Twitterのフォロワーが多いフリーランスエンジニアとの出会い
Twitter(現X)で、フォロワーがそれなりの数であるフリーランスエンジニアと知り合いました。
出会ったのは、ちょうど2019年ぐらいです。この頃は、「駆け出しエンジニア」という言葉がトレンドといってもよい状況のTwitterの世界でした。
「ソフトウェアエンジニアバブル」であり、プログラミングスクールが勃興し、フリーランスエンジニアが増えてきた時期だと感じています。
フォロワーがたくさんいるんだから、さぞできる人だと思いました。
仕事のオファーをするも断られる
私は、ある大手企業のシステムリプレイスの案件をしていました。
とにかくタスクは多いけど、スタッフがいないのでなんとか人を集めないと行けない状況でした。
私はダメ元で、前述のフリーランスエンジニアに仕事のオファーをしてみました。
最初は、案件があって駄目だと断られました。
そのときは、「あれだけフォロワーがいるんだから、そうだよね」と、納得しました。
先方から仕事の連絡
オファーを断られてから数週間経った頃でしょうか。夏休みぐらいだったかと思います。
前述のエンジニアから連絡がありました。
「まだ、あの案件は人を募集してますか?」
メッセージを受けたので、「ええ、まだ人を探してますよ」と答えました。
そうすると、エンジニアの方から「もし、よければ紹介してもらえますか?」と申し出がありました。
「もちろん、いいですよ」と紹介することにしました。
違和感
お客さんに、そのエンジニアを紹介しました。
話すのは苦手でなかったらしく、お客さんも「コミュニケーションもできそうだし、仕事をお願いすることにしました」と連絡してくれました。
私は、「ああ、紹介してよかった」と思いました。
そして、一緒に案件が始まりました。
仕事の内容は、SE業務が多く、ユーザーやベンダーとの媒をして、仕様やタスクを整理する仕事になります。
この手の仕事は、会議やヒアリングをすることが多く、話したり、論理的に文書を作成して、関係者と情報共有することがメインになります。
このエンジニアの人は、ある程度の年齢の方です。
私からすると、ある程度の年齢で、フリーランスで仕事をしてるなら、会議やヒアリング、文書整理は当然できると思っていました。
ただ、初回の会議をみて、「え?」と感じました。
かなりグズグズで、ユーザーさんから何を聞き出すのか、何を伝えるのかがあまり伝えられない感じでした。
とっさに、私の方でフォローを入れてとりあえず会議は終わりました。
会議後、フリーランスエンジニアの人からは、「久しぶりなので、あがっちゃいました」と言われました。
「まあ、そんなもんかなあ」と思ってはいました。
ただ、コーディングするわけではないので、この感じだとこの案件は厳しいのかもしれいないなと少し思いました。ブランクという感じではなく、もともと苦手なのかなと思っていました。
この直感は当たっていて、その後の会議や資料作成でもかなりグズグズで、お客さんからも少し苦情めいたことを言われました。
紹介した手前、申し訳なく思いました。
活躍できる領域
それから案件も進んでいきましたが、やはりお客さんが期待するパフォーマンスはなく、他のチームメイトやベンダーさんも「大丈夫??」みたいな感じで捉えているのは、言葉の端々でわかりました。
私としては、紹介した責任もあるのですが、仮に苦手な分野があったとしても、得意な分野があるので、なんとか活躍してもらいたいと考えていました。
おそらく、マネージメントや情報の整理とかが苦手なのだと思いました。
そこで、それは私がして、その人ができることをお願いしようと思いました。
お客さんにもその旨を伝えて、マネージメントやヒアリングはできるだけ私が行い、整理作業やテストをしてもらうことにしました。
その人はマネージメントや文書整理は苦手でしたが、良いところもありました。
ある程度決められた作業をお願いすればきちっとこなしてくれました。
何より、前向きに受け答えしてくれるのでとても作業が依頼しやすかったです。
他の人は、この人の悪い点ばかりに目がいってました。最初は私も駄目なところばかり目がいってましたが、その人に救われることも多く、私や他の人の評価も少し変わっていきました。
その人の良さは、「責任感と思いやり」です。
どんな大変なことでも断らずに、前向きに引き受けてくれました。
大型のシステム開発、リプレイスとかはかなりタスク量が増えます。残業や休出することもあります。
そういう状況でも、このフリーランスエンジニアの人は、嫌ごと一ついわず、快く引き受けてくれました。
個人的には、本当に助かりました。
みんなの評価は低かったのですが、個人的にはこの人がいなければこのプロジェクトは絶対終わらなかったと思っています。
責任感、思いやりはスキルの一つ
プロジェクトは無事リリースを迎えることができました。
最後には、お客さんも紹介したフリーランスエンジニアの人に感謝されていました。
ただ、残念ながらコミュニケーションコストがかかるということで、解約することにはなってしまいました。
私の方からもこの人は保守には必要ですよと掛け合いました。
また、ユーザーさんからもこの人がいてもらわないと困ると言われていました。
コミュニケーション、ヒアリング、情報整理などは苦手には見えましたが、ユーザーさんやチームメイトに対しての配慮、心地よい受け答えなどがあったからこそ、評価してくれる人もいました。
最初は、「Twitterでフォロワーがたくさんいても、仕事できない人もいるもんだ」と思ってはいましたが、一緒に仕事をしていくうちに、ある一点だけで人を評価してはならないし、フォロワーがたくさんいるということはなにか惹かれるものをもっているのだと思いました。
何よりも、この人については、責任感、思いやりのあることがとてもよい点だと思いました。
当たり前じゃん!といわれるかもしれませんが、いろいろな現場をみていますが、これらのない人も結構います。
いずれにしろ、私はこのひとに助けられたし、人をみる視点を教えてもらいました。
さいごに
とりとめのないポエムでした。
私は一人法人でフリーランスに近い働き方をしています。
大手から中小までいろいろなお客さんのところで仕事をしています。
そこではいろいろな人と出会います。
今回、記事の題材にした人は、人の良さを見出し活かすことの大切さ、
そして、仕事において誠実さや思いやりがスキル以上に評価されることを教えてくれた人でした。
私の記録として、記事にしてみました。
以前、以下のような記事を書きました。
題材にした人は、結果的に「戦力外通告」をされてしまいましたが、僕の中では一緒に働きたいと思った人でした。
そう思いましたので、次の案件も紹介し、今は案件も決まっています。
本当によかったと思っています。
ちなみに、最近(2024.10)、フリーランスの案件が決まりにくいという話もありますね。
企業側もフリーランスへの警戒感があるように思います。