IAM Roles)
- 概要: IAMロールは、EC2インスタンスや他のAWSリソースに対してアクセス許可を付与するためのものです。例えば、EC2インスタンスにS3バケットへのアクセス権限を付与したり、Lambda関数にDynamoDBアクセス権を付与することができます。
- 利用範囲: EC2専用ではなく、他のAWSリソース(Lambda、RDS、DynamoDB、S3など)にも利用できます。
Elastic Load Balancer(ELB)
- 概要: Elastic Load Balancerは、トラフィックを複数のEC2インスタンスに分散させるサービスですが、EC2以外のリソース(例えば、コンテナ(ECSやEKS)やLambda関数など)にも使用できます。
- 利用範囲: EC2インスタンスだけでなく、他のAWSリソース(ECS、EKS、Lambdaなど)にも利用できます。
CloudWatch
- 概要: CloudWatchは、AWSリソースのモニタリング、ログの収集、アラート設定などを行うサービスで、EC2に限らず、ほかのAWSリソース(S3、RDS、Lambda、DynamoDBなど)の監視にも使用できます。
- 利用範囲: EC2専用ではなく、他のAWSリソース(RDS、S3、Lambdaなど)にも利用できます。
S3(Simple Storage Service)
- 概要: S3はオブジェクトストレージサービスで、EC2インスタンスのストレージだけでなく、その他のサービス(Lambda、RDS、ECSなど)のデータストレージにも利用されます。
- 利用範囲: EC2専用ではなく、他のAWSリソースにも利用できます。例えば、バックアップやアーカイブ、データの保存などに使用されます。
RDS(Relational Database Service)
- 概要: RDSはフルマネージド型のリレーショナルデータベースサービスで、EC2の外部にデータベースを持つことができます。EC2と同じVPC内に配置し、EC2インスタンスからアクセスすることが一般的ですが、他のAWSリソースからもアクセスできます。
- 利用範囲: EC2専用ではなく、他のAWSリソース(Lambda、ECS、Data Pipelineなど)にも利用可能です。
Elastic File System(EFS)
- 概要: EFSはAWS内で共有ファイルシステムを提供するサービスで、複数のEC2インスタンスからアクセスできますが、EFSは他のAWSサービス(ECS、EKS、Lambdaなど)からも利用可能です。
- 利用範囲: EC2専用ではなく、他のAWSリソース(Lambda、ECS、EKSなど)にも利用できます。
まとめ
EC2専用のリソース:
- インスタンスストレージ
- インスタンスメタデータサービス(IMDS)
- EC2キーペア
他のAWSリソースにも利用可能なリソース:
- VPC
- セキュリティグループ
- IAMロール
- Elastic Load Balancer (ELB)
- CloudWatch
- S3
- RDS
- Elastic File System (EFS)
つまり、EC2インスタンスに関連するリソースは多くがVPC内の他のリソースとも連携して使えるものであり、AWSのインフラ全体で共通して利用できるものも多いです。逆に、EC2専用のリソースは、インスタンスに直結したもの(例えば、インスタンスストレージやキーペアなど)です。