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リモートワークで失われたもの:"出会い"や"コミュニティ"への需要の高まり

Last updated at Posted at 2022-01-16

1. 開発作業そのものは特に問題はない

 現在、顧客サイドの内製化支援を行っています。フルリモートで、出社したのは最初にPCを貸与してもらった1日だけ。それから、ずっとリモートでの作業です。
 現在は設計フェーズですが、会議もリモートだし、ドキュメント作成やレビューはオンラインツールをつかってこなしています。

 正直、作業上の問題はあまり感じません。設計フェーズとはいえ、もうリモート会議、リモートツールでの情報共有などICT分野以外の人も慣れてきています。
 まして、製造フェーズになるとGithub、Gitlabなどバージョン管理はクラウドサービスを使って行うし、レビューやタスク管理さえそれらで行なえます。以下、それらについて記載しています。

 新人・未経験の人と仕事するときは、さすがにリモートオンリーは厳しいなと感じるので、出社することもありますが、それぞれの分野に慣れている人であれば、特に問題は感じません。たとえ、それが顧客サイドであっても、業務経験者であれば特に問題はないです。

 つまり、開発そのものはリモートでもほぼ問題はなく、むしろ、無駄な通勤が減ってメリットすら感じます。でも、なにか失ったと感じることがあります。

2. 仕事を外れた繋がりの喪失

 リモート開発する以前は、常駐であれば仕事以外でのつながりもできました。たとえば、昼食にいっしょにいったり、帰り際にちょっと呑みながら話したり。
 タバコを吸う人なら、喫煙所でのコミュニケーションがあるでしょう(僕は喫煙しないけど)。こうした仕事とは関係ないコミュニケーション、人とのつながりは完全に失われた気がします。

 とはいえ、物理的にそうしたつながりをつくれないわけではありません。そうした「場」を設けるかということにつきます。
 ただ、最近は、仕事以外の関係性を持ちたくない人もいるので、なかなかそうしたものを意図的にオンライン上のコミュニケーションツールでもつのもためらわれると思います。
 
 オフラインであれば、なんとなくそうした仕事外のつながりが欲しい人、嫌いな人が分かるので、それをみて個人的に声をかけたりします。でも、オンラインとなるとどうしても、「仕事外」のことはコミュニケーションが取りにくい です。
 まして、正社員ではない業務委託のフリーランスともなると、お客さんのコミュニケーションツールの場でそれはなかなかやりにくいです。

 リモートワークで失われたのは、「仕事外」のコミュニケーションや人的なつながりかと思います。当該の仕事については効率的かもしれません。一方で、会社や組織が潜在的にもっていた「人的なつながり」を生み出す場が失われいるのかもしれません。

3. リモートで仕事ができるからこそ、人との繋がりそのものをつくるサービスが必要

 人は一人で生きるよりも、いろんな人間と関わって生活するほうがいいと思います。人との繋がりの良し悪しは関わり方の問題だと思います。リモートワークが普及する以前は、否が応でも仕事がそれを生み出していた側面があります。
 それが、リモートワークの普及で、人との繋がりが失われている側面もあると思います。特に、ソフトウェア開発はフルリモートがしやすい業種です。この傾向はますます強まると思います。
 
 職場で恋人や結婚相手も見つける人は少なくないと思います。リモートワークになるとこうした出会いは徐々になくなるのかなという気もします。

 ただ職場結婚を避ける風潮もありますので、リモートワークだけがその要因ではない気もします。

 最近、若い人と話するとほぼ全員といっていいぐらい出会い系アプリを使っています。今までは、職場や学校などで「副次的」に出会っていたのが、最近は、いろいろな価値観や生活の変化にともなって、「出会い」自体が一つのサービスになっています。

 恋愛・結婚だけでなく、フリーランスエンジニアが増え、リモートワークが増えれば仕事上の相談相手やつながりとかも段々減ってくるのではと思っています。

 
 フリーランスのコミュニティはいろいろあると思います。自分で作るもよし、既存のコミュニティに入るもよし。勉強会などへいってそうしたつながりを作るもよし。

エンジニアの勉強会なら、connpassですね。今はオンラインが多いですが、そのうちオフラインも増えるのでしょう。むしろ、勉強会こそオフラインでもいい気もします。

 いずれにしろ、出会い系アプリ、コミュニティへの需要がこれからより高まっていく気もします。

4. 対面コミュニケーションの脳への影響

 繋がりについて、その形態は重要だと思います。SNS、チャットによる非対面の交信やビデオ会議による擬似的な対面での会話と、実際に会ってコミュニケーションすることでは脳への効果が違うそうです。

 確かに、久しぶりに人に直接あって会話すると緊張があったり、脳の動きがちょっと違うなあと感じることはあります。やはりオンラインでコミュニケーションを完結させるだけでなく、実際に人と会うことも意識的に作ったほうがよい気もします。
 会社なら定期的に社員同士が対面で会話する機会を設けることもできると思います。フリーランスの人も家族以外の人との交流を勉強会やイベントを通して作っていくのがよいのではないかと思います。

5. 技術革新による生活・労働形態の変化がもたらす新しいニーズ

 インターネットが普及し、生活や労働の形が変わってきています。ここで取り上げたように、オフラインの職場にあった、「人とのつながり」というものがなくなっていくことで、それを補う新しいアプリやサービスが利用されると思います。

 こうした技術進化による生活・労働の変化が今まで当たり前に享受していたものを喪失させ、それ自体をアプリ・サービスで生み出すという流れはこれからも起こってくると思います。

 変化を嘆くよりは、新しいアプリ・サービスを創造し、それを利用する方が効率性も手に入れれるので一挙両得なのかもしれません。

 

 

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