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事務所で購入するPCは、ミニPCで十分かも(AI開発学習にも良いかも)

Last updated at Posted at 2023-04-29

1.意外と安くて性能が高いミニPC

最近、パソコンを買い替えようと思い、いろいろなサイトを見ていました。
ラズパイを使った仕事をしていたこともあり、小さいパソコンがいいなと思い、ミニPCを購入することに決めました。

ミニPCは以前からありましたが、最近は安い割に意外と性能が高いです。
5万円~10万円未満 でも、以下のようなスペックのPCがあります。

・CPU:8コアのCPU(intelのCore i7やAMDのRyzen7)
・メモリ:16GB、32GB
・SSD:250-512GB

たとえば、このような端末があります。
この端末だと 6万5千円 ぐらいで、上記のスペック相当です。
これは、WindowsProがインストールされていますが、OSをLinuxにすればもっと安くなります。

ちなみに、なぜこのように安いのかなと推察してみると、世界的なPC需要の落ち込み、それらを背景としたPCや部品の値段が下がっているからでしょうか。

2022年の前半は、半導体不足等を背景にパソコンの価格が高騰しているとは言われていました。

しかし、年末には需要低下により在庫が積み上がり、PCの値段は低下傾向だそうです。

これはPCだけに限らず、部品も同様の様です。2023年4月時点では、CPU、メモリ、SSDの価格が低下 しているようです。なので、安いのは今のうちだけなのかもという気もしていますが、おそらく、通常のデスクトップやノートパソコンと比較すれば、ミニPCは相対的には安いと思います。
特に、ノートパソコンと比べれば、ディスプレイ、キーボード、バッテリーが付いてない分、安く なります。

2.同程度のスペックのノートパソコンやAppleのパソコンの価格

同程度のスペックのノートパソコンだと、大体10万円~20万円 はします。
たとえば、DELLのサイトなどで検索してみてください。

2023年4月時点では、AppleのMac miniの一番安いモデル(84,800円[税込])だとCPUは上記以上のスペックですが、他は上記のスペックよりやや劣ります。
Macbook Airはともに10万円超え、Macbook Proは20万円近くになります。
詳細は、Appleの公式サイトを見て頂ければわかると思います。

Macは、動画編集やゲームなどをする、または、iOSやMacOS用のアプリ開発に向いている端末 だなと個人的には思います。

ちなみに、Mac miniもミニPCのカテゴリに入るので、MacOSを使う際には、この記事に記載している利点を享受できる端末だと思います。

3.法人が用意する、事務や一部のソフトウェア開発用の端末であればミニPCで十分では?

項番1で示したスペックは、現時点(2023年4月時点)ではやや高めのスペックだと思います。実際、大手企業で事務をしているPCのスペックは上記より劣るものが多いと思います。メモリが8GBというのを多く見ます。

もっとスペックを落とせば2-3万円のミニPCもありますが、そこまで下げるよりは、やや高めのものをかって長期的に利用するほうが賢いと思います。

個人なら1台買うだけなので、30万円近いスペックのMacBookProを買ってもそう問題はないかもしれません。(お財布に余裕がある人は)

一方、法人の場合、やはり台数が多いので、1台あたりのコストは下げたいところです。
ミニPCならかなりコストを下げながらも、スペックは下げないので法人としては選択肢としてかなり有力だと思います。

ミニPCは、小さい為発熱に対して弱かったりするので、ゲームや動画編集などは向かないし、値段を下げたものだとGPUがなかったり、スペックが低かったりしておそらく不向きだと思います。
ただ、事務やWebアプリ開発などそれほどマシンのリソースを使わない処理なら、ミニPCで十分ではないかと思います。

4.リモートワーク、リモート会議が増えてノートパソコンの必要性がない人も多くなっている

私自身、以前は打ち合わせの際にノートパソコンを持っていったりしていましたが、最近はリモート会議が多く、ノートパソコンの必要性はあまりなくなっています。

また、リモートワークによる開発作業も多く、ミニPCで作業をしていても問題はありません。

企業では、リモートワーク対象者にパソコンを発送する関係で、ノートパソコンを購入しているところもあります。ただ、最近だと液晶やキーボードを持っている人も多く、ミニPCの端末だけ送ってもよい人もいると思います。特にソフトウェア開発をする人は、自宅に自分の好みの液晶やキーボードをもっているでしょう。

つまり、企業側がリモートワーク用の端末として、ミニPCを購入することはメリットがあると思います。
小型でスペースをとらず、値段も安い。ワーカーとしても、お気に入りの液晶やキーボードをつかえる。

5.ミニPCのコスト以外のメリット

個人的に、ミニPCがよいと思うのは以下の点です。

・液晶やキーボードをお気に入りのものを使える。
・複数台持っていても、液晶やキーボードは1つでもよい。(スペースを取らない、使い勝手が変わらない)
・液晶やキーボードのライフサイクルと端末本体のライフサイクルが異なるので、必要な部分のみ廃棄できる。
・スペースを取らないので置き場所も困りにくく、持ち運びもしやすい。

時々、お客さんのところで保守作業をすることがありますが、ミニPCならカバンにも入るものが多いですし、モバイルディスプレイ をもっていけば、外出先でも作業できます。

6.PC本体、キーボード、ディスプレイを分けて購入するメリット

ミニPCを購入する場合、大体、PC本体のみを購入すると思います。
キーボードやディスプレイはすでに持っている、特に、自分好みのものがあるケースが多いと思います。
このようにパーツを別々で買うことで、自分がもっとも作業しやすい環境を作りやすくなります。
特に、ノートパソコンの場合、液晶は小さく、キーボードもしっくりこない ものが多いです。

それから、各パーツの「寿命」に視点を当てて、各パーツを分けて購入するメリットを見てみます。

キーボードは、メカニカルキーボード などを使えば、10年 ぐらいもつものもあると言われます。

ディスプレイの寿命は10年 ぐらいと言われます。

そして、PC本体ですが、まず法定耐用年数は以下です。

パソコンの法定耐用年数は、サーバー用として使用するパソコンで5年 、それ以外のパソコンは4年 と定められています。

法定ではなく、実際使うことを考えても、おおよそ5年ぐらい経つと、OSやアプリの進化によって快適に動作するメモリやCPU性能などが足りなくなることもあります。つまり、買い替えたほうがよいと思う時期が、5年ぐらいするとくるようにも思います。特に、スペックが低ければ低いほど。

つまり、PC本体の耐用年数は、キーボードやディスプレイよりも短いと考えていいと思います。勿論、逆に、キーボードやディスプレイを買い替えて、本体は使い続けたいという場合も、それぞれを別々に購入していれば、買い替えができます。

あと、法人の場合、それぞれ別価格で購入するので、消耗品として計上しやすく なる気もします。

これは、ミニPCだけでなく、通常のデスクトップにも言えることですが、ノートパソコンと比較したときの大きなメリットだと思います。

7.ミニPCが不向きだと思うケース

ミニPCは、リモートワーク、リモート会議が多い人、または、そうした人たちを抱える企業にはメリットがあると思います。
ただ、以下のようなケースには不向きだと思います。

・営業や出張で移動が頻繁だが、PCの作業が必要なケース。
・動画編集やゲーム用。(スペックをあげてもいいが、熱の問題がある)
・工場など机がなかったり電源がとれない作業現場で使うケース。

バッテリーについては、モバイルバッテリー をつかってもよいかもしれませんが、時間制限がありそうだなと思います。

8.ミニPCの採用が増えつつある背景

ミニPCの定義が明確にあるのかはわかりませんが、比較的小型のデスクトップは、10年前ぐらいにはあったと思います。私がみたことあるのは、エプソンのEndeavorという端末です。

私が、ミニPCという名前で認識しだしたのは、intelが発売していたNUC(Next Unit of Computing)の端末を見てからです。

Wikipediaによると2013年ぐらいからあったみたいですね。

上記の通り、ミニPCというのは10年ぐらい前から市場には出回っていました。そして、スペックもそれほど高くなかったように思います。

一方、2020年のコロナ禍がはじまるまでは、リモートワークやリモート会議も多くはありませんでした。そのときは、外出先で情報処理を行う際には、ノートパソコンをもっていくことも多かったです。

ただ、2021年ぐらいからミニPCを購入する人も増えてきたように思います。特に、オンラインショッピングでも「ミニPC」というカテゴリが定着しつつあるように思います。

CPU、メモリ、SSDの性能向上に比例してミニPCの性能も高くなり、リモートワークやリモート会議による働き方の変化により、ミニPCが十分だといえるシーンが増えてきたのではないでしょうか?

あとは、半導体の供給不足、世界的な燃料高騰や流通コストの高騰による物価高で、ノートパソコンの価格も上がっているので、やや手が出しにくい人がミニPCを購入しているのかもしれません。

あとは、ラズパイ人気もミニPCに火をつけている気がします。
特に、ラズパイのメモリ8GBのモデルがでてから、小さくても高性能なものがあるんだという認識が広まっていった気もします。私も、メモリ8GBモデルをもっていて、お客さんのところのサーバとして稼働させていますが、全く問題なく業務で使えています。

以上、ミニPCが受け入れられる素地が徐々に作られていっている気もします。
特に法人でPCを揃えるのに、コストを下げたいところには有力な選択肢だと思います。

9. AI開発とミニPC

ChatGPTショックによりAI開発が今まで以上に注目を浴びています。
勿論、学習する人も増えてくると思います。

AI開発にはGPU がよいものを買うのがよいとされています。

近年、GPUではトップメーカーである NVIDIAがJetson Nano など小型のGPUを搭載したAI開発向けのボードなどを販売し、それを搭載したミニPCが販売されています。JetsonはAIだけでなく、ロボット開発にも使われたりしています。

また、MicrosoftもAI開発者向けに小型端末を発売しています。

このように、AI開発では意外とミニPCが開発端末としてつかえます。AI専用にしてくれているということもさることながら、やはりGPUにコストを充てることを考えても、他のコストを下げるのは重要かなという気もします。特に、学生さんなど学習目的の場合でも、コストを抑えながら、でも、ある程度のパフォーマンスを手に入れたいというなら、ミニPCは有力な選択肢ではないでしょうか。

外付けグラボ(グラフィックボード) をつけるという選択肢もあるので、ミニPCでAI開発もできそうかなという気はします。
ちなみに、外付けグラボでゲームもOKですね。

外付けグラボの相場は、3万前後~30万円 ぐらいになりますね。お財布が許す範囲で、ミニPCの性能を拡張できるかと思います。

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