1.クローラーによる学習データの収集
ChatGPTなどは、CommonCrawlなどがクローリングをして集めた情報 を学習データとして使っています。
ChatGPTを使った人ならわかると思いますが、ChatGPTは 質問者にとって必要な情報のみを表示 してくれます。質問する側からしたら、ネット上にある情報を広告やノイズ無しで取得できる ので便利だと感じると思います。
2.AI用のクローラーをブロックする方法
一方で、サイト運営者からしたら広告を表示していても、それを見られることなく情報を抜かれるということにもなります。
こうした、ChatGPTなどにデータを提供することに疑問を呈する人たちもいます。
こうした AIへの情報提供をブロックすることは、古典的なrobots.txtを使う ことでできます。
3.AIへのデータ提供を拒否する流れもでてくるのでは?
イタリアがChatGPTの利用を規制をしたことは有名なことだと思います。
こうしたAIの利用自体を規制する動きは、世界各地でおきつつあります。
おそらく、データ提供に対しても何らかの法的な規制がかかるのかもしれません。
サイト運営者からすれば、広告収入がなくなる危険性もあります。
4.「AI(GPT)版SEO」などの領域も徐々に生まれつつあるのかも
MicrosoftのBing AIは、AIを利用した検索エンジンとして注目を集めています。
そして、そのBing向けのSEOをどうしたらいいのかという記事もあります。それを、ChatGPTに質問するというおもしろい趣向の記事です。
このように、ChatGPTなどのGTPモデルはネットの情報を使うことが考えられますが、それを逆手にとってAIに拾いやすいサイトをつくるという流れも今後はでてくると思います。
検索エンジンへの最適化から(Search Engine Optimization)から、AI(GPT)への最適化をするサイトもふえるのかもしれないと思います。
SEOならぬ、GPTO(GPT:Generative Pre-trained Transformer optimization) などが生まれるのかもしれないですね。
5.AI(GPT)がもたらす新しいWebの世界:AIを通した情報提供
ChatGPTをはじめとするGPTモデルは、ネットの情報を使うことが不可避ではと思います。そうなったとき、それをブロックする人々や法規制もでてくると思います。
一方で、GPTモデルを積極的に活用して自社、自社サービスをアピールしようとする人もでてくると思います。
2000年初頭に検索エンジンが生まれてSEOを始めとする新しい領域が生まれたように、ChatGPTの登場により、またWebの世界も新しい領域や規制が生まれようとしているのかもしれません。
今までは、人間が検索エンジンをつかってWebサイトを表示して情報を取得するという方法が一般的でした。
人間 ⇔ Webサイト
しかし、これからは 人間とWebサイト(Webの公開情報)の間に、AI(GPT) が入ります。
人間 ⇔ AI(GPT) ⇔ Webサイト
誰に対して最適化すればよいのかという対象が変わってくるように思います。
AI向けには、セマンティックを考慮したシンプルなテキスト情報を提供 していくと思います。
一方で、人間と接するAIのインターフェースは今はそっけないものが多いですが、ここにデザイン要素がたくさん取り入れられてくるのではないでしょうか。AI向けのUI/UXデザインも独立した分野として生まれる かもしれないです。
個人的に、AIの利用は、インターフェースの集約化・単一化 になると感じています。つまり、あれもこれも画面を開いたり、操作する必要がなくなるということです。それを前提として、UI/UXデザインもうまれるのではないでしょうか?
今は、処理ごとに画面を設けたり、情報の領域を分割するUI/UXデザインが多い ですが、それが変わってくるように思います。
最初はシンプルな画面を表示し、指示を与えたあとは、回答を確認したり、そのあとの処理を促したりするという画面の流れ。いかに人間が簡単な操作をしながらも、確認やそのあとの操作をしやすいUI/UXにするのか?これはこれから色々と考案されてくるように思います。
Webビジネスにかかわる人は、このあたりの流れを踏まえて問題を回避しつつ、有益なサービスをもたらすアイデアを考えていく必要があると思います。