1. DNSの概要
DNS(Domain Name System)とは、インターネット上のドメイン名とIPアドレスの対応関係を管理するシステムである。人間が理解しやすいドメイン名を、コンピュータが理解できるIPアドレスに変換する仕組みを提供する。
2. DNSの階層構造[^1] [^2]
DNSは以下のような階層構造で構成される:
- ルートドメイン(.)
- トップレベルドメイン(.com, .net, .jp等)
- セカンドレベルドメイン(example.com等)
- サブドメイン(sub.example.com等)
3. 名前解決の仕組み[^3] [^4]
DNSによる名前解決は以下の手順で行われる:
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クライアントからの問い合わせ:Webブラウザなどがドメイン名のIPアドレスを要求する
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DNSキャッシュの確認:ローカルDNSサーバーが既存のキャッシュを確認する
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ルートDNSサーバーへの問い合わせ:キャッシュにない場合、最上位のDNSサーバーに問い合わせを行う
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TLDサーバーへの問い合わせ:.comや.jpなどのトップレベルドメインを管理するサーバーに問い合わせを行う
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権威DNSサーバーへの問い合わせ:該当ドメインの正式な情報を持つサーバーに問い合わせを行う
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結果の返信とキャッシュ保存:取得したIPアドレスを返信し、次回の問い合わせのためにキャッシュを保存する
4. DNSレコードタイプ[^5] [^6]
主要なDNSレコードタイプとその具体例:
- **A (Address):**ドメイン名をIPv4アドレスに変換。例:example.com → 192.0.2.1
- **AAAA (IPv6 Address):**ドメイン名をIPv6アドレスに変換。例:example.com → 2001:db8::1
- **CNAME (Canonical Name):**ドメインの別名を設定。例:www.example.com → example.com
- **MX (Mail Exchanger):**メールサーバーの設定と優先順位。例:example.com MX 10 mail.example.com
- **NS (Name Server):**権威DNSサーバーの指定。例:example.com NS ns1.example.com
- **TXT (Text):**SPFやDKIMなどのメール認証情報を含むテキストデータの保存
5. DNSキャッシュ[^7]
効率的な名前解決のため、以下の場所でキャッシュが行われる:
- ブラウザキャッシュ
- OSのDNSキャッシュ
- DNSリゾルバのキャッシュ
- 各DNSサーバーのキャッシュ
6. セキュリティ考慮事項[^7]
- DNSキャッシュポイズニング対策
- DNSSEC導入による認証の確保
- ゾーン転送の制限
- DNSリフレクション攻撃への対策
参照
[^1] https://jprs.jp/related-info/guide/topics-column/no10.html
[^2] https://www.infraexpert.com/study/tcpip15.html#google_vignette
[^3] https://www.fujitsu.com/jp/services/infrastructure/network/word/dns/
[^4] https://www.value-domain.com/media/dns/
[^5] https://zenn.dev/chips0711/articles/b468bdef83504b
[^6] https://sellp.co.jp/2024/09/dns設定の基本:a-aaaa-cname-mx-ns-txtレコードの役割と使い方/
[^7] https://www.onamae.com/column/domain/35/