15年ぐらい前は1人でフルスクラッチできたけど・・・
自分が独立した15年ぐらい前のWebページは、SPAとかアニメーションたっぷりなWeb画面でもなかった。
そもそもデザインもそれほど技巧的なものもなく、HTMLでも完結するぐらいの比較的単純なものだった。
開発スタイルは、ローカルにXAMPPいれて、エディタとか、IDEならEclipseとか使うことが多かった。
バージョン管理もCVSとかあったけど、それを使わない人もたくさんいた。
つまり、昔はやることがすくなかったので、一人でWebシステムをすべてつくろうと思えばできた。
ユーザーの要求は増え、作業も増え、役割分担が当たり前の時代
今は、「フロントエンジニア」とかいう言葉が確立するほど、JS、CSS、サーバサイドがきっちり別れている。
分けてやらないといけないほど、お客さんの要求も増えているし、作業量も増えている。
まして、いまは、ローカルにXAMPPいれてエディタかEclipseいれて開発したら終わりというわけにはいかない。
Gitなどのバージョン管理、VimやVSCode、JetBrainsのIDE、CicleCIやJenkins、AWSやGCPなどのインフラなどなど、いろいろと用意しないと行けないものが増えている。
正直、一人でするには限界があるシステムが多い。いくらフレームワークやテンプレートセットをつかったとしても、案件にはいれば、細かいところを修正することになり、一般的な開発スタイルですればかなりのタスク量になる。
以下に、Web開発が年を経るごとに分業化していることについて概要を書いてます。
▶ 2000年~2019年にかけてWebのフロント開発は進歩しているのか?
マネージメント・設計をおろそかにするフリーランスの案件に炎上がつきもの
自分も経験があるし、同業のフリーランスからもよく聞くのが炎上案件。
その原因はいろいろあるけど、要件定義、設計を行わない、いい加減である。マネージメントもまともにできてないなどが挙げられる。
正直、一人で、要件定義、設計、テスト、製造、打ち合わせなどできるわけがない。小さい仕事ならいざしらず。
フリーランスのプログラマーは繋がりを求める
フリーランスのプログラマーは、営業目的にしろ、技術的な情報交流のためにしろ、つながりを求める。
そして、チームで仕事をしたいという提案がでたりもする。
昔ならそこまでチームで動くというニーズはなかったかもしれないが、最近は、冒頭に述べたように一人でするには限界があり、多くのフリーランスのプログラマーはそれを認識しはじめている。
「一人でもない、雇われ社員でもない働き方」がより一層求められる時代へ
だからといって、会社に入って雇われポジションで仕事をしたいかといわれたら、そういうわけではない。
一人でもない、雇われ社員でもない働き方を求める。
自律的で裁量が高く、自由に動ける。でも、仕事は役割分担をするチーム・ユニット。
最近は、フリーランスのプログラマーを奨励するようなサービスや風潮もあるが、本当に一人でフリーランスとしてWebプログラマーをするには限界がある。
自分もいろいろな会社を手伝うがチームが前提で、その中の一部を担うことが多い。特にWeb開発の場合、それが今はあたり前になっている。
一人で全部する案件は、大体自動化したシステムがあり、定型業務になっている。そういうものは、一人で全部しあげて報酬もすべて自分のものになる。
でも、やはり過去の蓄積があり、システムをつくっているからこそ一人でできるのであって、何も道具がなければそうした仕事は難しい。
いずれにしろ、法的な存在としてフリーランス・自営業主はあれど、実際の働き方として、一人でなんでもする時代はWeb開発においては難しくなっている。設計や打ち合わせ、マネージメントの担当、デザイン担当、コーディング担当、インフラ担当、テスト担当など、最小限の独立した個人がチームをつくるという働き方が、ますますふえてくるのではないかという気もする。
会社に業務委託で入るのともまた違って、そのチームとして独立したユニットになるというスタイルが増えるのではないかと思っている。
(思っているだけだけど)
ベンチャー企業のように事業化目的ではなく、チームユニットを作るための法人化
私が知っているある会社は、法人だけれど、よくあるベンチャー企業のように特定の事業を大きくするために作ったものではなく、あくまでも自立した職人が便宜上法人になっているものだった。
法人化することで、役割分担、完全にくつろぐわけではないけど、秘密基地的なオフィス、サークルや倶楽部のような雰囲気、人間関係をフリーランスの寄せ集めではなく、もう少し強制力をもって実現しているケースがあるように思う。
こうした今までとは違う、法人化の形もあるのではないだろうか。